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「この人、何者ですか!」・・・その2

年度末の大繁忙期に、パソコンのトラブルに陥り、自分の本業ではない分野で、全身全霊で対処する事態に陥っていました。

パソコンの購入の初期不良で、マザーボードの部品を交換して頂いたところ、Windows10のセキュリティーシステムが発動。強固なロックがかかり、情報処理の専門者でも簡単には解除できない状態になってしまったのです。

本業だけでもパンク状態で時間がない状況。そこに、本業以外のことで問題が起きて、格闘状態に陥っていたのです。情報処理に関する理解を深めて、経験値を高めながら。一人一人の担当者を論破して、クリアしていく状況。

Windows10のセキュリティーシステムは専門性が高く、複雑になっており、難しい内容であること。今回、身をもって分かりました。メーカーだけではなくマイクロソフトの担当者でも対応が出来ない状況なのです。

今回の一連の対応を続けていく中で、マイクロソフト側も緊急事態の異例の対応ということになり、最後に、ある窓口を案内されたのです。

マイクロソフトの異次元なレベルの技術者に出てきて頂き、今回の一連のトラブルについて、原因を見つけて頂くことが出来ました。今後の対応方針を見出していくことが出来たのです。

ビットロッカーとそれに紐づいたマイクロソフトアカウントの件。情報処理の分野は様々なことが密接に繋がっています。そのため、一つの事象で拗れだすと、様々なことに影響が出てきて、次々とトラブルが起きてしまうのです。

もはや、Windows10というOSは、難しくなり過ぎており、きちんと理解して対応できる専門者は世の中にほとんどいない状況だということが分かりました。何より、今回の一連の対応を通じて、下記のことを痛感していました。

  • 世の中に、本当に理解を深めた、
    「分かっている」専門者は
    ほとんどいないということ

どんな分野でも言えることですが、窓口にいる人というのは、量産型の人がいるものです。

  • 量産型の人とはマニュアル型の人材です。

マニュアル型の人は、世の中で既にあり、取り扱われている事実の中でしか対応が出来ません。自分の専門分野の世界は、正解のあるQ&Aのマニュアルの中しかないのです。少し出来る人で、業界発行の専門書程度の知識を聞きかじった程度に知っているぐらいです。

今回の一連の対応を通じて、マイクロソフトの窓口の方とやりとりして、担当者のレベルについて下記のことを痛感していました。

  • 『自分が分かっていないということも、分かっていないこと』

それでも、自分の専門分野以外のことは、『自分が分かっていないということも、分かっていない人』に相談しながら、その人を上手く活用しながら、対応していくしかないのです。

少なくても、その業界の人であれば、新人でもない限り、素人の自分よりも、その分野のことに知識はあり、詳しいはずだからです。

どんな業界でも、Q&Aのマニュアルではなく、イレギラー対応や新たな問題に対処が出来る人件費が高い専門者を相談窓口に置いている企業はありません。今回のような事態にならない限り、「未来が見えるニュータイプ」の担当者は簡単には出てきてくれないのです。

簡単なことであれば、量産型の担当者でも仕方ないです。毎回毎回、出来る人に対応して頂くのはユーザーとして、わがままだとも理解しています。しかし、大切なことであれば、「未来が見えるニュータイプ」の担当者でないと大変な事態に陥ることを、今回、身をもって分かりました。

今回のビットロッカーの件について、そもそも下記のようになっていたことが原因なのです。

  • パソコンの初期設定を
    マイクロソフトの推奨設定で
    設定していなかったこと

Windows10は初期設定の画面が、1年間に4回も変わっているそうです。そのため、メーカーや設定会社の方がその対応に追い付いていないというのです。メーカーごとでも微妙に取り扱いも異なる様です。

そもそも、取扱説明書の説明から、推奨設定でないのです。つまり、入り口から違う案内をしていたのです。『自分たちが分かっていないことも分かっていない』のです。

そして、ユーザーの方も、専門性が高く、複雑な内容のため、問い合わせをしたり、クレームを入れることも出来ない状況が続いていたのです。

Windows10は複雑で難しい仕様や規約であるため、業界のほとんどの方がその仕様や規約を理解が出来ずにマニュアル通りの対応しか出来ない状態だというのです。更に、そのマニュアル自体が、Windows10の更新に追い付いていなために、適正に設定がなされていない状態だろうというのです。

クラウドサービスの時代には、取扱説明書自体がないことがスタンダートなのかもしれません。

今回、マイクロソフトのニュータイプの技術者から下記のことを聞かれました。

  • 「どこのメーカーですか?」

担当者が、『あるメーカー』の名前を出しました。幸いにして小生が購入したメーカーではありませんでした。今後、『マイクロソフトの担当者が名前を出したメーカー』のパソコンだけは購入したくないと思ったのは言うまでもありません。

また、次のようなことも聞かれました。

  • 「経営者の方ですか?」
    「差し支えなければ、何をされている方か教えて下さい。」

労務のコンサルタントである旨を伝えたら、「でしょうね。」と返答されました。通常では、情報処理の技術者でもこの窓口までは来ることも出来ないそうです。

  • 専門者であるがゆえに、気が付かないこと

  • 専門者であるから、分かっていると思い込んでいること

  • 無知ゆえに、気が付く真理があること

「無知の知」を説いたソクラテスが伝えたかったこと。少しだけ分かったような気がしました。

Windows10は、難しいOSのため、仕様や規約の理解不足から、基本的なことから問題が絶えない状態の様です。

今回、色々なことを調査および相談をさせて頂きました。今後の対応に関して、結局、初期化をして再設定をするしかないことを十分に理解しました。

初期設定の方法についても、それぞれのメーカーの考え方や判断もあるようです。取扱説明書の内容もその時点でのメーカーの判断であり、考え方や対応方法が様々あるようです。そこで、下記のようなアドバイスを頂きました。

  • 「初期設定をする際に、今回の一連の経緯を説明して
    メーカーの技術がわかる担当者に対応して頂くように
    マイクロソフトから言われたと伝えて下さい。」

    「パソコンの設定会社ではなく、
    メーカーの分かる人に出てきて頂き、
    対応して頂いて下さい。」

    「分からない人が多いですから、
    分かる人に出てきて頂き、
    対応して頂いて下さい。」

    「今回の件は、各メーカーの方にも、報告しておきます。」

今回のビットロッカーの対応でマイクロソフトやメーカーから、散々、言われた言葉です。

  • 「分かる人に出てきて頂き、対応して頂いて下さい。」

『自分が分かっていないということも、分かっていないこと』を自分は分かっていると思っている人に、分からせるというのは、大変な労力がかかるものです。

「無知の知」というのは、教養がある賢者にしか備わっていないものです。得てして、無教養の愚者の方が、『自分は分かっている』と思い込んでいるものなのです。

ちなみに、情報処理のことについては、PL法の対象外になっているそうです。マイクロソフトのニュータイプのエンジニアに出て来て頂き、マイクロソフトとの対応が済みました。そして、メーカーとの第4ラウンドが始まるのです。

作成日:2019年4月8日 屋根裏の労務士

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