コラム Column

「密度の濃い時間」

先月の下旬、北は北海道の札幌から、南は九州の博多まで。全国7か所で、新しい人事制度の導入に伴う、説明会の講師をしてきました。

博多まで行った時、折角、遠方まで来たのだから、説明会が終了したら、博多の名物でも食べてから、東京に戻ろうと考えていました。しかし、説明会が終了したら、想定していた以上の疲労度。

無事に説明会が終わり、緊張感から開放されると同時に、疲れが、溢れるように、どっと出てきました。思考の焦点も定まらないくらいのフラフラの状態。説明会を無事に乗り越えた達成感を超えるような疲労感。這うようにして空港に向かい、何とか東京に戻ってきました。

今回、説明会で、全国に行ってきましたが特段、現地の名物を食べたり、観光などはしてきていません。それでも、その地域ごとの風土を、肌で感じることが出来て、とても勉強になり、実りあるものになりました。

私は、遠方に出張するときに、現地ではタクシーではなく、出来るだけ、公共交通機関を利用するようにしています。現地の公共交通機関を利用することにより、そこで生活する人の臭いのようなもの。それをしかと感じることが出来るからです。地域ごとの独特な活気、独特の空気感。

説明会で、社員の皆様に顔を会わせる前に、そこの地域の雰囲気のような空気感。それを公共交通機関の雰囲気の中で、ざっくりと掴むことが出来るような気がするのです。

例えば、東京と大阪では、街の中に、飛び交う言葉だけでなく、何か空気感そのものが違うと思います。恐らく、風土から生まれてくる特徴が、DNAレベルで、そこで暮らす人々の中に、書き込まれており、何か地域独自の空気感をつくっていると思うのです。

説明会をしたときのクライアントの雰囲気も支社ごとに、独特の特徴がありました。そして、その地域ごとの特徴を繋ぐ、全社に共通してある、企業共通の特徴。それが下記です。

  • 「企業文化」。

脈々と血のように、歴史を重ね、受け継がれてきた「企業文化」。説明会に集まった社員の皆様の雰囲気からしかと、「企業文化」を感じることができました。

企業が持つ、強みや特徴。会社案内に説明された説明や写真を見るよりも、支社長や社員の皆様と、実際にお会いして、空気感を感じることにより、その企業の特徴を掴み、何か、わかったような気がします。

説明会は、時間にしてみれば、1時間から1時間半程度。何かを理解して、知り得るには、短い時間だと思います。しかし、説明会は、話す側も聞く側も、ガチンコの真剣勝負の場。時間が濃くなる瞬間の連続です。

ぬるま湯の時間を、ただ過ごしているだけでは見えてこないものが、あると思うのです。真剣勝負の密度の濃い時間を送ることにより、時空を超えて、何かを掴み、何かを知り得ることが出来るような気がしています。これまで、説明会を7回実施しましたが、毎回実施する度に、ここのクライアントの「企業文化」に気が付くことがあり、理解を深めることがあります。

説明会は、残り1つ。同じ内容の説明会ですが、ガチンコの真剣勝負の時間を通じて、また、何か新しいことに気が付き、理解を深めることができると思うのです。

作成日:2013年11月4日 屋根裏の労務士

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