コラム Column

「人の心を動かすこと」

8月のメルマガで、友達との関係に関して取り上げました。思いの外、反響が多く、クライアントの皆様から様々なご感想を頂くことが出来ました。長い付き合いの友人関係を築いていくためには、下記の当たり前をお互いに理解していることが大切だと持論を説いたのです。
  • 「繋がれるときに、繋がれる関係」

つまり、『繋がりたいときに、繋がれる関係』ではないということです。ましてや、『困ったときに助け合う関係』が友情関係などでありません。そんな妄想を本気で信じているから、人間関係で苦しんだり、人間関係が壊れていく原因になっているということ。

『繋がりたいときに、繋がれる関係』や『困ったときに助け合う関係』というのは、「家族との関係」であり、何より、「ビジネスの関係」だということです。

  • 「ビジネスの関係」というのは、「友達の関係」よりも
    実は優先され、強く結びついた大切な関係なのです。

生きていくためには、働いて糧を得ていく必要があるわけですから、ある意味、当たり前のことなのです。生きていくということ。すなわち日常というものは、働いて糧を得ていくという「ビジネスの関係」の上にあるのです。

ワークライフバランスとは、働いて糧を得ていくということを踏まえたうえでワークとライフのバランスが大切になるということです。糧を得ていかなければ、ライフは存在できないのです。そして、命でもあるライフのためにワークをして糧を得ていくのです。

「旧友との関係」は、ライフの関係の中に入りますが、優先順位は下がるのが実情なのです。そもそも、「ビジネスの関係」、「家族の関係」、「友達の関係」というのは、大切さの種類が異なり、比べるようなことでもありません。

結婚式や葬式などの人生の特別なイベントで無ければ、「友達との関係」は「ビジネスの関係」よりも、後回しになるのが当然なのです。そのため、旧友との集まりを企画開催するときに下記のようなニーズがあるのがあって当たり前だと捉えています。

  • 『当日は仕事や他の用事があるから、
    行けそうなら参加したい』

宴の参加を呼び掛けて、『行けそうなら参加したい』という返答。幹事の立場であれば、何とも幹事泣かせです。数人の集まりであれば、『行けそうなら参加したい』でも問題ありません。しかし、一定数の人が集まるには、日時と場所、何より、人数と予算を確定させる必要があるからです。

旧友の宴を開催するためには、下記の制約があるのです。

  • 6人以上集めて、10人以下の集まりとする

飲食店の方も6人以上でないと広々とした個室を貸してくれないのです。特にお盆や年末年始の繁忙期は、人数が確定する前に見込み人数で、店に予約を入れて開催場所を抑えておく必要があるのです。飲食店側も団体のドタキャンが一番困るため、幹事には確認の連絡があります。

当日参加を容認してしまうと、大目に料理の予約をする必要が出てくるのです。そのため参加者の予算が上がることになります。また、当日キャンセルを踏まえて人数を抑えて予約を入れた場合、当日の参加者が増えた場合、折角、来て頂いても席が無いという最悪の事態があり得るのです。

  • 「当日のサプライズ参加」

本人はサプライズで驚かせようと思っているのかもしれませんが、幹事はサプライズを求めていません。6人以上のノルマを抱えながら呼びかけをして、参加希望者を集めながら、10人以下でまとめるという調整対応が求められているのです。

組織で動くということは、どんなことでも大変です。そのため、事前に早い段階で今回の参加者と場所を確定させたいのが幹事の意向です。しかし、現実は下記のような状況なのが当たり前です。

  • 幹事の意向と参加者の思惑は一致しない

参加者の立場であれば、事前に予定を入れるのは、ワクワク感がある一方で、拘束感や義務感も発生します。そのため、直前になってから参加希望の有無を決めたいのです。

ワクワク感の参加の権利だけは確保しておいて、拘束感や義務感は無い状態にしておきたいのです。ましてや、手間がかかる段取りや責任は回避したいのです。出来れば、当日参加枠で参加したいのが本音なのです。

本当は私も可能であるならば、誰かに幹事をして頂いて、拘束感や義務感の無い当日枠で参加したいです。しかし、全員が当日枠希望であれば、少人数の集まりしか出来ません。幹事が開催の呼びかけをしても、下記のような返答は当然にあり得ることです。

  • 1か月ぐらい前に早く呼びかけをすれば、
    「まだ、予定が見えないので分からない」と返答。
    1週間ぐらい前に呼びかけをすれば、
    「いきなり言われても予定がつくかどうか分からない」と返答。

どれだけ事前に案内しても、「当日になるまで分からない」と返答があり得るわけです。というより、『繋がりたいときに、繋がれる関係』の希薄な関係の中で、あって当たり前だと分かった上で、覚悟して幹事の仕事を引き受け、呼びかけから人集め、各種調整をやりくりしながら、開催しているのです。

これまで色々な集まりの幹事をしてきました。そもそも、幹事の意向と参加者の思惑が完全一致しているような状況であれば、わざわざ、私に幹事を頼んできません。幹事の力量は、下記にあると思っています。

  • 『行けそうなら参加したい』というニーズを
    「是非、参加したい」というモチベーションに
    人の心を動かすこと

そんな覚悟が出来るのも、その集まりには、仲間や協力してくれる方々がいてくれるからです。小さな集まりでも、幹事の孤軍奮闘では、開催は出来ません。みんなの協力があってはじめて開催が出来るのです。

そして、そんな仲間や協力してくれる方々の熱意により、幹事を引き受ける気持ちに、私の心が動かされるのです。

作成日:2018年9月17日 屋根裏の労務士

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