コラム Column

「青森の旅」・・・後編

ゴールデンウィークに、青森県に行ってきました。GDWの青森の旅では、かねてより、下記の2つを楽しみにしていました。
  • 弘前城の桜

  • 新幹線のグランクラス

弘前城の桜は、葉桜でしたので、次回の旅のお楽しみとなりましたが、新幹線のグランクラスは、乗車することが出来ました。グランクラスはGDW中でも空いていました。

かねてからグランクラスを利用するとき。下記の区間と決めていたのです。

  • 新青森から帰ってくるとき

そもそも短い時間であれば、グランクラスの効用は低いです。さらに、グランクラスの料金設定は近距離の料金がきわめて高い価格設定になっているのです。グランクラスは下記がコンセプトです。

  • 「特別な貴方のためのプライベートキャビン」

グランクラス車両は横3列。2列+通路+1列の座席配置で定員18席。

今回は、一人旅でしたので、勉強を兼ねて利用しただけです。多分、人生で何度も利用しません。コロナ渦でソーシャルディスタンスの空間確保をしたかったこともグランクラスを利用した理由です。何よりも、グランクラスのサービスをビジネスの参考に役立てて体感しておきたかったのです。

専任アテンダント付きのグランクラスには軽食やドリンクのサービスがあります。

  • 有名日本料理店の総料理長が監修する
    見た目にも美しい「味の小箱」。

「味の小箱」も、グランクラスの大きな楽しみです。季節ごとにメニューが変わり、沿線地域の食材が味わえるようです。食べた感想です。

  • 「・・・」

  • 正直、コメントなしです。

もちろん、不味くはありませんが、期待していたような味ではありません。東京駅の駅弁の方が美味しいような気がしました。サービスで付く「ミニ弁当」とうい前提で捉えれば、とても美味しい「味の小箱」だと思います。

「味の小箱」はサクララウンジのカレーライスのようなものだと自分の中で理解しました。それでも、グランクラスはビールをはじめとしてアルコールのサービスがあり、ワクワクしながら移動を楽しめます。

今回のグランクラスを利用した帰路。新青森から盛岡までは快適な状況でした。私は、前方から2列目の一人席にしました。最前列は、出入りが多いので人気はありません。

前席(1列+通路+2列)は空いていました。斜め後ろの2列席の窓側は埋まっていましが、すぐ後ろの1列席は空いていました。私は一人席ですが、通路を挟んで2列席も空いていました。

私は、ビールを飲みながら「味の小箱」を食べてグランクラスのサービスでくつろいでいました。食事後も、ドリンクでくつろいでいましたがマスクを着けていませんでした。

マスクを着けなかったのは下記の理由です。

  • ディスタンスの確保が出来ていること

  • 一人でいるため、会話を一切しない状態であること

  • グランクラスには食事とドリンクのサービスがあること

  • グランクラスのコンセプトはプライベート空間の提供であること

盛岡から、私より一回りぐらい上の男性が二列席の窓側に乗車してきたのです。

  • 年輩の格好つけている雰囲気のおっさんです。

いかにも、グランクラスに乗り慣れているような雰囲気で、アテンダントに偉そうな態度なのです。新幹線の中でも、携帯電話に出て偉そうな命令口調で話しているのです。

コロナ渦で新幹線の中で大きな声で何度も携帯電話で話しているのです。「何度も注意してやりたい」と思っていました。しかし、折角のグランクラスの時間で険悪な雰囲気で過ごしたくなかったので、このおっさんの存在は気にせず無視して過ごしていました。

おっさんは、ビールを飲んだり、日本酒を飲んだりしていました。アテンダントへの接し方が横柄でやたらと調子をこいているのです。

  • エッセンシャルワーカーに偉そうな態度をとる客

近くで見ていて、腹の底から不快になります。それでも、無視して、リクライニングシートを倒して寝ていました。しかし、どこからともなく、嫌な雰囲気の気配を感じてくるのです。

  • 『横柄なおっさん』から私に対しての怒りのオーラです。

最初、『横柄なおっさん』は「何を怒っているのか?」をわかりませんでした。おっさんは、食事とドリンクを終えてマスクを着けていました。おっさんの怒りの原因は下記であることに気が付きました。

  • 「私がマスクを着けていないこと」

新幹線の場内では、下記を放送していました。

  • 『マスクの着用』
    『車内での会話は控えめに』
    『座席は回転させずご利用を』

『マスクの着用』という事実だけを切り取って、私の方を攻めてくるのであればそれは違うと思います。グランクラスには、軽食とドリンクのサービスがあるからです。

『偉そうなおっさん』は、さっきまで40分ぐらいマスクを着けていなかったのです。軽食とドリンクを終えて自分がマスクを着けたら、今度はマスクを着けていない私に対して怒りのオーラを剝き出しにしてきたのです。

