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「人と人とをつなぐ存在」

8月の3連休のお盆の時期に郷里に帰省してきました。この時期の帰省は3年連続になります。別の捉え方をすれば、3年前まではお盆の時期に郷里に帰省していませんでした。

私の郷里は群馬県です。東京から群馬まで、急行を使えば2時間程度で帰ることが出来ます。東京の通勤圏ではありませんが、毎日、東京まで通勤している人もいます。

私の郷里はその気になれば、いつでも帰ることが出来る場所です。そのため、これまでは時間が出来たらというより、時間を捻出して年に数回程度、お盆とお正月の時期を外して帰省していました。私がお盆やお正月の時期に帰省していなかった理由は下記です。

  • お盆やお正月の時期は、実家に来客が多いから

私の実家は、父が教師だったこともあり、何やら色々と付き合いが多い様で、お盆やお正月の時期には、親戚やら元・教え子が「先生」である父に会いに来るのです。

父も、かつての教え子たちと過ごすひと時の時間は、大変嬉しい様です。教え子の方も、自分たちの成長とともに、かつての友達と「先生」を囲んで、郷里でひと時の時間を過ごすのは人生の楽しみの一つになっている様です。

特に、お正月の2日、3日は、昔の教え子たちのグループが、恒例のように、実家に来ていました。何やら、父と母はあちこちで、「人と人とをつなぐ存在」になっていた様です。

  • 昔の教え子と「先生」が今でも仲が良く交流をしていること

ちょっとした美談に思えるかもしれません。しかし、美談の裏には、得てして、何か別の犠牲があるものです。お盆やお正月の時期は、お客様の来客があるので、私の実家は下記の様なことになっていたのです。

  • 自分の子供たちが帰省しないという顛末

帰省しないというより、帰省できない状態だったのです。実家は豪邸ではありません。お客様が来れば、居場所がありません。例年、年末に帰省して元旦の日には東京に戻っていたのです。母も、料理の用意や接客に追われるような状態。

父が70歳を過ぎた頃から、お互いに家族がいるのだから。お互いに会いたいのであれば、お盆やお正月以外の時期に、どこか外のお店で会って頂きたいということになり、父が70歳を過ぎるまで続いた「先生を囲う会」は、ついに終わりを迎えたのです。

うちの家族は、昔から家族仲が良く信頼関係が出来ています。お盆やお正月の恒例の家族行事や親戚行事として、会っていなくても、特段、問題はありません。

家族と会うというのは、何かトラブルや調整が起きた場合です。家族と会っていない時というのは、実は、お互いが幸せで楽しい状態である時でもあるのです。

家族が困っていたり、不安になったときに、得てして家族への連絡というのはあるものだからです。何より、私への連絡というのは、何かトラブルが起きたり、精神的に弱っている場合にあるのです。幸せで楽しい状態のときに、私に連絡はありません。

私は、家族がバラバラになるのは、お互いが自立した存在であるから、当然のことだと考えています。それでも、最近は両親が高齢で弱ってきたこともあり、お盆の時期には、郷里に帰省するようになりました。

お盆の時期に帰省することが出来るようになり、最近は、郷里の相方や仲間とも再会をすることが出来ています。今回もプチ同級会の呼びかけをしたところ、郷里の同級生9人で集まることが出来ました。私が直接連絡をとったのは、郷里の友達3人だけです。友達が、またその友達に声をかけてくれて、宴の開催に向けて同級生を集めてくれたのです。

同じ郷里に住んでいても、何かきっかけが無いと、友達同士で再会するという展開には、中々ならないようです。プチ同級会の開催は、今回で4回目になります。お祭り大好きの地元の常連メンバーが、新たな参加者を連れてきてくれるのです。今回は、女性メンバー3人が参加してくれました。

40代も後半になってくると、子育ても一段落がつきます。お盆の時期に、夜の数時間だけであれば、親の仕事や家族からの束縛を離れて、自分自身が楽しむ時間を持てるようになる時期です。

しかし、あと数年が経てば、今度は、自分たちの子供が郷里に帰ってくるのを親として迎える立場になります。4回続いたプチ同級会も、あと数年経てば、開催は難しくなるでしょう。そんなことを考えながらも、楽しい宴の時間は瞬く間に過ぎ去りました。

今回で4回目の開催なのですが、まだまだ、噴出していない笑いのマグマがありました。私たちは、とにかくハチャメチャで毎日が楽しかったので、面白い思い出話がいくらでも出てくるのです。実は、まだ、「現在の自分たちの話題」にまで、なっていないのです。

それぞれが、他の人が知らない自分の家族の状況。何より、それぞれが、他の人が知らない自分が置かれた状況があります。家族や友達というのは、会うことが出来ていない時期もあれば、会うことができるようになる時期もあります。幼少期からの相方二人とも、しばらく会っていない時期もありました。

  • 肉親である家族がバラバラである以上に、
    他人である友達はもっとバラバラなのが当たり前

私は、ご無沙汰していても、あまり気にせず連絡が出来るし、すぐに仲良くなれるのです。何より、私は、ご無沙汰をしていた人から、突然の連絡というのが、多い類の人間です。

バラバラなことが当たり前である社会の中で、自分自身の存在が、「人と人とをつなぐ存在」になっていれば、何より嬉しい限りです。

作成日:2017年8月28日 屋根裏の労務士

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