コラム Column

新しい日常 その1 「今は、勘弁して頂きたいです!」

東京を中心としてコロナウイルスの感染者が増えています。先週は、東京の1日の感染者数が6日連続で200人を超えている状況。全国展開をしているクライアントではコロナの対応に追われる中で、大雨による水害被害にも追われています。

先行きが見えない状況の中、経営者はパンク状態です。なかなか、心が休まる状況になりません。一方で、多くの国民が不安な心持の中、7月22日から「Go To トラベル」が始まりました。

政府の対応が二転三転しながら、東京都内への旅行と都内在住者は対象外になりました。東京が対象外になり、少しがっかり感もありましたが、ほっとした気持ちになっています。正直、緊急事態宣言で経済を止めるのは、懲り懲りという気持ちです。

実は、「Go To トラベル」が始まる前。7月10日に仙台から秋田に出張と旅をしてきました。年始に、旅の予約をしていたのです。久しぶりに、夏の季節に北の方に旅をしたくなったのです。

5月のゴールデンウィークは緊急事態宣言の発令を踏まえて楽しみにしていた旅は当然にキャンセルでした。全額キャンセル料が発生した宿もありました。

もっとも、4月の頃は、旅行中止でガッカリになっていたり、不安になっているような状況ではありませんでした。緊急事態宣言が出されて現実を凌いでいくモードでの対応でした。

そんな状況に追われているときに知らない県外から一本の電話がありました。その電話は、今回、宿泊をさせて頂いた秋田県の宿からのお電話でした。宿の担当者から、鬼気迫るようなお願いのお電話でした。

  • 「緊急事態宣言が出されましたが、
     7月の宿の予約は、まだ、キャンセルしないで
     状況に応じて対応をお願いします。」

  • 「7月に緊急事態宣言が解除されていたら、
     そのときは、田沢湖に来て下さい。」

  • 「コロナの感染予防対策をしっかりとして、
     美味しい食事を用意して待っています。」

実は、7月の旅行もキャンセル料が発生する前にとりあえずキャンセルをしておこうと思っていたところでした。しかし、宿の担当者から鬼気迫るような電話の応対にキャンセルはしないでいたのです。

コロナで苦しいのは、誰もが同じです。とりわけ、観光業界はコロナで経営がガタガタです。宿の担当者に下記の約束をしました。

  • 「7月にコロナが落ち着いていたら
     出来る限り、行くようにします。」

  • 「7月にお会い出来ることを楽しみにしながら、
     私も今を凌いでコロナの対応にあたります。」

宿の担当者から、今度は、弱々しい声で、一言、下記の言葉がありました。

  • 「ありがとうございます。」

実は、7月になり、年度更新や算定基礎届、高年齢者や障害者の雇用報告などなど。事務の定例業務の対応に追われる中で「緊急性の高い重篤な労務の相談対応」がいくつか出てきたのです。

繁忙期に、小生の本業でもある「重篤な労務の相談対応」が出てきたので、コロナの対応も落ち着かないので、旅はキャンセルすることも頭をよぎりました。

それに、東京からの観光客は5月のときほどでないにしても、地方の方々も心配になっているとも報じられています。更に、天気も大きく崩れて雨模様の様子です。

そこに、再度、宿からの電話があったのです。

  • 「旅の日が近づいてきました。」
    「ご宿泊ということで宜しいでしょうか。」
    「是非、来て頂きたいです。」

宿からの電話を頂いたときに、自分の迷いは消えていました。

  • 「新幹線が止まらない限り
     必ず行きます。」
    「コロナの感染予防を
     しっかりとして行きますので
     心配しないで下さい。」

実は、宿から電話があった日にクライアントから臨検の同席をお願いされていました。同席の日は、7月10日金曜日、場所は、仙台の支社。秋田の田沢湖に旅行する日と偶然にも同じ日だったのです。

現在、平日の新幹線は、コロナの影響で、終日、ガラガラ。感染リスクは低いということです。池袋であれば、大宮・仙台間は1時間6分の乗車時間であり、仙台は思っている程、遠くないとのことです。

アポなしの訪問から始まった臨検。まずい展開になりそうで、次回が山場のはずなので、同席をお願いしたいということでした。

新幹線は、直進であれば、乗車券は途中下車が可能。旅のモードは、臨検が終わるまで、お預けモードになりましたが、イロイロな偶然が重なり、田沢湖に行くことが出来ました。

天気は崩れていましたが、田沢湖に着いたら雨は止んでいました。宿の人が駅まで迎えてきてくれました。ものすごく嬉しそうな雰囲気なのです。

  • 今回の宿屋の対応で営業や接客に一番大切なこと。
    思い出したような気がします。

温泉宿は、コロナの影響でガラガラでした。小生は、新幹線の中はフェイスフイールド+マスクをつけていました。

秋田は新規感染者0人が続いていましたがマスクをしていない観光客も多くいて、旅行中は不安になっていました。何より、不安になったのは下記のためです。

  • 7月10日の夕方に今度は東京管轄で
    アポなしの訪問から始まる臨検になったので
    相談をしたいという問い合わせがあったからです。

6月までは、労働基準監督署の方も、コロナの対応で企業への厳しい臨検を控えてくれていたはずです。7月に入ってから、既に、2件、アポなし訪問から始まる小生が同席するような厳しい臨検が出ています。

国民の不安が高まる中で「Go To トラベル」が政府の意向で強硬に開始されました。恐らく、政府は、「Go To トラベル」だけでなく、これまで、自粛的にしていたと思われる臨検も対応するように指示したと察します。

4月から6月まで1件もなかった臨検が、7月になってから、2回出ているのです。「Go To トラベル」の対象に東京が外れたことで、また、状況は変わったかもしれません。

ウイズコロナの対応で経済を回していくことは政府の強い方針です。コロナの第一波の対応を収束させる対応から新しい日常が始まりウイズコロナの対応に変わりました。コロナは長期戦になるので、経済は回してウイズコロナの対応は当然にすべきと思っています。

  • 「Go To トラベル」に加えて、
    コロナ前のような臨検の対応。

水害の対応もあります。正直、今は、勘弁して頂きたいと感じながら、4連休は仕事をして過ごしていました。

作成日:2020年8月3日 屋根裏の労務士

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