コラム Column

「支持」

ロシア軍のウクライナ侵攻が収まりません。ウクライナの戦況は泥沼化しています。毎日、ウクライナ情勢を確認しながら、下記の3つについて理解を深めております。
  • 「どのように戦争が起こるのか!」

  • 「どれだけトップが重要であるか!」

  • 「いかに情報戦が大切なことか!」

上記の3つを、戒めております。

  • 「どのように戦争が起こるのか!」

今回のロシアのウクライナ侵攻。戦争が起きた原因を一言で言えば、下記です。

  • ウクライナのNATO加盟の方針に動向に
    ロシアが猛反発しての軍事侵攻

第一次世界戦争も、第二次世界大戦も。戦争になったきっかけとなった原因は教科書にも記載されています。しかし、教科書の説明はあくまでも表面的なトリガーになった事実だけです。

戦争が起きるときには、学説レベルになっているほど、複雑に拗れた経緯と内情があります。何より、当事者双方に正義という名のご都合があります。

とりあえず、ウクライナがNATO加盟を引っ込めて、棚上げにすれば、人命が助かり、戦争が停戦するとの意見もあります。しかし、事はそんなに単純ではありません。

  • 「複雑に絡み合って拗れた歴史的な経緯」と
    「ウクライナ国民の未来」があります。

現在のウクライナの憲法には、NATO加盟展望の方針が明記されています。NATO加盟を目指すのは国の方針であり、何よりも、「ウクライナ国民の想い」、「ウクライナ国民の願い」です。ウクライナ国民は、名ばかり民主主義で、プーチンの独裁ロシアとは距離を置きたいのです。

国を守るために、命を懸けて、抵抗しているウクライナ人。今のウクライナを守るためだけではなく、「未来のウクライナ」をつくるために、命を懸けて戦っているのだと思います。

私はウクライナ人ではなくウクライナに住んでいません。私は、当事者ではないので、ウクライナ人とロシア人の気持ちは分かりません。

  • 当事者にしかわからないこと

どんな組織でも。どんな人間関係でも。あるものだと受け止めています。他人が入ることのできない世界もあります。黙って見守りするしかないときもあります。

  • 「どれだけトップが重要であるか!」

トップが重要かつ大切なことは当たり前です。そんな当たり前を痛感する毎日です。プーチン大統領一人の判断で世界は第3次世界大戦もあり得る緊張状態に陥っています。エネルギーや穀物などの経済はもとより、命にかかわるような緊張状態です。

  • 「どれだけトップが重要であるか!」

  • 何より、「トップがどれだけ恐ろしいか!」

世界は思い知らされている毎日です。

また、ゼレンスキー大統領に目を向けても、トップの重要性について、理解が深まります。誰がやっても同じではないことを痛感しております。

ゼレンスキー大統領はコメディアンの出身でしたが、想定外の胆力がありました。有事のリーダーとして国民をまとめて、ウクライナをONE TEAMにしています。ONE TEAMになることでプーチンの想定外の展開に持ち込んで国際世論を味方につけつつあります。

プーチン大統領はゼレンスキー大統領を甘く見ていたはずです。実際に戦争が起きれば、心は折れて逃げ出して、アメリカに亡命すると思っていたはずです。2日でキエフを陥落できるとの読みは外れて指示率は91%と上昇しています。

平時はともかく、有事には、「どれだけトップが重要であるか!」を、日々、痛感して理解を深めています。

  • 「いかに情報戦が大切なことか!」

モスクワの裁判所はメタを過激派組織と認定。ロシア国内でのFacebookとInstagramの運営を禁止にして、情報の戦時統制を強めています。独裁国家は、検閲が日常です。

思想の自由、それを表現する言論の自由が無い世界。日本に住んでいれば、想像すること自体が難しいです。

プーチンは、非ナチ化というプロパガンダをつくってウクライナ侵攻を正当化する動きです。一方、ゼレンスキー大統領は欧米や日本の各国の議会で積極的に演説を行い、全身全霊でそれぞれの国に語りかけ、国際世論を味方につける動きを活発にしています。

戦争の当事者には、双方に正義と論理があるものです。事実は一つですが、解釈は様々です。歴史認識が一致することはありません。

お互いに簡単に譲れない状況。停戦に向けた話し合いの合意。合意を取り付けていくためには、下記の状況にしていくことになります。

  • プーチン大統領の立場では
    国内向けにロシアなりの勝利を
    説明できる状況になること
      かつ

  • ゼレンスキー大統領の立場では
    ロシアに降伏して負けた形にならない状況

上記の状況に「同時に」していく展開です。知恵を回して調整していく必要があります。双方の立場で自分たちが引かないという平行線状態に落ち着かせていく必要があります。

『お互いに主張して戦争状態での平行線』ではなく、「お互いに認め合う形で平和状態の平行線」です。認め合うとまで言わなくても「共存・共生する形での平行線」です。

  • 「平行線状態にさせること」

私の労務の対応方針で、度々、出てくる対応です。長く付き合っているクライアントは、「平行線状態にさせること」について、ある程度、理解をしていると思います。世の中、黒と白だけで出来てはいません。

ちなみに、私の労務の基本は、「戦わずして勝つ」が王道です。言い争いを目指しません。未来をつくる話し合いでの決着が労務の基本です。

ロシアの方で反プーチンの民意が高まり内部崩壊をしない限り、プーチン政権は倒れません。プーチン政権が倒れない限り、停戦の条件は、ロシアなりの勝利を国内で説明できる状況にすることがプーチン大統領の最低限の条件です。

一方、ウクライナの国民もロシアの傀儡政権で、非軍事化を掲げさせられ、属国になることは出来ません。

ウクライナのNATO加盟容認。プーチンの負けを意味する決着のため戦争を停戦させる状況にはなりません。現実的な決着の対応としては下記が停戦の具体的な対応になります。

  • NATO加盟に代わる
    「新しい集団的な安全保障の枠組み」で
    新しい協定を締結して
    停戦に持ち込むこと

外交の話し合いが出来ないから戦争になったわけですが、一定限、血を流さなくては有利な外交で平和的に協定していくことは出来ません。

プーチン大統領は、化学兵器や生物兵器の抑止力も示唆しています。プーチン大統領も焦っているような気もします。追い詰め過ぎれば、悪い展開になりかねません。

  • 追い詰め過ぎずに、
    あえて逃げ場をつくらせるのも
    私の労務の対応の一つです。

停戦のタイミングを逃すと更なる長期化になり、国際不安から、連鎖的に次々と悪いことが起きるものです。

「新しい集団的な安全保障の枠組み」の程度をどこまで具体化させるかによりますが、ウクライナ国民に未来がある形でNATO加盟を棚上げの状態にして、プーチンの面子を保ち、ウクライナの安全保障を守る形にすり替えて協定をさせていくことです。

そのためには、国際世論が必要です。『頑張れの祈り』は無力だと思いますが、「支持の気持ち」は停戦に向かわせる大きな力だと思うのです。

作成日:2022年3月28日 屋根裏の労務士

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