『熱心な訪問活動』と「コーディネートする能力」!
今回は、あるOA機器の入れ替えを行いました。高性能のOA機器があれば、大幅に事務処理に費やす時間が短縮でき、自分の時間を増やすことができると判断したのです。人材や業者と違い、機械の性能は概ね外れがありません。
私は、今回、各種検討に伴い担当者に、いくつか宿題を出しました。しかし、一向に満足できる宿題の回答はありません。毎日、毎日、夕方の私が居る時間帯に訪問してくるのですが、見積もりとキャンペーンの話しか持ってきません。飛び込みの営業担当者にも質問しましたが、どの担当者も似たような状況でした。仕方なく、自分でメーカーに問い合わせて確認したのです。
結局、私はこれまでの業者と契約することにしました。理由は、ここの企業は、技術部門がとても優秀だからです。コーディネートする営業については、積極的な理由ではなく、消極的な理由でした。営業担当者は、私のニーズを汲み取り、コーディネートするどころか、満足に自分の商品の説明も出来ていないのです。それでも、形のある商品・サービスなので導入してしまえば、済むと考えていたのです。
どの会社の営業マンも、概して、『熱心な訪問』をしているだけでした。それでも、私は、今の担当者の熱心さを認めて、またチャンスをあげたのです。これまで、何人も窓口となる営業担当者と付き合ってきましたが、『熱心な訪問活動』ばかりで、全体を把握して指揮をとり、コーディネートを出来る者がいないのです。
毎回毎回、導入・設定では、想定外の時間をとられるし、契約後の事務手続きも相当煩雑で、あれこれ書類忘れが多く、これまで、1回で済んだことがないのです。さらに、使っている業者への指示や連絡も悪いうえ、その担当者も勉強不足。1回で済むことを何度も連絡してきたり、まずは販売会社に聞くようなことを確認してくる始末。上記は、いずれも上場企業なのです。
見ていると、何かひとつある度に、その都度、状況に反応して動いているのです。あっちにバタバタ、こっちにバタバタ。本人は、それで忙しく仕事をしている様子でした。顧客を個別に理解して、カスタマイズされた対応していくなどは、程遠い状態。とても、任せておけない様子でした。
ひとりひとりのエンジニアや専門者の技術は高い。しかし、全体を理解・把握して、コーディネートすることが出来ないのです。自社である部門間の調整ですら、満足に出来ているとは思えないのですから。顧客である私の方がリードして、段取りを心配して各種の確認や調整をしている始末。
日本は、技術立国であり「メイド・イン・ジャパン」に裏打ちされたひとつひとつの技術は、多くの分野で世界NO1でしょう。一方、マーケティングや技術を組み合わせた総合提案やソフト・ノウハウの提案が苦手であり、弱みだと言われることがあります。「システム全体売り」、「トータルコーディネート」の必要性は、様々な分野で言われています。
営業の教育、プロジェクトリーダーの育成、サービス全体のコーディネートに関しては、悩みを抱える企業が多いのも実情でしょう。今回の弊社のような零細企業の対応をみるだけでも、企業の課題が多いことをしみじみと感じています。
作成日:2011年8月22日 屋根裏の労務士