コラム Column

「五輪招致成功!」

ジャック・ロゲIOC会長が手にした真っ白なカード。そこに記載されていたのは、日本中を幸せに包む、次の文字。
  • TOKYO 2020

その瞬間、日本中に歓喜の声。招致を勝ち取ったのは、東京。イスタンブールとの決選投票で60票を獲得し、見事、56年ぶり2回目の開催都市に選ばれました。

優勢と見られていたマドリードは1回目の投票でまさかの落選。「最後まで分からない」と言われていた今回の招致レース。それを象徴するような幕切れだったように感じました。

終わってみれば、東京の圧勝で終わりました。今回、東京に招致が決まり、本当に良かった。仮に、今回、東京が落選したいたとしたら、単に、五輪招致が出来なかったでは済まなかったと思います。

  • 『五輪招致の失敗以上の絶望感』

自信喪失の絶望感を、国民が持つことになっていたと思います。

大切な五輪の選考日が近づく中で、原発汚染水問題が、にわかに浮上。東京が落選したとすれば、日本は、五輪をするに足りない、原発で危険な国というイメージを世界に持たれてしまいます。

選考委員には、スポーツ界の代表もかなり入っています。彼らは、健康に対して、非常に神経質。五輪を開催するにあたり、汚染水の問題の影響は大きいという意見。日本にとって、大きな障壁になっていたのは事実。

こうした懸念がある中で、安部首相の逃げることなく、真正面から汚染水問題を取り上げた、力強い次のスピーチ。

  • 「汚染水による影響は、福島第一原発の港湾内の0.3平方キロメールの範囲内で完全にブロックされている。」
    「福島の近海で行っているモニタリングの数値は最大でもWHO=世界保健機関の飲料水の水質ガイドラインの500分の1だ。」
    「また、わが国の食品や水の安全基準は世界で最も厳しいが、被ばく量は日本のどの地域でもその100分の1だ。健康問題については今までも現在も将来も全く問題ない。」

汚染水の問題を言及するだけでなく、世界でも各段に評価が高い、日本の水の安全基準もアピール。質疑に対しても、動じることなく、落ち着いて対応。

また、東京が選ばれたことは、日本が国際的に孤立しておらず、世界から高い評価を受けていることを内外に、改めて示すことが出来たことでも有意義。

東京が開催地に選ばれて、連日、勝因について様々な分析がされています。最終プレゼン、ロビー活動、オールジャパン体制、民意の盛り上がりなどなど。

今にして思えば、前回のオリンピック招致活動は失敗しても、当然だったかもしれません。今回ぐらいに、オールジャパン体制で、熱意のある活動をしなければ、五輪誘致などは成功しないのでしょう。

第二次安倍政権が誕生して以降、日本が勢いを取り戻したという国際的認知が定着したことも影響があったような気がします。もしも、野田首相が、解散を遅らせていたら、誕生したばかりの政権で、経済政策を掲げて、五輪招致までの日本の停滞イメージを払拭させる時間的余裕はなかったような気がします。

五輪開催決定はひとつの通過点。東京五輪を成功させること。それ以上に、東京五輪を持続する日本の活力につなげていくことがこれからの課題。

五輪の開催に向けた7年間の取組み。そのひとつひとつが楽しみです。たくさんの外国人が日本に来て頂けることに感謝の気持ちがわいてきます。

作成日:2013年9月16日 屋根裏の労務士

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