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「財布を拾った話」

先週、10万円近い現金の入った財布を拾いました。警察に届け出をしたのですが、その一連のやりとりで、お笑い芸人にコントにでも使って頂きたいような話になったのです。

実は、私は幼稚園の頃から、高額現金の財布を度々拾っています。給与が銀行振込ではなく、現金で手渡しをされていた時代に、現金が入った給与袋を拾ったこともあります。

基本的にはすべて警察に届け出をしています。子供の頃に高額な謝礼を頂いたこともあります。現金が入っていない財布を含めると5年に一度ぐらいのペースで財布を拾っていると思います。

深夜の時間帯にウォーキングをしていることもあり、深夜の道端で財布を拾うことも多いのだと思います。今回は、久しぶりに、10万円近い現金が入った財布を拾いました。

高額な現金が入った財布を拾ったときに、警察に届け出をするのは少し注意が必要です。

  • 印鑑を持参していかないと、
    拾得物の届け出書類を作成する際に
    指紋を取られてしまう展開もあり得るからです。

警察に行く場合、三文判を持参していかないと、指紋を取られてしまう展開があるのです。善いことをしたはずなのに、嫌に気持ちになったことが、これまで、度々、ありました。

今回は、明日の仕事の準備に追われる中で、気分転換で街に出てところ、財布を拾ってしまったのです。事務所に戻ってから、印鑑を持参してから警察に届け出に行こうと思ったのです。

事務所に戻って、財布の中身を確認したらビックリです。10万円近い現金が入っていたのです。周囲の人に、「10万円近い現金が入った財布」を拾ったことを話したら、誰もが下記のようは返答なのです。

  • 『警察に届け出をするのでしょう!』

もちろん、周囲の人に話をしている段階で、自分の懐に入れるような気持ちは微塵もありません。10万円近い現金が入った財布を拾ったので、親しい親しい人に、「財布を拾った話」をしただけです。

これから、警察に行き、「10万円近い現金が入った財布」を、届け出をするという善い行いをしようとしているのです。正直な自分の気持ちを言えば、私は、周囲から下記のように思われたいという嫌らしい気持ちがあったのです。

  • 『さすがですね!』

ところが、周囲の人は「10万円近い現金が入った財布」を警察に届け出をしようとしている善行に対して下記のような返答なのです。

  • 『当たり前でしょう!』

『さすがですね!』と言われるような尊敬の立場ではなく、『早く自首しなさい!』と言われるような貶められる立場になっているのです。

財布を拾った話を聞いている方が上の立場になり、これから財布を警察に届け出をしていく拾得者の方が下の立場になっているのです。

  • 今回の財布を拾って、警察に届け出をしていくという善行

善行をするのは自分のはずなのに、周囲の人が善行をして、私が悪いことをしようとしている人間になってしまっているのです。いつの間にか、財布を届け出て感謝をされるという手柄が、私から周囲の人になってしまっているのです。

高額な現金が入った財布を警察に届け出をする場合、拾得物の確認を厳格に行うために、手続きに1時間以上の時間を要する対応になるのです。

明日の仕事の準備があるので、一区切りしてから、警察に行こうと思ったのです。ところが、周囲の反応が、自分が思ってもいない展開になったこともあり、仕事に集中が出来ないため、警察に届け出に行ったのです。

当たり前ですが、警察官は「10万円近い現金が入った財布」を警察に届け出をする善行に対して、尋問するような応対です。それどころか、拾った時刻から届け出をするまでの1時間くらいの間、どうしていたのかについて尋問されました。

  • 通報者や届け出者が第一容疑者ということなのでしょう。

2割は拾得者の権利があるので、どうするかについても確認されました。明日は午前・午後とも打ち合わせがありまだ、その準備が終わっていません。警察との応対が面倒で時間を要するので、権利権放棄をして、私の個人情報について必要最小限にしか確認させない方針にしたのです。

当たり前ですが、警察官は「10万円近い現金が入った財布」を警察に届け出をした善行に対して、何一つ、感謝の言葉などはありません。

善いことをしたはずなのに、何か、すっきりしない自分の気持ち。それでも、今度は拾った財布を持っている状況ではなく、警察に届け出をしてきた状況になりました。

今度こそは、『さすがですね!』と言われるような期待をしながら、周囲の人に話したら、またまた、上から目線で下記のような返答。

  • 『当たり前でしょう!』

『一応、先生でしょう。』
『一応、社長でしょう。』
『他人のものと自分のものの区別は出来るでしょう。』

そういうことを言いたいのではないと話したら、自分の気持ちを見透かされるような下記の返答。

  • 『何、善い人、アピールしているの!』

その通りなのです。その通りなのですけど、何、この展開、この状況。こんなに、モヤモヤした気持ちでは明日の準備と明日の打ち合わせは、とても出来そうにありません。

周囲は誰も誉めてくれません。そこで、気持ちを切り替えるために半年ぶりに、郷里の母親に電話をしたのです。母親と話すのは、お盆に帰省して以来6カ月ぶりです。自分のことで自分から電話をするのは4年ぶりぐらいかもしれません。

母親に、「10万円近い現金が入った財布」を拾ったことを話したら、母親はビックリした様子で下記の返答でした。

  • 『財布、無くしたの?』

財布を無くしたのではなく、拾ったことを説明したら、母親は安堵して、呟くように下記のコメント。

  • 『淳は子供の頃から、よく、財布を拾うわね!』

「10万円近い現金が入った財布」を拾って警察に届け出をしてきたことを話しところ下記のような返答でした。

  • 『当たり前でしょう!』

『全然、連絡してこないけど、元気なの!』
『正月、帰って来なかったけど、いつ帰ってくるの?』
『帰ってきたら、その話は聴いてあげるから』

料理を作っていた途中の様子で、電話を切られてしまいました。モヤモヤしながら、しばらく経ったら、拾った財布について下記のことを聞かれました。

  • 『そういえば、10万円の財布の謝礼はどうしたの?』
    『早稲田の法学部の先生の身分証明書が入っていたから
     すぐに連絡がとれたのでしょう!』
    『2割は相場だから、2万円もらったのでしょう。』

「権利権放棄したので、謝礼は貰っていない」と話したら、下記のようは返答でした。

  • 『あんた、バカじゃないの!』
    『何、かっこつけてんの!』

3月の繁忙期を控えて、モヤモヤしているのですが、財布なんて、拾うもんじゃないなと思いました。おあとがよろしいようで、最後まで読んで頂いてありがとうございます。

作成日:2020年2月25日 屋根裏の労務士

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