私は、マスクを着けるのが大嫌いなのです。それでも、コロナ渦ですから、通常はマナーとして、必ず着けています。コロナ渦に入り、徹底してテレワークもしています。マスクを着けずに対面で打ち合わせをしたことなどは一度も無いです。

私は、グランクラスの車中でマスクを着けていませんでしたが、肌触りの良いタオルを胸元においていたり、口元にそのタオルを置いていたりしていたのです。万一、咳き込んだり、くしゃみをしそうなとき。直ちにタオルで口元を塞ぐようにしてあるのです。

自分なりに、これだけ感染対策を徹底して周囲に配慮しています。正直、下記の気持ちでした。

  • 「必ずマスクでないとダメなんですか!」

そもそも、私は、一人旅です。一切、会話をしない状況です。

『横柄なおっさん』と私とは通路と一席の距離があり、一定のディスタンスが確保されているのです。通常の指定席であれば完全な公共の場なのですから、どんな混雑状況でも必ずマスクを着けます。

後ろの方で、マスクを着けながらですが、会話をしている声も聞こえてきます。若しかしたら、『横柄なおっさん』の怒りの原因。マスクが原因ではないのかもしれないと思って、確認のためにマスクを着けてアイスコーヒーをアテンダントにお願いをしました。

  • テーブルを出してドリンクが置いてあるとき

マスクを着けていなくても、おっさんの怒りは収束して無くなるのです。私は、グランクラスは初めてでしたがそんなルールがあることを知りませんでした。(というより、おっさんのマイルールだと思います。)

それでも、おっさんの怒りがストレスなのでドリンクを常時置いてある状態にしたのです。しかし、グランクラスのドリンクはガラスのコップです。コップが倒れるかもしれないので、テーブルを出してドリンクが置いてあると結構なストレスなのです。

タオルを口元に置いたりしています。それでも、ドリンクが無くなるとおっさんは怒りのオーラをだすのです。正直、こんな『横柄なおっさん』がいるのであれば、グランクラスは懲り懲り。もう、二度と乗りたくないと思っていたぐらいです。

終点の東京駅に着いたとき。おっさんとは口論になることも視野に入れていました。私の頭の中で、私の正当性を主張する論理。グルグルと回っていました。(相手にしないで大人の対応をすべきと自分で自分に何度も言い聞かせていました。)

新幹線が大宮駅に近づいてアナウンスが流れたとき。私は思い出したのです。

  • 今回は、東京駅ではなく
    新青森~大宮区間であったこと

慌てて、リクライニングを戻してマスクを着けて降りる準備しました。ドアの前に立っていたときに、おっさんと視線が合いました。おっさんの表情です。

  • にこやかな、優しそうな「への字」の目になり
    笑みを浮かべて小さく頷いていました。

  • 「よくわかっている」「よくわかっている」
    優しいオーラに変わったのです。

私の方も、手のひらを小さく上げて。小さく、本当に小さく、バイバイと手を振りました。おっさんと私の二人は、お互いに小さく頷きながら、にこやかな笑顔になりました。マスクを着けていたので口元はわかりませんが、目元はへの字でした。

何か、短い時間で温かな気持ちになり、急いで新幹線を降りて、窓からおっさんに向かって、色々な気持ちを込めて深々と頭を下げました。多分、おっさんは気が付かなかったと思います。それでも、自分の中で、すごい幸福感に包まれたのです。

  • 誤解や掛け違い、すれ違いというのはありますよね。

おっさんとは、一言も話していませんが、膨大なコミュニケーションをとったような気がします。私の中で、グランクラスでのおっさんとの心理戦の時間。何か良い旅の思い出になっていました。

私の中で、おっさんの存在。『横柄なおっさん』ではなく、「素敵なおじ様」に変わっていたのです。「素敵なおじ様」は、どこかの社長かもしれません。「素敵なおじ様」の会社の顧問をさせて頂いたときに仲良く、楽しく顧問ができるような気がしておりました。

  • 「笑顔」が大切なことを痛感

いつか、また、グランクラスにも乗りたいです。

おっさん、おっさんと言っていますが、私も、もう、おっさんですよね。マスクを着けないでイラつかせていた自分。後になって振り返ると、それはそれで反省しております。

作成日:2022年5月23日 屋根裏の労務士

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