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「自分の限界を超えてみたい好奇心!」

世界の最高峰、エベレストの登頂に2度成功している冒険家でプロスキーヤーの三浦雄一郎さんが、来年5月に、80歳で3度目のエベレスト登頂に挑戦することを正式に発表しました。

三浦雄一郎さんは、70歳と75歳のときにエベレストの登頂に成功。その後も80歳での登頂を目指して、日々、厳しい訓練を続けてきました。

三浦さんが今回の挑戦に成功すれば、4年前、76歳のネパール人男性が作った、世界最高齢での登頂記録を塗り替えることになります。

三浦さんは、2009年に骨盤と大腿骨付け根を骨折する大ケガから復帰。昨年はヒマラヤのメラピーク(6,476メートル)に登頂成功しています。

冒険家でプロスキーヤーの三浦雄一郎さん。実は、もう一つの顔として、高等学校の校長先生も務めています。ご高齢にもかかわらず、果敢に「自分の限界」に挑む、校長先生でもある三浦雄一郎さん。

生徒たちは、校長先生から、どんな『立派な話』をして頂くより、何より、三浦校長先生の「挑戦するという存在自体」が、勇気となり、生きていく励みになるでしょう。

三浦さんは、数々の輝かしい実績がありますが、異色の経歴を持ちます。幼少期は病弱で劣等生。小学校4年生から5年生時には大病を患います。長期入院のため、1年の半分近くも学校に通えなかったそうです。

高校入試にも失敗し、中学浪人。転校も多く、行く先々で、苦労と困難の連続だったようです。その後、スキーとの出会いなどを通じて、冒険家となり、数々の実績を残します。

その輝かしい実績は、常に難病を抱えながら死と隣り合わせでの達成なのです。難病と冒険という二つの困難に対して同時に闘いながら偉業を達成。

私は、以前から三浦さんの次の言葉に、何か心留まるものがあります。

  • 「人は、現在の自分を超えてみたい好奇心がある!」

「現在の自分を超えてみたい!」
そこには、何か外部から強制されたような目標ではありません。何か、成功した、他者との比較によるものとも違います。

外部との関係性のうえにあるものではなく、自分の内部から、純粋に湧き出てくる感情。それが、「自分を超えてみたい好奇心」だと思うのです。

『そこに山があるから登る。』
その言葉も意味することもすばらしい。

しかし、私は、三浦さんが発する言葉の意味はまた、別の意味があり、何か、不思議と心に留まるのです。

  • 「目標となる山は、外部に、あるのではなく、
    己の心中、内部に、しかとある。」

無邪気な子供のような気持ちで、純粋に、自分を超えてみたい。そんな趣意があるような気がするのです。

今回は「チベットの中国側ルートから登りたい」というが、中国情勢が不透明なために許可が得られるかわからず、来年2月末にルートを最終決定することになりそうです。

今月中旬からヒマラヤへ本格的な遠征に向かいます。会見で、三浦さんは次のように抱負を述べています。

  • 「80歳という年齢で体がどれだけ耐えられるか興味がある。
    とにかく限界までやってみたい。
    山頂で限界を迎えたのなら、それ以上幸せなことはない。」

8000メートルを超える山々は、神々が宿る危険ゾーン。そんな場所に高齢で挑むのに、子供のように明るく、抱負を語り、ワクワク感のある三浦さん。

『世界記録更新』というより、「自分を超えることへの喜び」が伝わってきます。

そんな三浦さんの「存在自体」が、何よりも周囲への勇気であり、希望となり大きな目標となっている気がするのです。

作成日:2012年10月15日 屋根裏の労務士

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