「なぜ、できるビジネスパーソンは数字に強いのか?」~その1~
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「数字に強くなる!」
これまで、上記について、多くの書籍を読み漁りました。また、「数字」の大切さを話す人がいると、その意味を質問していました。しかし、当初、あまりピンときていませんでした。
学生の頃は、「数学に強くなる!」でした。「数学に強くなる!」は、すぐにわかるのです。数学という授業があり、教科書もありテストもあるからです。
一方、「数字に強くなる!」というのは、漠然としていて、よく分からなかったのです。サラリーマンのときに上司から、いつも「数字」を頭に入れておくように、日常的に言われていました。特に、次の「数字」です。
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「自分のノルマの数字」
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「会社や業界の基本的な数字」
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「各種、サービス、商品の相場・価格の数字」
報告するときは、一連の「数字」を意識するように、いつも厳しく言われていました。会社への報告だけでなく、顧客へのプレゼンテーション、あらゆるビジネス・コミュニケーションの中で、具体的な「数字」を示すことは、ビジネスの基本中の基本。
私は、ビジネスマンになるまで、実際に自分の周りの活動を『数』で捉えて、「数字」で表現していくということを、意識していたことがありませんでした。
学生のときは、試験を受ければ点数があり、偏差値というのはあります。しかし、具体的な活動を『数』で捉え、「数字」で伝えていくというのは、ビジネス独特の世界にあることだと思います。学生の頃は余り習慣にないと思います。
私は、以前、コラムで「ビジネス会話の存在」を取り上げたことがあります。私が、新入社員のときに、自分はコミュニケーション能力が高いと思い込んでいましたが、その思い込みは、プロのビジネスの場で、木端微塵に砕かれて、会社で話すことも嫌になった話です。ビジネス会話力には様々な要素があります。その中のひとつが、次のことです。
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物事を『数』で捉えて、「数字」で伝えていく能力
ビジネスの世界では、活動や起きたことを「数字」で表すことが多分に求められます。『数』と「数字」は、本質的には、異なる概念です。
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『数』・・・・・単なるモノの数量を表す概念
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「数字」・・・『数』を表す記号であり表現
「数字」とは、混沌とした現実にある『数』という事象に対して、「数字」という記号で言語化し、表現していくことではないでしょうか。ビジネスにおけるコミュニケーションの特異性は、混沌とした世界を『数』で捉え、誰にでもわかる本質である「数字」という表現で、伝えていく必要性が高いことです。
様々な常識と価値観、異なる企業文化を持つ者が、利害を絡めて、高速スピードの意思疎通のやりとり。これがビジネスのコミュニケーション。同じ文化にある社内の報告ですら、待ったなしの状態なのです。そのコミュニケーションの強力なツールとなるのが「数字」なのです。
他者との円滑なコミュニケーションを可能にさせる「数字」。「数字」は、人によって様々な認識の違いを、共通の認識として、一瞬にして可能にさせる言語としての力があるのです。
優れたビジネスパーソンは、他者とのコミュニケーションの難しさを心得ており、言語としての「数字」を、徹底的に訓練され身につけているのです。クライアントでも優秀な担当者は、間違いなく数字に強く、他者を意識したコミュニケーション能力が高い。何より、企業風土の中に、言語としての「数字」の文化があるのです。
「数字」には、もうひとつ重要な機能があります。
次回のコラムで、続きを述べたいと思います。
作成日:2012年4月2日 屋根裏の労務士