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「真剣勝負の鉄火場にするために」

先週、説明会の講師で大阪に日帰り出張をしてきました。私は、コンサルティングの依頼を頂いても、説明会の実施に関しては、最初は、請け負わない方針をとっています。理由は、コンサルティングの目標の一つに下記を設定しているからです。
  • 「クライアントの方々が、自信を持って、
    従業員に対して説明会を行うことができる状態にまで
    理解を深めて、制度を血肉化して頂くこと」

自分の言葉で、自分の声で、従業員に対して、実際に説明会を実施するという前提にすることにより、毎回の打ち合わせに、「緊張感」が出てくるのです。毎回毎回の打ち合わせが、下記の状態になるのです。

  • 「真剣勝負の鉄火場」

コンサルティングの中には、幹部の教育や研修を兼ねた場として行う内容もあります。労働法の体系について学ぶことができる就業規則の打ち合わせなどは、その一つです。

以前は、全国から取締役や幹部を集めて10人を超えるような大人数での打ち合わせを1年近くにわたり議論をしながら進めていくコンサルティング。度々行っていました。しかし、最近は、プロジェクトの内容によっては、参加人数を制限させて頂き、プロジェクトを行う方針をとることが増えてきました。理由は、下記のためです。

  • 打ち合せの場に、「緊張感」が出てこなくなるから

大勢の参加になると、議論が活発になります。現場の様々な意見や現状を理解することが出来ます。その一方、打ち合せに、どこか真剣勝負の「緊張感」が出てこなくなるのです。

参加者の人数が増えると、小生の方は、打ち合わせを取り進めるのが難しくなり、別の種類の『緊張感』が出てきます。一方、参加者の方は、集団になるので良い意味での「緊張感」がなくなるのです。何か、責任が不明確になり、どこか当事者意識が希薄になる傾向があるのです。

毎回毎回の打ち合わせの場。「真剣勝負の鉄火場」ではなくなり、『他人事のぬるま湯』になる傾向があるのです。理想論の『べき論』を、声高らかにして述べる者が出てきたり、何も、コメントをしない者も出てきたり。「必死に」なって現実と対峙して、考えることが出来なくなるのです。

毎回毎回の打ち合わせを、「真剣勝負の鉄火場」になるために。どのような進め方が良いのかについて、クライアントごとに検討しながら、プロジェクトの方針やスケジュールをたてています。

何より、そんな「真剣勝負の鉄火場」を、何度も何度も潜り抜けることにより、クライアントの意識がより高い次元に止揚していくだけではなく、コンサルタントの私自身を鍛えに鍛えて、成長させることが出来る場となるのです。

そんな「真剣勝負の鉄火場」となる打ち合わせを重ねて、制度を導入するための説明会に至るわけです。「真剣勝負の鉄火場」を重ねた結果。説明会に関して、クライアントの方で行うのではなく、小生の方が講師となり行った方が良いという結論に至ることもあるのです。

今回の大阪出張の説明会の講師業。当初、説明会は東京本社だけで開催して大阪を含めた他の支社に関しては、希望者だけを支店のテレビ会議に参加して頂き、全国支社の同時中継で行う予定でした。

しかし、関西地区の社員から、東京地区と同じ様に大阪でも説明会を開催して頂きたいという強い要望があり、大阪出張をすることになったのです。ライブとテレビ会議では、同じ内容を伝えても、臨場感はもちろん、「緊張感」も違ってきます。

小生の方も、実際に社員の顔を見るから、理解ができることもあります。実際に、現場に自分の身を置き、社員の雰囲気がわかるので、伝わってくることもたくさんあるのです。

新しいプロジェクトのご依頼を正式に受ける度に、嬉しい気持ち、感謝の気持ちに、全身が包まれます。それと同時に、いつも、心の底から下記の感情も沸いてきてきます。

  • 「緊張感」

商品に形がないコンサルティングのプロジェクト。仕事を請ける際に、最後までやり遂げる強い覚悟が必要です。毎回毎回、その覚悟の下に、「緊張」しながら、臨ませて頂いています。

同じ内容のコンサルティングでも、一期一会です。同じように終わることはないからです。何より、一つ一つのコンサルティング。私にとって、単なる『仕事』ということではなく、魂を削りながら取り組む「作品づくり」だからです。

そんな「作品づくり」に向けて、また、一つスイッチが入りました。スイッチが入らないと、気持ちに火がつかないのです。スイッチが入ると、「緊張」モードの中に、ワクワクモードの状態になります。

私が、ワクワクしてこないと、クライアントもワクワクしてこないと思います。「真剣勝負の鉄火場」に身を置きながらもワクワクした楽しい時間にして、毎回毎回の打ち合わせを楽しみの時間にしていきます。

  • 「緊張感」と「期待感」
    「ドキドキ感」と「ワクワク感」

その二つの気持ちにならないと、長期のプロジェクトを乗り越えて、実りあるものにならないと思うのです。

作成日:2016年12月12日 屋根裏の労務士

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