「iPadとボールペン！」
例えば、テレビを見ていて、興味があったことや知らないことがあれば、タイムリーに検索して、『情報』を得ることが出来ます。ひとつの『情報』から、興味があったことについて、幅広い『知識』を得ることが出来ます。私は、こんな便利なモノを開発してくれたアップルに、本当に感謝しています。
そんな中で、あるインタビューで次のような質問がありました。
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「お気に入りのアイテムは？」
すぐに、「iPadです。」と答えました。「もう一つは？」と質問を受けました。
少し考えて、手に持っているボールペンを見て、「この、ボールペンです。」と答えました。
私は、ボールペンについては、サラリーマンの1年生の時から、多少高い部類のボールペンをいくつか使ってきました。海外ブランド品のボールペンも結構使いましたが、最近は日本メーカーのボールペンを使っています。
先日打ち合わせが終わった後、電車の中でiPadを出してメールの確認をしているときに、閃くことがありました。すぐにノートを開いて、閃いたことを書き留めました。iPadでもデジタルノート機能がついていますが、どうも自分には、しっくりこないのでアナログのノートを使っています。
閃いたことを書き留めていたら、ボールペンのインクが切れたので、帰りにボールペンを買ったデパートの文具売り場に行きました。接客してくれた店員が、私のことを覚えてくれていて丁寧に対応して頂けました。そのとき、次のことを話していました。
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「不況にも関わらず、ボールペンは、売上が伸びていますね。」
私は、この発言を聴いて、少し驚きました。デジタル化の時代で、手紙や書類は減少傾向にあるので、ボールペン市場も、縮小傾向にあると思っていたからです。更に、ボールペンは経費削減対策の対象にもなりやすい。
iPadでボールペン市場について、調べたら他の文具が軒並み減少する中で、ボールペン市場は好調だという『情報』がいくつもありました。市場分析の中に、「ボールペンは、一定の購入者が、たくさん購入している。」という分析もありました。
実は、私も家のあちこちに、ノートにボールペンを挟んで置いてあります。理由は、アイデアや企画が思いついたら、すぐに書き留めるためです。アイデアや企画は、いつ閃くのかが、わからないからです。私は、職場で考えているときより、別のことをしているときに、「閃くこと」が多いのです。「閃いたこと」は、書き留めないと忘れてしまうので、すぐに書き留められるようにしています。また、「閃き」を書き留めた後、汚い字で絵を描くように、「思いついたこと」を色々と書き綴ります。
替えのボールペンの芯を購入して、事務所に戻る途中、私は、次のことに気が付きました。
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「デジタル世界のインターネットには、利益を生み出す知恵はない。」
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「利益の源泉となる知恵や発想は、アナログ世界のボールペンから生まれる。」
デジタル世界の『情報』の象徴であるiPad。インターネットは、『情報』の検索について、NO１でしょう。 iPadを持っていれば、すぐにインターネットに接続して、あらゆる『情報』をタイムリーに検索できます。しかし、iPadからは、利益の源泉となる「知恵や発想」は、検索出来ません。インターネットは、あくまでも『情報』を検索するものだからです。あくまでもビジネスのツールに過ぎません。
「知恵や発想」は、検索するものではなく、「気付き」、「閃いて」無から生み出すものだと思います。そのためには、『情報』や『知識』が必要になります。空っぽの頭では、何も「閃くこと」は出来ないからです。
デジタル世界のインターネットの便利さを実感しながらも、アナログ世界の大切さを再確認しています。クライアントからの相談も、インターネットからの検索で回答を得られるような相談は、弊社にはほとんどありません。相談内容のほとんどが、アナログである現実世界の個別事案の問題です。その解決策や対応も、企業や状況に応じて個別かつ様々なものです。更に言えば、解決策は法律世界の『情報』や『知識』の中にあるのではありません。法律論を踏まえたうえで、「知恵と発想」に基づくアナログ世界の労務の中にあるのです。
iPadが『情報検索』の象徴であるならば、ボールペンは「知恵と発想」の象徴です。
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「知恵と発想」は、現実世界のアナログ世界から生まれる。
最近、そんな気持ちで、ボールペンを使っています。私のビジネスの源泉となるボールペン。
汚く書きなぐったノートを見ながら、また、ボールペンを手に取りました。
作成日：2011年2月28日 屋根裏の労務士
