「癒しの空間」
私は、日本庭園が、そのような空間の一つ。日本庭園は、都会の喧騒の中に、何かひっそりと、そこにあります。四季折々の自然美。日本古来の伝統を受け継ぐような美意識。日本庭園には、何とも表現できない情緒感が佇んでいます。
どこの庭園も、通常、閑散としています。年間を通じて、混雑感のあるのは、春の桜と秋の紅葉の一時期だけ。訪れている方も、落ち着いた雰囲気のご年輩の方々が、ほとんどです。私は、都内にあるたくさんの庭園を年間30回から40回ぐらい、足を運んでいると思います。庭園に行かない月は、ありません。
都内9庭園については、毎年、9庭園共通の年間パスポートを購入。ちなみに、入園料は1回、150円~300円程度。共通パスポートの場合、年間4,200円。庭園好きの私にとっては、激安の値段。それぞれの庭園に特徴があり、情緒感も異なります。
9庭園の近くで、打合せがあり、時間が空いてしまった時。混雑した喫茶店で時間を過ごすことは、まずありません。広々とした庭園のベンチで、一人。四季折々の情緒を楽しんでいます。
日本庭園を巡るのが好きになり、20年になります。初めの頃は、庭園の魅力に気がついていませんでした。気晴らしの散歩コース程度だったと思います。忙殺された日々を過ごすようになる程、庭園美に気が付き、その魅力の虜になった気がします。多忙のときほど、庭園に足を運びたくなります。特に、細かい資料などを作成して、ストレスがあるときなどです。
庭園には、様々な魅力があります。その魅力の一つが、下記です。
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「日常の喧騒から離れた、
ゆったりとした時間感覚になれること」
一歩、その場に足を運ぶと、日々の忙殺された状況から、ふと、離れ、別の世界に迷い込んだような感覚になれます。日常にはない、ゆったりとした空気。通常、回遊式庭園を、ゆっくり一周。見晴らしの良い場所で、ベンチに佇む。耳を澄ますと、都会の声と自然の声が、静かに交差。そのうち、自然の声だけが聞こえてくる。
美しき庭園美に触れると日々忙殺された、自分の心が和んでくる。そして、穏やかな心で、何か、内面の自分と、向き合うことが出来るのです。何か、嫌なことがあり、落ち込んでいた時。何か、嬉しいことがあり、晴々としていた時。私にとって、庭園は、気持ちを癒したり、気持ちを整えてくれる場所。
誰しも、そんな癒しの場があり、そんな空間がある。ある人は、ゴルフ場であったり、運動場であったり。また、ある人は図書館であったり、何か習い事の場所であったり。通いの飲み屋なども多いのではないでしょうか。週末に農作業する田園が、癒しの場となっている方もいます。
人それぞれに、癒しの場は違う。場所は違えど、明日への活力となっているのは共通。ひとり自分と向き合ったり、仕事とは別の自分になれたり。
気持ちを整える場所を持つこと。長い人生を送るうえで、そんな場所や時間。何か、大切なことだと思うのです。
作成日:2013年3月11日 屋根裏の労務士