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「なぜ、若手の担当者でも、見事な接客が出来るのか?」

先週、池袋にある家電量販店でパソコンのモニターを買いました。ブラリと店内に入り、店員から説明をして頂いたら、思わず、欲しくなり購入してしまいました。理由は下記です。
  • 「店員の接客がすばらしい!」

私は、芸術的な接客技術に感動して、思わず購入してしまったのです。以前、他の店舗で説明を受けたときに、通り一遍のカタログのような説明を受けて、気持ち冷めてしまい、購入を見送ったことがありました。

日本の家電製品の販売員の知識が豊富なのは良く知られていると思います。私が、対応して頂いた店員も豊富な知識で、理論整然と説明してくれました。しかも、まだ若手の販売員なのです。

あれだけの商品があるのに、各機種の特徴を捉えていて驚くような知識です。他の製品との連動に関する具体的な相談にも回答できる勉強ぶり。私は、感心して次の質問をしました。

  • 「貴方もこのモニターを持っているのですか?」

若い店員は、「持っていません。」と即答しました。

私は、日常的に人事評価制度をつくっています。そのため、優秀な担当者に出会うと、評価制度の項目のヒントにしようと考えます。優秀な担当に出会うと、ついつい聞き入ってしまい、すばらしい対応が出来る理由を考えてしまいます。皆様にも下記を一緒に考えて頂きたいです。

  • 「なぜ、この若い店員はこんなにも詳しいのか?」

本人は家電が好きでプライベートで勉強も相当しているのだと思います。社内研修もしっかりとしているのでしょう。しかし、あれだけの対応は、単に何か勉強したり、研修しただけで身に付くものではないでしょう。単に家電が好きという理由だけでは無理だと思います。

私は、若いのに、あれだけの高い接客技術ができることを次のように捉えています。

  • 「圧倒的な想像力を持つ感性があること!」

恐らく、この店員は、ひとつひとつの商品について自分が購入して使った場合の創造力と感性があるのでしょう。自分で実際に使ったことがあるというのは、それはそれで説得力があります。しかし、商品の製品ラインやアイテムは膨大。日々、たくさんの新商品も出てきます。

仮に、実際、自分が使ったことがある商品だとしても、優れた想像力たる感性が無ければ、商品の目利きのような特長などは知り得ることはないでしょう。

実は、『自分で販売商品を購入したことがある』というのは、トップセールには、必要事項ではないのです。このことは評価制度を策定する度に痛感します。

評価制度を策定するときには、ハイパフォーマンスのトップセールスの方々にインタービューをしています。自分が実際に購入して使用したことがない、若しくは購入出来ないものを営業してトップセールになったり、商品開発をしている人など世の中には、五万といるのです。

この方々に共通しているのは、「圧倒的な想像力たる感性」です。

実際に購入して使う、お客様のことをあらゆる創造力を持って何度も何度も創造して、間接経験を積んで自分の経験としているのです。つまり、次のことが出来ているのです。

  • 「他人が購入して、経験する未来を
    まるで自分が購入して経験する未来として、
    感じて販売している。」

私が購入した家電販売の店員も恐らく、圧倒的な想像力で、実際に利用する顧客のことを想像し、自分の経験にしているのだと思います。商品のことを単に知っているという資料の世界だけの二次元的なレベルでの説明ではありません。自分が実際に購入して、使っているかのような3次元での立体的な説明なのです。

日本の家電販売の店員の概ね接客レベルは高い。しかし、もの凄い人は、一部でしょう。私が購入しようとしていた商品の在庫がなく同地区の別の店舗にあるということだったので、そちらから、すぐに取り寄せる旨を言っていました。

私は、購入するならば、すぐに欲しいし、夜に再度購入しにくる旨を伝えました。在庫を取り寄せておくので、名前だけを教えてほしいといったので、名前だけを伝えて店舗を出ました。

夜に店舗に行ったときに、別の店員が丁寧に対応してくれました。昼間に、私が質問して即答できなかったこともすぐに調べてくれていて、調べてくれたメモを渡されました。

パソコンモニターの一つだけの購入。しかし、全力で対応しているのが伝わる最後まで見事な接客でした。

作成日:2012年5月21日 屋根裏の労務士

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