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「アンガーマネジメント」

一般社団法人日本アンガ-マネジメント協会では、「怒りの連鎖を断ち切ろう」と言っています。怒りの感情は、力の強い人から弱い人へ。立場の強い人から、弱い人へと向かいます。まるで水が高いところから、低いところへ流れるように。怒りの感情は、周囲に連鎖して、行き先を探します。

なんとなく、虫の居所が悪くて怒ってしまった。その人のせいじゃないのに、つい文句を言ってしまった、相手が悪いわけじゃないのに、邪険に扱ってしまった等々。私たちは知らず知らずのうちに、怒りの連鎖の中に囚われて、生きている面があると思うのです。

そもそも、怒りとは、「二次感情」と言われています。怒りいう感情の奥には、ネガティブな「一次感情」があるのです。「一次感情」とは、不安、寂しさ、コンプレックス、劣等感、様々なストレスからくるネガティブな感情。そんな「一次感情」が、導火線となり、「二次感情」である、怒りという感情に、陥るのです。

私は、怒りという状態を、下記のように、感じて、捉えています。

  • 怒りという感情で、何か、自分自身が、
    支配されてしまっている状態。

自分で自分をコントロールするが出来ないのです。何か、怒りという感情に、自分自身が支配されてしまっているのです。怒りという感情の中で、とってしまった行動。時間が経つと、後から、後悔することが、多いと思います。

何より、怒りという状態は、疲れるものです。一方の怒りの原因となっている相手なんて、こちらのことなど、何とも思っていないものでしょう。相手が自分を蝕んでいるのではなく、自分で自分を蝕んでいる、不健康な状態なのです。

労務の対応でも、怒りという感情に、支配されてしまった状況で、とってしまった行動。怒りという感情の中で、出した方針や対応。重篤な労務の問題になることがあり得ます。

怒りとは、あちこちに、連鎖するものです。いつも、社長が怒っている企業では、社風が悪く、何か、いつも問題が起きている企業でしょう。

会社の頭脳である幹部全員が、冷静さを失い、怒りという空気感の中に、会社が染まってしまった時。周囲が手をつけられない状態に陥る時です。

怒りという感情の中で、相手に報復措置。そのまま、何も起きずに、事が済むこともあります。しかし、そんなことを、毎回、毎回、続けていれば、いつか、間違いなく、大きな事故に遭うでしょう。

強い立場をとり、徹底的に争うことも、時として必要な場合もあります。しかし、それは、怒りという感情に、支配されている時ではなく、冷静に対処が、出来ている場合です。

怒りという感情をセルフコントロールして、自分を律して、我慢することを学んでいくこと。労務の対応をしていく上で、極めて大切なことなのです。自然に身に着くものではなく、意識的に学んで、事後的に、身に着けていくことだと思うのです。

仮に、自分がイライラするのが、誰かのせい、何かのせいであるならば、自分の感情は、誰か、何かによって、簡単にコントロールされてしまっているということです。言い換えれば、自分でこれは怒る、怒らないを、決められないということ。まわりによって、怒る、怒らないを、決められているということでしょう。

怒りをコントロールすることは、難しいことです。アンガーマネジメントとは、大変、難しいことだと思います。私自身も、中々、出来ていません。それでも、怒りという感情になったとき、次のことは、思い出すようにしています。

  • 怒りという感情で、自分自身が、
    支配されてしまっている状態であること。

そして、冷静な状態を取り戻して、判断をしていくことを、心掛けています。怒りという状態でとってしまった対応は、概して、間違っていることが、多いものだからです。

作成日:2014年6月16日 屋根裏の労務士

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