コラム Column

「上手く話すことができるために!」

11月から12月にかけて、説明会やセミナーの講師の仕事が続いています。来年度の導入に向けて、新しい人事制度の説明会やライフプランセミナーでの年金セミナーの講師です。先週、説明会が終了した後に、クライアントの管理職の方から、下記のことを質問されました。
  • 「大勢の人の前で、流暢に話していますが、
    元々、話すことが得意なのでしょうか?」

話を伺っていると、管理職になってから、人前で挨拶したり、話す機会が増えたが、上手く話せないので、人前で話すことに、苦手意識を持ってしまったというのです。そこで、人前で上手く話すことに関して、何か、アドバイスを頂きたいというのです。

大勢の人の前で、話すことに関するお悩み。非常によくわかります。正直、私自身、散々、悩んだからです。そして、今でも、あれこれと考えています。コミュニケーションやプレゼンテーションの悩み。ビジネスキャリアの中で、どの年次のステージでもあると思います。いつまでも尽きることのない悩みです。

私は、人と話すことが大好きです。学生の頃、自分は、コミュニケーション能力が高いと思い込んでいました。しかし、社会人になり、プロのビジネスの現場で、そんな慢心も木端微塵に打ち砕かれます。

話すことやプレゼンテーションについて。20代、30代、40代とビジネスの各段階で、これまで、何度も、何度も、壁にぶつかり、打ち砕かれ、自信を無くしてきました。その度に、そこから這い上がり、失敗から学習して、何かに気が付いてきました。そうやって、プレゼンスキルの何かを、身に着けてきたと思います。

社会人のある時期になると、大勢の人の前で、挨拶したり、プレゼンをする機会が増えてくると思います。そんな時に、緊張したり、上手く話せなかったこと。誰もが一度や二度あると思います。毎回毎回、すべてイメージ通り、完璧に出来たという人は、いないでしょう。

  • 要するに、大勢の人の前で、話すことは、水物であり、難しいこと。

私が、説明会で流暢に話しているとのご感想でしたが、正直、説明会やセミナーで、見ず知らずの大勢の人の前で話すのに、余裕なんてありません。説明会やセミナーでは、毎回、毎回、緊張とプレッシャーはあるものです。

説明会やセミナーに関する仕事の依頼を受けたときから、当日の決戦に向けて、緊張とプレッシャーが、重くのしかかっています。前日や当日は、試験前のような時間感覚。密度の濃い、長い、長い、時間です。特に、新制度導入の説明会は、毎回、毎回、冷や汗もの。

大勢の人の前で、話す技術的なこと。これまで、散々、書籍などでも勉強してきました。テクニック的なノウハウや技術は、確かに膨大にあります。しかし、上手く、話せるか否かは、ほとんど、下記にかかっていると思います。

  • 「事前の準備」。

今回、同じ内容の説明会を8回開催したクライアントがありました。それでも、毎回、毎回、特に前日は、徹底して予行練習。当日も、朝、軽く発声練習をして、声を出せる状態をつくってから、会場に向かっているのです。更に、開演の1時間前には、会場の近くで、最後の確認。盤石な状態で、説明会に臨んでいるのです。

自分が知らない、大勢の人の前で、話すのに、事前に十分な用意もせずに臨むことは、負け戦をしに行くのと、同じだと考えています。これまで、何回もプレゼンしてきた同じような内容でも私は、ぶっつけ本番で、話すことは、出来ません。

野球でピッチ―が、登板の前には、各種調整をします。ブルペンで投げ込みをして、肩をつくるように、見ず知らずの大勢の人の前で、話すためには、事前の準備と調整が必要なのです。

世の中には、見ず知らずの大勢の人の前で、いとも簡単に、即興で話すことが出来るプレゼンテーションの天才もいるのかもしれません。しかし、私のような凡人は、事前に徹底的に、用意していないと到底無理です。

ある意味、プロだからこそ、話すことは、水物であり、その怖さと責任の重さを認識しているのです。素人というのは、プロがしていることに対して何かいつでも簡単に、出来ると思っているふしがあるのです。以前、結婚式の直前になり、いきなり、簡単に祝辞の挨拶をして欲しいと、何か簡単に、頼まれたことがありました。

  • 「無理、無理、無理、絶対に無理」。

お断りして、可愛そうな気もしましたが、事前に十分な用意も出来ていないで、結婚式の当日に、即興で話すなんて、絶対に無理。話すことの依頼など、事前に、丁重に、丁重に、頼むようなことであり、直前になり、簡単に、頼むようなことではないでしょう。

大勢の人前で、きちんと話しをした経験が無い人。人前で、挨拶することが、大変なことだと、分っていないのです。無形の技術やノウハウに対して価値が分からない人なのです。

私が、いつも、大勢の人の前で、シビアな内容を、1時間から2時間もしており、話すのが、仕事のような人だから、5分ぐらいの簡単な祝辞ぐらい、その場で、簡単にしてもらえると思っていたようです。

経営者の皆様は、社員の結婚式に呼ばれることも多く、度々、祝辞の挨拶をしていると思います。自分が挨拶をする結婚式に招かれた場合。その結婚式は、自分の挨拶が終わるまで、気が重たいものです。

  • 見ず知らずの大勢の前で、何か話をするというのは、重たい、重たいこと。

管理職や役員になるということは、そんな重たいことをする機会が、増えることでもあるでしょう。大勢の人の前で、十分な準備もせずに即興で、上手く話すことは、普通は中々出来ないと思います。

事前にあれこれ準備してくことを通じて、話すフォームのようなもの出来上がり、何かを掴み、本番当日、上手く話すことが出来るのだと思います。そんなことを戒めながら、今週、予定している説明会の予行演習を、週末、事務所で一人していました。

既に、先週、東京で1回、実施。無事に上手く対応できた説明会。同じ、内容の説明会を、今週は関西地区で開催。それでも、事前の調整と準備は必要で、何回も何回も予行練習をしています。

作成日:2013年12月2日 屋根裏の労務士

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