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「男性と女性の生きづらさの違い」

私は、テレビ中継をライブで見ることが、ほとんどありません。ライブで見るのは、スポーツぐらいです。帰宅時間も遅いことが多いので、日々のニュースもすべて録画です。録画の方が、断然、時間の節約になります。

週末に、録画してあった番組をまとめて見ていました。その中で、次の特集が取り上げられていました。

  • 「男性の幸福度の低さ」

日本は、女性よりも男性の方が、幸福度が低い。男女共同参画白書に、次の調査結果があります。

  • 質問 : 『現在幸せですか?』

それに対して、次のような結果。

  • 男性 : 28.1%
    女性 : 34.8%

男女ともに、幸福度が高いとは言えません。「生きる」ということの厳しさを感じるものです。この調査結果は、少し、意外にも思えました。ジェンダー・ギャップ指数で日本は136カ国中105位。最下位層に位置しています。

妊娠した女性の降格が、違法になった裁判結果など。女性への差別行為。社会問題になっている実態があります。様々な取り組みをしていますが、女性に対する差別行為は、中々、無くなりません。

日本は、男性社会であり、女性が不当な扱いを受けて、女性には、生きづらさがある社会という印象があります。『女性の生きづらさ』を裏付けるような客観的なデータもあります。

  • 非正規の割合 : 女性53.9%  男性19.4%

  • 賃金の割合(男性を100にした場合)  : 女性71%  男性100%

  • 家事に費やす時間 : 女性215分  男性42分

上記のデータ以外にも、男性の方が女性より有利なものが多いと思います。それでも、調べてみると、どの幸福度に関する調査でも、男性より、女性の方が、幸福度が高くなっている傾向になります。

特集されていた番組では、下記について中心に取り上げられていました。

  • 『男性の生きづらさ』

男らしさという幻想の中で、周囲から求められる男性像と現実とのギャップ。男性は、一人で何でも、抱え込み、溜め込みやすい傾向。大切な家族や友人には、中々、自分の弱みは、見せられません。上司には、愚痴や不満を言うことも、現実的には難しいものです。そんな男性を番組では、次のような表現をしていました。

  • 『コミュニケーションが下手な男性』

男性のコミュニケーションが、上手、下手の以前に、相談する場所も無いのが実情だと思います。そもそも、日本社会自体が、男性の泣き言を受け容れてくれるような雰囲気もありません。

先日、夜、散歩をしているとき、公園で、年輩の女性のホームレスを見かけました。秋風が吹く、寒空の中に、大きなリックと紙袋を二つ横において、段ボールの上に、汚れた姿で、寝ていたのです。

私は、その姿を見て、何か、いたたまれない感情になりました。年輩の女性がホームレスになるなんて。「生活保護は、一体、どうなっているのか!」と怒りに近い感情が起きてきました。女性を、寒空の下に、放り出すようなこと。あるはずが無いし、あってはいけないという感情。自分の中に、起きてきたのです。

そんな気持ちの中、しばらく歩いたら、今度は、男性のホームレスを見かけたのです。その時、女性のホームレスに対して起きた、何とかしてあげたいという気持ち。自分の中に、起きてきませんでした。私と同じような気持ちになる方は多いような気がしています。

日本社会とは、男性中心に出来ている社会。男性の方が、有利になっていることが多いと思います。変えていかなければいけないこと。たくさんあります。

一方で、社会の最後の最後のセーフティーネット。実は、日本の社会は、女性に対して、かなり優しく、出来ているのです。

実際に、女性のホームレスは、滅多に、見かけません。女性の貧困が社会問題になっていますが、女性は、ホームレスになるまで、貧困化することは少ないのです。男性に比べて、社会が面倒見てくれることが多いのです。

私の郷里では、離婚をしたり、失業したりして、実家に戻って、生活している女性の方。決して、少なくありません。地域社会もそれを受け容れている雰囲気があります。一方で、男性が、離婚したり、失業したりして実家に戻ること。何か、許されない社会的な雰囲気。あるような気がしています。

そんな、男性には許されない社会的な雰囲気。数多くあり、『男性の生きづらさ』の根に、あるような気がしています。

昔から、よくある次の質問。

  • 「今度、生まれてくるとしたら、
    男性と女性のどちらが良いですか?」

そもそも、男性女性は、別の存在です。どちらが、幸福であるかを何か数値をもって、計ることは、出来ないと思います。『男性の生きづらさ』、『女性の生きづらさ』。両方とも、お互いには、中々、分かることが無い、別の種類の生きづらさの様な気がしています。

作成日:2014年11月17日 屋根裏の労務士

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