コラム Column

「3年目の気付き!」

社会人の3年目ぐらいになると次のステージへと向かう時期だと思います。一通りに、業務をこなせるベースが出来てきます。
その時期が、大きく成長できるか、出来ないかの境目だと思うのです。入社した頃とは、違う視点で業務を捉え、「新しい気付き」により、自分のスタイルを見つけていく時期だと思うのです。

私も、社会人の3年目のときに、お客様からのある一言で、その後の「私の仕事のあり方や目標」を気づくことが出来ました。
それは、次の一言です。

  • 「土地を購入して、家を建てることは、大変で疲れますね。」

私は、今の仕事をはじめる前、不動産・住宅業界にいました。23区に土地購入の相談からはじまり、高級注文住宅を建てる仕事です。私の担当させて頂いたお客様は、比較的に経営者などの富裕層が多く、ほとんどが紹介によるものでした。

不動産を購入して家を建てる前の設計段階までには、毎週1回、半年程度、打ち合わせが必要です。膨大な打ち合わせをすることになります。お客様も「大変であること」を十分認識しているし、計画にあたり各種の勉強もしています。私自身も会社から、大変な仕事だと日常的に言われていたし、ずっと思っていました。ある日、設計段階での打ち合わせが終了をむかえ、ショールームのエレベーターの前で、お客様から嬉しそうに次のように話しかけられてきたのです。

  • 「土地を購入して、家を建てることは、大変で疲れますね。」

  • 「ここのところ、ずっとマイホームの打ち合わせだったので、来週は久しぶりにディズニーランドに行って、リフレッシュしてきます。」

私は、「大変で疲れる」という言葉が何となく、引っかかり、帰りの電車の中でも、ずっと考え込んでいました。そのとき、次のことに気が付いたのです。

  • 「私の打ち合わせは、面白くない。」

当時、私は、「契約をとること」が営業マンの仕事だと思っていました。正直、契約後の打ち合わせについては、意識も低かったと思います。会社は、お客様に対して、「設計完了時」と「引渡時」に顧客満足度のアンケートをとっていました。その内容も概ね問題はなく、良い内容でした。今にして思えば、私は本当に、浅はかだったと思います。私のお客様は、人間的にもすばらしい方ばかりでした。通常、人間関係を悪くしたくないから、一生懸命やっていれば、良いように書いてくれるのです。実際は、不満なこと、いたらないことも多かったと思いますが、若い私を育てるような視点で、アンケートはご祝儀のようなものだったと思うのです。当時、私は、自分のことが精一杯で、そんなお客様のご配慮にも、全く気が付いていなかったのです。

事実として言えることは、打ち合わせは、お客様にとって楽しみではなかったのです。マイホーム計画のために、必要な打ち合わせに過ぎなかったのです。お客様は、私の打ち合わせが面白くないから、疲れていたのです。ディズニーランドの方が、楽しみなのです。そのときから、次のことを強く意識するようになったのです。

  • 「どうしたら、面白い打ち合わせが出来るのか?」

請負業は、完成品を買うのではなく、その制作過程を体験でき、楽しめることが醍醐味だと思うのです。膨大な項目の「決めていかなければならないこと」もあります。家づくりには、資金計画、土地購入、プランニング、設備選びなど様々なテーマがあります。
私は、各テーマにそって、「学べること」をベースにしたオリジナル資料を作成して、家が完成する進捗に併せて、家づくりのための膨大な知識や知恵が自然と身につけられ、「理解」ができるような打ち合わせを心がけ出したのです。
目の前の決めるべき項目について、その内容や商品説明だけでなく、その背景あるコンセプトや考え方、趣旨なども調べて、深い理解が得られるようにしたのです。

最初のうちは、お客様を必要もないくらいに、細かくしていたと思います。社内では、私のお客様は、「マニアのような客ばかり」だと揶揄されることもありました。上司からは、契約後のお客様に対して、いつまでも関わっていて、本来の営業の仕事をしていないと注意を受けることも度々ありました。しかし、段々と、勘所のようなものがわかってきて、自分なりのスタイルが出来てくるとお客様が時間も忘れて、打ち合わせをして頂けるケースが増えてきたのです。不思議なのですが、そのうち、新規を探すために、あちこち訪問をしなくても、紹介だけで、契約もとれるようにもなったのです。

私は、今の仕事でも、「もの創りの楽しさ」をベースにした打ち合わせを忘れずにいます。人事制度は、大切なことには間違いありませんが、企業活動の本流の活動ではありません。しかも、昨今労務について、経営者には考えたくないようなシビアな内容の連続だと思います。人事部や総務部の方でもなく、実際にトラブルが起きたわけでもなければ、優先順位は低いのが、本音だと思います。優先順位を最上位に上げて頂くためには、私との打ち合わせの時間が、有効的な時間として評価して頂くしかないと思っています。私は、有効的な時間となるためには、プロジェクトを通じて、「人事制度創りの楽しさ」を体感して頂き、「何らかのヒント」を得られることだと考えています。

私の「打ち合わせ道」は、まだまだ発展段階の道半ばの状態です。若き日の「3年目の気付き」を忘れずに、私は、皆様に、労務のシビアな内容の中でも、楽しんで頂ける打ち合わせを目指していきたい。

作成日:2010年11月1日 屋根裏の労務士

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