コラム Column

「モノからの卒業!」

今年の流行語大賞には入りませんでしたが、私は、「断捨離」という言葉がとても印象的でした。「断捨離」の生みの親、やましたひでこ氏は、「断捨離」を次のように説明しています。
  • 「モノの片づけを通して自分を知り、心の混沌を整理して人生を快適にする行動術」

つまり、『物質』なガラクタを片づけることにより、「精神的」なガラクタに取り除き、人生を快適にするための行動術です。

  • 「断」・・・・・入ってくる要らないモノを断つ

  • 「捨」・・・・・家にはびこるガラクタを捨てる

上記二つをすることにより、次の状態を得ることを勧めています。

  • 「離」・・・・モノへの執着から離れ、ゆとりある自在の空間にいる私

整理整頓術はこれまでもありましたが、「捨てる」ことを積極的に勧めるようなものは少なかったと思います。「捨てる」ということをポジティブに捉え、「断捨離」のような新しい言葉を生み出し、ビジネスにしているのは、やました氏が初めてだと思います。私は、「断捨離」を初めて聞いたとき、『4S』、『5S』を思い出しました。ご存知の通り、5Sとは「整理・整頓・清潔・清掃・躾」の頭文字のSをとり、快適な職場環境維持のための行動基準であり、JISが定義したものです。

  • 整理・・・いらないものを捨てる

  • 整頓・・・決められた物を決められた場所に置き、いつでも取り出せる状態にしておく

  • 清掃・・・掃除をして、職場を清潔に保つ

  • 清潔・・・(上の整理・整頓・清掃)を維持する

  • 躾・・・決められたルール・手順を正しく守る習慣をつける

上記の中で最初の「整理と整頓」を見て頂きたいのですが、「整理を捨てる」と定義しています。しかし、通常、整理は整頓の意味で捉えられていることが多いと思います。

「捨てる」という表現には、何かマイナスの意味が伴うような感覚があると思います。私たちは、これまで、『モノを大切にすること』を教育されてきました。一方、「モノを捨てること」は、あまり教えられていません。そのため、「モノを捨てること」に対して、何か『後ろめたさ』を覚える人は、多いのではないかと思います。「モノを捨てること」は、『モノを大切にしないこと』ではありません。二つは別次元の行為だと思います。

私は、「断捨離」という言葉には、「捨てる」ことに対する『後ろめたさ』を取り除き、何か新しい価値観を生み出すような考え方があるように思えたのです。そこには、何か大きなイノベーションをもたらす期待が感じてくるのです。

ドラッガーは、「イノベーションには、計画的に捨てることが必要」だと言っています。何かを捨てるからこそ、新しい何かを得ることができ、新しいことに解放されるのです。「断捨離」の考え方にも、通じるものがあると思います。今週は、誰もが年末の大掃除だと思います。捨てることに対して、次の基準を持ってみて取り組んでみはいかがでしょうか。

  • そのモノが、まだ『使えるか否か』ではなく、「今の自分に必要であるか否か」という基準

一つモノを捨てられたということは、そのモノからの卒業です。新しいものを得るために、今の自分に必要でないものを捨てることが必要なのです。私も年末の大掃除で、ドンドン「断捨離」して、新しい自分へのベースをつくります。

作成日:2010年12月27日 屋根裏の労務士

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