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「商売の難しさと商売のヒント」

ガラケーからスマフォに買い換えて2か月が経過します。少しスマフォ依存症気味になりながらも、スマフォに触れない日を設けたりしています。週末は出来るだけ、スマフォには触れないようにも意識しています。

以前は、ガラケーの携帯とiPadの併用でした。7年前に日本でもiPadが発売されて、早々に購入したのでスマフォは使っていなかったのです。

先月のメルマガでスマフォに切り替えたことを取り上げました。スマフォに買い換えたのは、下記の偶然が重なり、天からの啓示があったような気がして衝動買いをしたとメルマガで取り上げました。

  • 平日の時間帯に打ち合わせが早く終わり、偶然にも時間が出来た。

  • 店舗を覗いたら、客がガラガラの状態。

  • さらに、店員が呼び込みをしている。

しかし、偶然が重なっただけで、スマフォの衝動買いをしたというだけではありません。実は、以前から、携帯を買い替えるときは、「ここの携帯ショップから購入してあげたい」と思っていたのです。

9年前にガラケーを購入したのは、別の携帯ショップでした。私がガラケーの携帯電話を購入したショップでもないにも関わらず、海外に行ったときの操作方法を、今回スマフォを購入した店舗で以前、丁寧に教えてもらったことがあったからです。

私は本体を購入したショップでもないのに、嫌な顔一つしないで、丁寧に応対してくれた店員に、大変感謝をしていたのです。そのときからずっと、次に携帯電話を買い替えるときは、ここのショップで購入してあげようと決めていたのです。

人というのは、下記のことを忘れずに覚えているものだと思います。

  • お世話になったこと

  • 人から受けた親切や優しさ

池袋は携帯ショップの激戦区。大型の家電量販店を中心に、多数の携帯ショップが隣接しています。私は、どこのショップで購入したとしても、恐らく、値段はたいして差はないと思ったのです。それならば、お世話になったショップから購入してあげたいと思っていたのです。

携帯電話は、ネットでも購入ができます。値段だけで比べれば、ネットから購入する方が、価格が安いことも分かっています。しかし、私は、下記のサービスを受けてみたいと、以前から思っていたのです。

  • 携帯電話とタブレットの詳細な理解を
    得られるようなサービス

購入を決めた後の商品説明のサービス。大変、残念なことではありますが、店員は熱心に対応してくれないものです。何か、面倒くさそうな雰囲気でクレームの様なモチベーションで、取り扱われることが多いものです。

購入を決める前でないと丁寧に対応してくれないことがあること。消費者は少なからず分かっているものです。

以前、初期のiPadを購入したときです。余り客がいない平日の量販店にふらっと入り、店員から、熱心な営業を受けて、iPadを衝動買いしたのです。

事務所の近くの家電量販店だったこともあり、その後、設定や不具合があったので、コールセンターに問合せをするのではなく、量販店の売り場に相談に行ったのです。自分が本体を購入した店舗であれば、丁寧に対応してくれると思ったのです。

しかし、店員の態度は、購入した後の顧客に対して、購入前や購入したときの雰囲気とは一転。面倒くさそうな雰囲気で、何かクレームとして嫌々感が伝わってくるモチベーションで、応対されたのです。

しかも、私が相談に行ったのは、土日祝日の繁忙時間帯ではありません。閑散とした誰も客がいない平日の午後です。その時の店員とのやりとりの中で、次の気持ちが沸き起こってきたこと。今でも覚えています。

  • 次にタブレットやスマフォを購入するときは
    ここの店からは購入したくないという気持ち

購入前と購入後で営業マンや店員の態度が変わること。購入する前でなければ、受けられないサービス。残念ではありますが、現実にはあるものなのでしょう。

私のようなコンサルティングの仕事は、知識や知恵などのノウハウなどが商品です。そのため、契約後でなければ、商品の説明はしないし、詳細は教えません。そのため、お客様というのは、下記だと捉えているのです。

  • 契約後がお客様であり、
    契約前は見込客に過ぎない

私は、スポットの一見客は、客だと思ってもいないし、そもそも、対応もしていません。しかし、世の中のビジネスの多くは、どうやら、そうではないことも理解しています。

  • 購入する前は丁寧な応対や説明

  • 購入する前でなければ、受けられないサービス

上記があることも事実ではあります。

今回、スマフォとタブレットを買い替えるにあたり、下記のことを理解しておきたかったのです。

  • スマフォとタブレットの全体の仕組みとOSの特徴

私は、結局、iPhone とiPadを購入しました。つまり、iOSに、また、お世話になることに決めたのです。ショップに入ったときは、自分の気持ちは次のような状態でした。

  • iOSの購入に6割
    アンドロイドの購入4割

iOSに気持ちがありながらも、アンドロイドのスマフォやタブレットにも興味があったのです。私は、担当者に下記の質問をしました。

  • 「スマフォへの買い替えを考えていますが、
    iOSとアンドロイドの違いや特徴を
    それぞれ教えて下さい」

私は、上記の質問は、困らせ質問だとは思っていません。携帯電話の販売員であれば、熱く、楽しく語って頂きながら、当然に即答できる質問だと思っていました。

「iOSとアンドロイドの違いや特徴」は、ガラケーからスマフォに買い換える人が最初に知りたいし、最初に疑問に思う、基本中の基本のことだと思います。ところが、担当してくれた店員は、「iOSとアンドロイドの違いや特徴」についてきちんと説明が出来ないのです。

