「ONE TEAM!」・・・後編
チームを牽引し続けたリーチ・マイケル主将を筆頭に、スーツ姿で約800メートルを歩いた選手たちに熱い声援が送られました。今回のパレードのテーマは下記です。
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「ラグビー日本代表ONE TEAMパレード
〜たくさんのBRAVEをありがとう〜」
ファンからは「ありがとう」の声がたくさん飛び、選手からも「ありがとう」の声が飛び交う嬉しい時間でした。「ONE TEAM」の熱が冷めずに選手とファンが一つになっており、お互いに感謝の気持ちに包まれていたこと。美談で報じてられていました。
「ONE TEAM」になることの大切さ。改めて理解をした大会だったと感じています。企業の経営者や管理職の方々も、ラグビーの「ONE TEAM」のマインドを参考にして自分たちの組織に取り入れ、カルチャーにしたいと思った経営者は多かったはずです。
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潜在的にバラバラな個人を繋いで
一つにして結束力を高めること
経営者であれば少なからず誰でも、上記の組織論を企業経営の重要なテーマとして、日々、模索しているものです。人は、簡単に、付いてきてくれたりはしません。
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『金を払っているのだから、上の方針に従って、
黙って付いてこい、嫌なら辞めろ!』
上記のようなことを思っている経営者がいれば、その人は『裸の王様』の経営者です。『裸の王様』が自分に付いてきていると思っている人は、利害関係で有利になっているので、そこにいるだけです。組織を離れて利害関係が無くなれば、誰も相手にしません。
「ONE TEAM」の熱が冷めないパレードがあり、「ONE TEAM」の感動が続く中で、下記のキーワードがネットで話題になっています。
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「#忘年会スルー」
忘年会の参加状況に関するある調査によると、「忘年会に参加したくないが参加している」「参加していない」という回答は全体の4割近く。また、別のある調査では80%以上の人が「忘年会に参加したくない」という集計結果まであるようです。
一般的に若い世代が忘年会を嫌がっていると思われがちですが、調査では40代以上の世代でも忘年会は嫌がられているようです。下記のような投稿記事がありました。
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「こっちだって、嫌な気持ちの人に
参加して欲しくないです」
「こっちの方こそ、嫌な気持ちでいる人と
同じ時間を一緒にしたくないです」
世代間を超えて、思わぬ嫌われ者となってしまっている忘年会。世代間のギャップ。男女間でのギャップ。立場でのギャップ。様々なギャップがある中で、お互いにそのギャップや違いを理解して、「ONE TEAM」になることの難しさ。そんな難しさを感じています。
ツイッターや投稿の意見では、下記のような意見が多いです。
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忘年会に参加したい人だけでやれば良い
上記の意見には、個人的な立場では賛同します。個人的にはやりたい人だけでやって頂きたいです。一方、組織的な立場では積極的には賛同しません。個人的にやりたい人だけでやるのであれば、そのうち、誘われない人が出てくるからです。
誘われなければ、それはそれで、また、別の問題や別の感情が出てくるものです。そんな不合理で複雑な感情があるのが人間なのです。それに、公の会社組織が集まりを調整して、一定限、強制的にしないと、成り立っていかないこともあるのです。
「公の集まり」と『私的な集まり』の区別がなくなり、『変な派閥』が出来てきて、ろくでもない組織になりやすいのです。『変な派閥』が出来れば、『私的な集まり』が多くなり、それこそ、事実上の強制的な集まりが多くなることもあるのです。
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「忘年会スルー」
「強制参加の忘年会」
「参加したい人だけでやって下さい」
何か、モチベーションが下がってきます。何か、白けてきます。何か、寂しくなります。ご時世といえば、ご時世です。世の中に人望がない上司が多いといえば、それまでのことですが・・・。
過去の上司の自慢話や過去の武勇伝を聞かされたり、いじられる苦痛の場になっているのも事実なのでしょう。自分の自慢話を話している人は楽しいですが、聞いている方は苦痛なのです。話している方は、ためになっていると思っているので始末に悪いのです。
世の中に忘年会を嫌がっている人が、たくさんいるということは分かりました。一方で、下記のような気持ちも沸いてきます。
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「喜ばせたい」という気持ち。
そんな気持ちはないのでしょうかね。
感謝の気持ちを伝えたり、労ったりするのが忘年会です。言葉ではなく、その場に集い、駆け付けることで、気持ちを伝え会う場です。そんな本来の目的は、どこかに行ってしまい、「喜ばせたい」という気持ちが捻じ曲がり、下記の場になってしまっているのでしょう。
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ご機嫌取りの場
人気取りの場
不安が多く先行きが見えない不透明な時代。自分のことだけで精一杯。他人のことまで考えている余裕のなさ。価値観の違いを認め合う難しさ。立場の違いを認め合う難しさ。何より、生きていくという難しさ。そんな精一杯と難しさを感じています。現実的には組織とは上と下があり、水と油のように交わらない人がいるものです。
現実は「ONE TEAM」になることが難しいから、「ONE TEAM」を掲げて、選手とファンが一体となり、快進撃を続けたラグビー日本代表に感動するのでしょう。簡単に「ONE TEAM」になることが出来るのであれば、誰も感動したりしません。
今回のワールドカップで日本代表は「ONE TEAM」になれたことで、実力以上の成績を残せたのは間違えありません。普通の状態で戦ってベスト8に入る実力は、日本代表には、まだ、ありません。日本開催を盛り上げるために、火事場のクソ力を出すことが出来たのです。
今週からは忘年会シーズンです。とにかく集まらないと始まりません。集まっていると「ONE TEAM」になることもあると思うのです。
作成日:2019年12月16日 屋根裏の労務士