コラム Column

「醍醐の花見」

4月の初めに、京都に桜を見に行ってきました。以前、メールマガジンで、日本庭園のことを取り上げたことがあります。それ以降、クライアントの方と打合せの前に、日本庭園について、話題になることが増えました。意外と、日本庭園が好きな人は、多いのですね。その中で、京都の日本庭園について盛り上がることが多く、話していたら、また、行きたくなったのです。

3月は、定年変更の法改正に伴う、打合せや納品が多く、繁忙期。その繁忙期を乗り越え、何か、一度、気持ちの整理をつけたかったのです。慰労をかねて、春の京都に行くことを決めました。春の京都に行くことを決めた理由はもう一つあります。

  • 京都の美しい借景の中で、彩る桜の美

  • それを、自分の美意識の中に、今の内に、取り込んでおきたかったのです。

私は、一度、見ておきたかった「桜の花見」があります。それが下記です。

  • 「醍醐の花見」

醍醐寺は、古くからの桜の名所。豊臣秀吉が晩年、「醍醐の花見」を行った事でも有名です。世界遺産の境内を背景に、約800本のサクラが彩ります。

慶長3年(1598)の春、秀吉は花見に際して畿内から桜を植え、三宝院の庭園を造り、盛大な宴を開きました。1,300人余りが参加したといわれています。三宝院の庭園は、秀吉が「醍醐の花見」に際して、自ら基本設計をした庭です。

京都の文化遺産の中で、秀吉にゆかりがあるものは、どこも、絢爛豪華。華やかな雰囲気があります。秀吉本人は、サル、と呼ばれていた見た目だったと聞きます。しかし、見た目とは裏腹に、秀吉は大の派手好き。秀吉にゆかりがある文化遺産は、何か、次の印象を持ちます。

  • 「これでもか!」と思わせる程の豪快さ。

絢爛豪華で、眼前に迫り出てくるような迫力です。桃山時代の華やかな文化。何より、秀吉の人柄が、目に浮かびます。しかも、あれだけ華やかで豪華なのに、成金めいた、嫌らしさがない。秀吉の美意識とセンスが織りなすものでしょう。今回、非常に、勉強になりました。

信長、秀吉の時代は、仏教文化が薄れます。そして、スペイン、ポルトガルとの貿易により、ヨーロッパの文化が入ってきます。いわゆる、南蛮貿易による南蛮文化の伝来です。特に、キリスト教の伝来は、文化的、社会的に、大きな影響を与えます。日本人に、新しい思想や価値観を吹き込み、ヨーロッパ文化と日本文化が相まって、新しい文化をつくり出し、新しい人間理解を促したのです。

このことは、現代日本人の精神性にも、何らかの影響を与えていることでしょう。桃山文化に触れて、思想が持つ重要性。それを改めて、感じていました。そんな桃山文化の渦中にいた秀吉。秀吉が行った、最後の大きな宴。それが、「醍醐の花見」です。

醍醐寺の桜は、京都の中で、早咲きで有名です。満開となり桜散る中、秀吉が行った宴を想像していました。そして、何より想像していたのは、秀吉という人物。

  • 桜で彩る、京都の美。
    古都の美しき借景に、重なる桜の美。

それを、自分の美意識の中に、取り込むことができました。桜舞う、古都、京都の美に触れて、気持ちを整えることも出来た気がします。

  • 京の都は、美のワンダーランド。

自分の美意識とセンスを磨いて、また、行きたいですね。リフレッシュが出来て、新たしい気持ちでスタートが切れそうです。

作成日:2013年4月15日 屋根裏の労務士

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