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「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」

ゴールデンウィークに先駆けて、国立新美術館で、4月27日から、「ルノワール展」が開催されます。今回のルノワール展は、芸術の都・パリが誇る、オルセー美術館とオランジュリー美術館が所蔵する絵画を同じ場所で見ることができます。パリでも実現不可能な競演です。

私は、美しいものを見ることが大好きです。庭園鑑賞と並んで絵画鑑賞も趣味の一つです。毎月、どこかの美術館を、ワクワクしながら訪れています。

今回、ルノワール展でやってくる絵画を知ったとき。正直、ビックリしました。ルノワールの顔とも言えるあの絵画が、日本にやってくるからです。

  • 「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」

「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」は、オルセー美術館の目玉の一つとなっている絵画。海外に貸出をすることは、滅多にありません。私は、「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」に逢いにいくことを楽しみの一つにして1年半前に、パリを訪れました。

「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」はオルセー美術館の最上階にあります。1時間待ちの列に並んで、チケットを購入。1階から目当てにしている絵画を順番に回りながら、最上階の「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」の前に立ちました。

ホンモノを目にした感動はありましたが、実は、少しガッカリ感もありました。それは、落ち着いて、ゆっくり鑑賞すること。出来なかったからです。「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」の前は、いつも、人だかりが出来ていて、押すな押すなの状態。更に、「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」をバックにして大勢の方が、記念写真をとっているのです。

ヨーロッパの多くの美術館は、展示してある芸術品を写真で撮ることが許されている様です。何か、日本とは、絵画の鑑賞方法。全く異なるのです。美術館に入場するのに、日本の美術館ではない様な厳しいセキュリティーチェックをあるのにも関わらず、入場してしまうと、押すな押すなの状態で、ゆったり、落ち着いて、鑑賞できる雰囲気ではないのです。

美術品を写真に撮っているのは当たり前。大勢の方が、美術品をバックにして記念撮影をしているのです。美術館の中で、絵画を見ながら、本格的に絵を画いている人までいます。

ちなみに、ルーヴル美術館のモナ・リザの前は、通勤ラッシュ時の超満員電車の中にいる様な状態でした。ホンモノの前に立ったというスタンプラリーの様な事実だけで、じっくり味わって鑑賞するなんて、有り得ない混雑ぶりでした。

今月の初めに、展覧会の最終日に、レオナルド・ダ・ヴィンチの「糸巻きの聖母」を見てきました。1時間半待ちの列に並んで、最前列ではそろりそろり歩きながら30秒程度の鑑賞でした。

30秒程度でしたが、ホンモノを静かに鑑賞することが出来ました。日本人であれば、長時間の列に並ばせて、時間制限をさせても、海外の様に、押すな押すなの状態にはさせません。鑑賞時間は短くても、その時間の中では、静かに、じっくり鑑賞させるようにしていると思います。

今回のルノワール展も、恐らく、入場制限になったり、更に入場した後で、「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」の鑑賞には、長時間待ちの列に並ぶことになったりするかもしれません。そんな列に並ぶことを覚悟しても、また、「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」に逢えること。今から、楽しみにしています。

ルノワールは、モネと並んで印象派の顔となっている人物です。しかし、ルノワールが、どっぶり印象派主義であった期間は、意外と短いのです。ルノワールの78年の人生の中で、どっぶり印象派主義であった期間は、せいぜい10年程度です。

それでも、印象派と言えば、モネとルノワールが真っ先に思い浮かぶのは、間違いなく、ルノワールのあの絵があったからでしょう。

  • 「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」

今回、日本にやってくるあの絵があったから、ルノワールは、印象派の顔になっているのだと思います。ルノワールの魅力は、下記にあると思います。

  • 日常の幸せを抜き取るように描いていること

「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」は、ルノワールの真骨頂とも言える、日常の幸せを絵にして抜き取った最高の傑作。駅のホームにある展覧会の広告になっているルノワールの絵を見ているだけで、ワクワクしてきます。混雑覚悟で、長蛇の列に並ぶことも覚悟して、今から、ルノワール展を楽しみにしています。

作成日:2016年4月25日 屋根裏の労務士

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