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「俺、それでも、あいつのこと、憎めない!」

先日、郷里に帰ったときに、久しぶりに親友と再開しました。その時に、親友が、私が会いたかった、もう一人の親友に、連絡をつけてくれて、再開させてくれました。

親友は、その日に、別の忘年会があったのにもかかわらず、私が郷里にいることを知り、私との再開に、駆けつけてくれました。心意気に、ただ、感謝するばかりです。

彼とも小学1年生の時から高校生まで、心を通わせた親友。家も近所で、一緒に同じ時間を過ごして、成長してきました。最近は、中々、きちんと会えていませんでした。

彼は、私とは違い、昔から、モテモテの伊達男。当時、バンドなんかをやったりして、ちょっとトッポイ雰囲気で、バレンタインデーには、抱えきれない程のチョコの数。運動や勉強も出来て、学年のちょっとしたアイドルでした。

でも、彼は、そんな人気ある、モテル素ぶりを、周囲に一切出さないのです。そんな男気あるところが、男子からもカッコよく見えて、男女問わず、人気があったのだと思います。

一方、私は、ドリフターズ系のズッコケ・キャラ。毎日、コント的なことをして、周囲を笑わせていました。ちなみに、もう一人は、体格が良く、柔道部の主将で、黒帯の武道派キャラ。世の中、色々なキャラがあり、それでバランスがとれているのだと思います。

当時は、個性派ぞろいのメンバーで、宴のような騒ぎをしていました。学校が、毎日、楽しくて仕方ありませんでした。

そんな彼が、数年前に、友人との間で、トラブルに巻き込まれたという話を聞きました。この話を聞いた時に、自分も少なからず、ショックを受けて、何か、いたたまれない感情に襲われていました。トラブルの原因に、私の同級生の名前が、出てきたからです。

誠に、人生とは、色々なことがあります。多分、誰一人として、簡単に、生きていないと思います。絵に描いたように、綺麗に、生きていないと思います。それが、人生でしょう。

嫌なことがあり、嬉しいことがあり。苦しい時があり、楽しい時があり。人生、イロイロです。思ってもいなかったこと。想定外のこと。起こるものだと思います。

自分が描いていた通りの人生に、ならないことの方が、むしろ、多いものではないでしょうか。そんな時、人は、起きてしまった事実や現実に対して。『恨み節』になったり、『後悔節』に、なってしまうこともあります。

事実を受け止め、消化して、未来に向けて、前向きに、歩みだせないのです。「今」という瞬間を、濃く、生きていけないのです。

どんよりとした、曇り空のような心持ちで、何か、『重しのようなもの』に、引きずられて、生きてしまうのです。起きた事実に対して、周囲の状況のせいにしたり。過去の自分を悔んだり。特定の誰かを、憎んだり、恨んだり。時として、自分自身を恨み、さげすむ場合だってあります。

人間は、単純に、出来ていません。人生も、単純に、出来ていません。つらい事実を認め、受け容れること。嫌な事実を認め、受け容れること。簡単なことではないと思います。

起きてしまった現実という事実。それをどのような想いや気持ちで、受け容れるかによって、その後の人生自体が、変わってくるような気がしています。「今」という時間の生き方が、変わってくるような気がしています。

親友は、トラブルの原因をつくった友人に対して、次のように言っていました。

  • 「俺、それでも、あいつのこと、憎めない。」
    「何か、どこか、憎めない。」

その言葉を聞いたとき、何か安心したような気がしました。これまで、何か嫌などんよりとした、『心の重しのようなもの』。それが、とれたような気がしてきました。そして、何か、心に、温もりが湧いてきたのです。何か、心が、晴々としてきたのです。

親友は、事実に対して、現実逃避をしているのではありません。事実を事実と認め、すべてを受け容れたうえで、すべてを了解して、許しているのです。そして、前向きに、「今」を生きているのです。

  • 「俺、それでも、あいつのこと、憎めない。」
    「何か、どこか、憎めない。」

そんなことを、『恨み節』、『後悔節』の一つも言わずに。自然に、さっぱり、言える親友。嫌なことがあっても、きれいに流して。現実を受け容れて、何かに引きずられることなく。「今」という時間を、濃く、生きている親友。

男気が溢れる雰囲気。当時のままです。どこか、「男としての器」が大きくて。何か、「人としての器」が大きくて。カッコ良く、映っていました。

凍てついた寒々しい冬の季節。親友がさらりと言った、次の言葉をつぶやきます。

  • 「俺、それでも、あいつのこと、憎めない。」
    「何か、どこか、憎めない。」

何だか、自分の心に、温もりが湧いてきて。何か、気持ちが、嬉しくて。生きていることが、楽しくて。青空が広がる、晴々とした、気持ちになってくるのです。

皆様の心も、青空が広がる、快晴でありますように。そして、今日も良い日でありますように。

作成日:2013年12月23日 屋根裏の労務士

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