コラム Column

「白秋の故郷、水郷柳川」

お盆休みに、博多・福岡に行ってきました。そこから、ひと足をのばして、「柳川」にも、行ってきました。

「柳川」は、水郷の町であり、詩人・北原白秋を輩出したゆかりの地。白秋の詩や歌を口ずさみながら、どんこ船に揺られて、お堀を巡り、「柳川」の情緒を堪能することが出来ました。

今回、「柳川」に行くにあたり、北原白秋の作品を読み返してから、足を運びました。白秋とは、何とも、底が見えない人です。白秋の作品は、多岐にわたり、その数も膨大になるからです。詩、短歌、創作童話、創作民謡、散文詩などなど。創作活動が多岐にわたるのです。

白秋の作品は、国語の教科書だけではなく、音楽の教科書でも、取り上げられています。小生のような素人が、白秋の全体像を掴み、理解することなどは、容易なことではありません。天才詩人・白秋の全体像を掴むことなどは、最初から、諦めています。

今回、旅に行く前に、白秋の代表的な作品を読み込み、国民的に愛されている歌を、聞き込んでから行きました。日本語を美しい音感と表現で奏でる白秋の作品。小生は、中でも、「桐の花」の巻頭を飾る、下記の俳句がお気に入りです。

  • 春の鳥 な鳴きそ鳴きそ あかあかと
    外(ト)の面(モ)の草に 日の入る夕(ユウベ)

「な鳴きそ鳴きそ」という力強いフレーズ。白秋の十八番で、他の俳句でも出てきます。

情緒あふれる「柳川」の町を訪れながら、白秋が、「水郷柳川は、我が詩歌の母体である。」と、たくさんの詩にしたことが、直観的に、分かりました。「柳川」の町に石碑にしてあった、白秋の詩です。

  • 水郷柳川こそは
    我が生れの里である。

    この水の柳川こそは
    我が詩歌の母体である。

    この水の構図
    この地相にして
    はじめて我が体は生じ
    我が風はなった。

江戸時代に利水と治水を目的に造られた水路。町を縦横に巡る水路の総距離は約500㎞。「柳川」独特の風情溢れる風景です。詩人でなくとも、「柳川」に足を運べば、水の匂いに、敏感になり、何か情緒を感じずにはいられません。

白秋の様に、美しい詩や歌は、つくれませんが、白秋の詩や歌を、口ずさみたくなります。何か、体から、湧き上がる様に、自分の感じたことを表現したくなるのです。「柳川」とは、そんな情緒に駆り立てられる地です。

波乱万丈の人生を送り、57才で亡くなるまで、生涯、「柳川」を愛した天才詩人。「水郷柳川」の情緒に触れて、白秋の美意識を少しだけ、わが身の中に、取り込めたような気がしています。

作成日:2014年9月8日 屋根裏の労務士

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