商品の細かい機能については知っている一面もあるのです。カメラの性能や画素数について、細かい説明をしだしたので下記の質問をしたのです。

  • 「1,200万画素といういのは、
    今のガラケーの何倍ぐらいの解像度になるのですか?」

上記の質問に対して、即答できなかったので、質問を変えて下記の質問をしました。

  • 「iPhone 8の画素数は、2万円前後のデジタルカメラと比べて
    どの程度の精度で撮影ができるのでしょうか?」

上記の質問についても、店員は即答できませんでした。iPhoneがカメラをセールポイントにしているのであれば、通常のデジカメの性能に比べて、どの程度の機能差があるのかについて、当然、頭に入れておくべきことだと思います。

正直、1,200万画素と自信をもって説明をされても、デジカメに疎い私には、その数字がどの程度のものなのか、ピンと来ないのです。少し、細かい質問をしたとも思っていますが、店員が細かい説明をしだしたので、私の方も、それに応じた質問をしたのです。

私は、難しい質問や困らせ質問、非常識な質問、机上のことだけしか起きない質問なんて一つもしていません。私は、スマフォを持っていませんでしたが、「的を射た質問」しかしていない自負があります。私は、質問力に関してそれなりの自負があります。

例えば、厚生労働省が出している高年齢者雇用安定法のQ&A。その想定質問のかなりの数は、私が、直接、厚生労働省に問合せをして、後日回答があった質問です。

厚生労働省管轄の新しい法律や制度でQ&Aになっている質問のいくつかは、恐らく、私がさせて頂いた質問です。役所から、後日回答があった後に、Q&Aとして正式に厚生労働省の回答として更新されて掲載されているからです。

  • 私の質問力を一番理解しているのは、何より、クライアントの皆様でしょう。

今回のスマフォの買い替えに伴い、この店員からは、アンドロイドの性能や良さを教えてもらうこと。接客の途中で諦めました。当初の予定通り、iPhoneに決めたのです。接客の途中に、私は、この店員に対して下記のような疑いの気持ちが沸いてきました。

  • 「若しかしたら、この店員はアルバイトではないのか?」

また、私は携帯電話の料金の仕組みに関しても、以前からきちんと理解が出来ていなかったので今回の購入を期に、きちんと理解しておきたかったのです。しかし、店員は、携帯電話の料金の仕組みに関しても私が理解をできるようなレベルで説明してくれないのです。

携帯電話の料金体系は、大変複雑な仕組みになっています。私の周囲でも携帯電話の料金システムをきちんと理解が出来ている人はいません。携帯電話の種類に応じて、様々なプランが用意されているのです。

正直、大変失礼ではありますが、私の印象では、下記のような状態でした、

  • 店員の方もプランや価格について、
    きちんと理解が出来ていないで販売している

購入後の対応に関して、こちらから質問していないことは、『聞かれていない』、『言われていない』などと言ってくるくせに、質問すると露骨に嫌な雰囲気を出してくるのです。

  • 客には先に言えと言っているくせに
    自分たちは後出し。

商売は、後から対応するしか出来ないことだって多いものだと思います。

救急車で病院に担ぎ込まれて来た患者に対して治療費の見積出す前に、まずは手当を先にするのは当り前のことだと思います。

携帯電話はIDやパスワードの設定なども膨大。結局、商品説明から購入、設定の完了まで3時間ぐらいの時間がかかりました。私の様に、一つ一つ確認して質問してくる客。今までいないようなことを言われました。多分、私は骨の折れる難しい客だったのだと思います。

しかし、私の方も、サービスと価格に応じた中でしかサービスレベルを求めたりしていません。回転率が大切な商売でサービスを受ければ、店側の立場になって、素早く立ち去ります。

私は、冷やかしで店舗を訪れたり、客のそぶりを見せて接客だけさせて商品知識だけを盗み、そこでは購入せずに、ネットで注文するような卑怯なことはしません。見積を作らせれば、購入を前提にして真剣に検討する客です。

  • 価格に応じたサービスレベル。
    経営者ですから当然にわきまえています。

後日、スマフォ購入の接客レベルのアンケートがありました。私の接客の満足度は、上記の通りです。しかし、私のような骨の折れる難しい客にあたってしまったこと。厳しいアンケートをつけて自信を失わせて、若い人材の芽を摘むようなことはしたくありませんでした。

何より、事務所の近くのショップでもあり、アフターサービスでお世話になるので人間関係を悪くしたくなかったのです。アンケートは、ご祝儀ですべて下記にチェックしてあげました。

  • 大変満足している

後日、クライアントの方に、この携帯電話屋の話をしたら、下記のことを教えて頂きました。

  • 「多分、この販売員、ただのアルバイトだと思いますよ」

現在、携帯ショップは人材不足で、都内では時間給1,400円前後の高額バイトの様です。携帯ショップのアルバイトスタッフは、求人情報誌の常連だそうです。

スマフォやタブレットの販売は、きちんとした接客レベルを求めれば膨大な知識や経験が必要になるそうです。新機種が次から次へと発売され、本来は、高度な商品知識や相当なITリテラシーが、求められる仕事のようです。

それなのに、俄か研修程度で店舗に立たされ、新人の名札も付けずに、接客販売をしているのが実態だそうです。やはり、購入後のクレームが膨大にあり、ほとんどの人が精神的に参ってしまい、離職率が高い仕事でもあるそうです。

スマフォへの買い替えの一連の対応。今回の担当者を通じて、あれこれを気が付くことがありました。「商売の難しさと商売のヒント」も感じて、それはそれで勉強になったような気がします。

作成日:2017年12月18日 屋根裏の労務士

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