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「敗戦から学ぶ準備!」

日本が、ワールドカップの決勝トーナメントで、1回戦で敗れました。負けはしましたが、日本の成長を感じさせる大会でした。国民はPK戦の負けた悔しさより選手全員に、感謝の気持ちの方が強いと思います。各種メディアやサポーターも、温かい対応です。私は試合後のインタビューに興味があり、連日、各種報道を見ていました。

その中でもやはり今回の日本のMVPであり、エース格に成長をした本田圭祐の言動に注目していました。
本田は、敗戦後のインタビューで、次のように発言しています。

「個々では物足りない。俺が日本人かパラグアイ人じゃなかったら、この試合は見ていない。」
「ここにいる選手は、何が必要かを感じることができたはず。ひとり、ひとりの技術をもっと向上させる必要がある。それを4年間、どう突き詰めるか。生半可じゃ、できない。」
「日本にいる若手は、もっと海外に出るべき。」

本田は、まるで、「負けても大健闘」の周囲の雰囲気をかき消すようでした。野球のWBCであれば、国民は「優勝」しか満足はしないと思います。「負けて感動」などは、無いと思います。野球では大リーグに逆輸入できる技術がたくさんあると聞いています。「スモールベースボール」とは、日本の野球技術の高さを表すことばだと思います。その高い技術を他の国々が、参考にしている点がたくさんあるそうです。しかし、サッカーでは、そんなレベルにはありません。まだ、海外の技術を取り入れて、吸収する段階です。

本田の発言の「日本人でなかったら、この試合は見ていない。」というのは、「日本のサッカーには、他の国々からは、学ぶべき技術がない。」という意味が含まれているのだと思います。すばらしいサッカーの技術を見るために、観戦しているのではなく、身内の試合を観戦するという意味だと思います。

日本は、アメリカを真似ることにより、経済発展をしたと言われるときがあります。しかし、単に真似が上手かっただけではありません。日本は、アメリカを手本とした上で、自分たちで、創造的に開発ができるまでに、技術を磨きあげました。その技術力は、他の国々からは、いつも後を追われ、狙われる立場です。

決勝トーナメントに進出した国の中で世界から、日本は、ダントツの最下位の実力とみられていたと思います。最高のレベルを知り、自分たちにも出来ることを信じて、それを求めるところから、成長がはじまる。

本田は、以前、サッカーで大切なことは、次の二つだと話していました。

  • 「準備」

  • 「メンタルを徹底的に追い込む」

本田は、「練習」ではなく、「準備」という表現を使っていました。本田は、「練習」と「準備」の違いなどは、説明していません。しかし、私は、本田が考える「準備」は、「練習」とは、違う意味で使っていたと思います。

「準備」には、次のことが、内在されていると思います。

  • 「具体的に、ターゲットが定められている」

  • 「取り組むべきことが、具現化されている」

  • 「自分のやるべきことを分かっている」

「練習」という表現からは、「緊張感」や「緊迫感」などが感じてきませんが、「準備」には、それがあると思います。
なにより、「メンタル面を徹底的に追い込む」ニュアンスが感じてきます。

久しぶりに、日本人で誕生したヒールを感じさせる選手の誕生。本田の発言は、次回のワールドカップをはじめとする各種の大会を楽しみにさせます。日本のサッカーは、まだまだ、発展途上の段階です。今回の大会は、「やるべきこと」、つまり、「準備すべきこと」が分かった大会だったのではないかと思います。次回のワールドカップでは、全員が「準備」を万全にして、世界レベルの技術を魅せてくれるはずです。

作成日:2010年7月5日 屋根裏の労務士

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