コラム Column

「ONE TEAM!」・・・前編

最近、クライアントの方から、下記のことを聞かれることがあります。
  • 最近は、どこか、旅に行っていないのですか?

メルマガで旅の話が取り上げられていないので、「旅のコラム」を取り上げて欲しいということです。旅は、時間を捻出して行っていました。コラムに取り上げなかったのは、今年は自然災害が多かったためです。

まだ、日常を取り戻せていない人がいます。それなのに、日常を離れたワクワクしたテーマを取り上げる気持ちになれなかったのです。台風による甚大な被害で、まだ、日常に戻っていない人もいます。

10月に大分県に行ってきました。大分に行ったのは、別府と油布院を訪れて、温泉に入ってリフレッシュするだけではありません。旅の大きな目的は下記のためです。

  • 大分がラグビーワールドカップの開催地だったため

ラグビーファンとして、ワールドカップを盛り上げるために、地方開催地の大分を訪れたのです。

小生は、普段、ラグビーはほとんど観ません。しかし、『にわかラグビーファン』というわけではありません。小生は小学校、中学校のときに、ラグビーをやっていたからです。

小生の郷里は、社会人ラグビーの強豪チーム、三洋電機(現在は、パナソニック)の企業城下町です。ラグビーのクラブチームがあるのです。元・オールジャパンのバリバリのラガーマンからラグビーを教わっていたのです。

当時、小学生や中学生でラグビーは珍しく、関東で4チームしかありませんでした。そのため、地方予選が関東大会になってしまうのです。

草野球や草サッカーは出来ても、草ラグビーというのは出来ません。久しくラグビーには触れることもありませんでした。しかし、日本でラグビーワールドカップの開催が決まってから、小生は、ずっと、心配になっていたのです。

  • 日本開催が盛り上がらないのではないかと

南アフリカ大会では、日本はニュージーランドに145-17と屈辱的な大敗を喫し、現在でも残るW杯史上のワースト記録を羅列。今回のワールドカップが始まる前でも、日本代表の下馬評は高くありませんでした。

2019年開催のラグビーワールドカップ。前年2018年にサッカーワルドカップが開催され、来年2020年には東京オリンピックが開催されます。大きなメジャー大会の真ん中の年に挟まれる形で、ラグビーワールドカップが開催されることになったのです。ラグビーはアジアではマイナー競技です。

あまり関心が集まらず、注目がされない中で、粛々とワールドカップが開催されて、静かにしらけて終了していくような気がしていたのです。

日本開催を盛り上げたくて、日本開催を盛り上げるために。微力ながら、足を運んだのです。しかし、ワールドカップが始まったら小生の心配は消し飛ぶような盛り上がりになりました。

期間中の観客動員数は170万4443人。チケットは99・3%に当たる約184万枚を販売。全国16カ所に設けられた大型ビジョンで試合が観戦できる「ファンゾーン」に、W杯史上最多となる約113万人7千人が来場。経済効果は4370億円。

平均視聴率は40%超。何より、日本代表が敗れた以降も高い視聴率を記録したことも、これまでのラグビーではなかったことです。日本代表の試合が無くても、おもてなしの精神を超えて、ワールドカップを盛り上げることが出来ました。

御手洗冨士夫会長は「10年前に日本開催が決定したときには、誰も思いも寄らないくらい大きなラグビーブームを巻き起こし、アジアや世界に広がっていった」と述べました。さらに、国際統括団体ワールドラグビーのビル・ボーモント会長からは下記のコメントを頂きました。

  • 「もっとも偉大なW杯として記憶に残るだろう。
     大会は日本人の温かさ、ラグビーへの情熱、
     苦しいときの友情を象徴していた」

大会全体について、会長から高く評価され、感謝の言葉を頂くことが出来ました。

  • 日本開催でのワールドカップが大きく盛り上がって、
    大成功のフィナーレを迎えられたこと

日本代表が世界ランキング2位のアイルランドを下して、スコットランドに勝ちベスト8に勝ち進んだときよりも嬉しい気持ちになりました。

小生は、ラグビーの技術的なことは、もう、覚えていません。しかし、ラグビーを通じて教わったラガー精神だけは今でも皮膚感覚になるまでに刷り込まれています。

  • 「品位・情熱・結束・規律・尊重」という基本原則

ラグビーは、5つの基本原則を掲げた紳士のスポーツです。何より下記の2つの精神を技術的なこと以上に、重んじて大切にするのです。

  • 「他者へのリスペクト」と「ノーサイド」

対戦相手がいなければ、ラグビーは成立しない。ぶつかりあえる対戦相手がいてはじめて自分たちのパフォーマンスを出せること。だから、試合終了後にはノーサイドになるのです。対戦相手を罵ることなどは、できる余地もないのです。

勝っても負けても、対戦相手に最大のリスペクト。それがラガー精神のノーサイドなのです。勝ち負けはあっても、そこに上と下はないのです。

また、ラグビーは下記の考え方があります。

  • 「共生」

ラグビーは代表チームに選ばれるには、国籍は関係がないのです。その国や地域に3年以上居住するといった一定の条件を満たせば、その国の代表で出場することが出来るのです。

人種や国籍に関係なく、代表になることができるのです。一度、その国での代表になってしまえば、自分の国籍であっても代表になることは出来ません。人種や国籍に関係なく代表になることが出来てその代表に最大限の声援を送る精神も、ラグビー独特のカルチャーです。

  • 国籍や人種を越えて、
    多様性を認め合う
    共生社会の重要性

ラグビーは、そんな現代の社会が求める「多様性を認め合う精神性」が内在されているスポーツだと言えるはずです。

今年の流行語大賞は、「ONE TEAM」。「ONE TEAM」という言葉の意味は、解釈の誤解も多いような気がしています。

「他者へのリスペクト」と「ノーサイド」、「多様性を認め合う共生社会」の精神の下に、ある瞬間に、勝利を目指して、チームが一つになるのが「ONE TEAM」。

今回の日本開催・ラグビーワールドカップが成功したのは、そんなラガー精神のもとに、日本国中のラグビーファンで「ONE TEAM」になれたからだと思うのです。

作成日:2019年12月9日 屋根裏の労務士

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