「長崎の旅」・・・前篇
実は、昨年のお盆休みの1ヵ月前に3泊4日ぐらいで、長崎に行くことを検討しました。航空券の割引価格が適用される1ヵ月前ぐらいに、旅程を検討しました。しかし、長崎は見所がたくさんあり、プランニングが難しく、自分が行きたい場所を、上手く絞り込むことが出来ませんでした。
長崎の旅は、週末1日程度で、プランニングをすることは、出来ないことを痛感。そこで、昨年の夏は、「博多・福岡」を旅することに急遽変更したのです。「博多・福岡」の旅はプランニングが、さほど難しくありません。定番となっている観光スポットが、概ね決まっているからです。基本的には、「博多・福岡」に連泊する形で、一つ宿をおさえておき、その宿を拠点にして回れば良いのです。
一方、長崎は県内にわたり魅力的な観光スポットが溢れています。プランニングをするための勉強や準備が必要になります。一度だけの旅では、到底、回り切れません。そこで、次の必要が出てくるのです。
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行きたい場所を「絞り込む」ということ。
この「絞り込む」という判断は、中々、難しいことです。「選択と集中」という日々のビジネスや経営にも、通じるものがあります。
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何かを選ぶということは、何かを捨てるということ。
行きたい場所を選ぶということは、行かない場所を決めるということでもあります。旅には、時間的な制約、費用的な制約など。様々な制約があります。その制約の中で、自分にとって最適な効用を考えて、プランニングをすることになります。
また、何かを選びプランニングするためには、その全体像の概要も掴んでいなければ、より良い選択やそのための判断は出来ません。旅のプランニングをする度に思うのですが、労務の制度策定のコンサルティングにも通じるものがあるのです。制度策定と導入に向けたスケジュールを考えて、そのために必要な作業量から、見積をつくる作業です。
長崎について、勉強すればするほど。あれこれ興味が湧いてきて、好奇心が駆り立てられます。行かない場所を決めること。長崎の魅力を知れば知る程、難しくなります。
長崎は、鎖国時代に、西洋との窓口となった唯一の地。そのため、県内中のあちこちに見どころがたくさんあります。今回のプランニングで行きたい場所が多くあり過ぎて、捨てる場所を決めることが、最初は、中々出来ませんでした。行きたい場所を選び、捨てる場所を決めるために次のことが重要になります。
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旅の目的を明確にすること。
旅は、最初にイメージ先行で、何となく興味を持ち、その場所に行きたい気持ち。自分の中で起きてきて、衝動に駆られて、旅をすることが多いと思います。まずは、このイメージをざっくりと持ち。旅をしたい気持ちに心が動くこと。旅をするためには、何よりも大切。
次に、ワクワク感のモチベーションで、事前に、あれこれ調べたり勉強したり。訪れる地について、掘り下げていく中で、旅の目的が自分の中で、明確になってくるものではないでしょうか。そして、目的が明確になってくると、人生の中で、何か、旅をする必要性が分かってくる様な気がしています。
旅は、最初に、目的ありきでは無いような気がしています。2回目に同じ地を訪れるとき。初回の旅とは違い、自分の中に、かなり、しっかりとした目的意識を持って、訪れることが出来ることが多い様な気がしています。今回、私が長崎を訪れる目的は次の2つ。
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原爆の脅威を知り、死没者の追悼をすること。
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鎖国時代に西洋文化を取り入れた唯一の窓口であった地を知ること。
上記、2つの目的を持って、プランニングをしました。そのため、今回の旅では、下記のエリアをばっさりと捨てる判断が出来ました。
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雲仙、島原、小浜の温泉地エリア
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五島列島、壱岐、対馬の各離島エリア
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諫早、大村エリア
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西海エリア
今回、訪れたのは次の3つのエリアです。
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長崎タウンエリア
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平戸エリア
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佐世保・ハウステンボスエリア
さらに、目的意識が明確になったので、見所満載の長崎タウンエリアでも、下記の観光地は、ばっさりと捨てる判断が出来ました。
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軍艦島
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風頭・寺町
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唐人屋敷跡
軍艦島については、今、話題になっていることもあり、非常に興味がありました。しかし、足を運べば、半日程度の時間がとられてしまいます。今回の旅の目的とは違うので、軍艦島の上陸ツアーは、見送りました。
有意義な旅の時間を過ごすためには、予定を詰め込み、たくさん回ることではなく、目的意識をしっかりと持ち、絞り込むことも大切。実際に足を運んだというスタンプラリーの様な旅ではなく、訪れる地について、一つ一つじっくりと味わうのです。
長崎県は周囲を海に囲まれています。海岸線の長さが日本最長で、4137キロメートルにもなります。更に、山が多く、平野が少ないのも特徴。そのため、鉄道だけでは移動が出来ません。長距離バスを使い、移動する必要があります。そのために、他の観光地に比べて、事前に、かなりしっかりとしたプランニング。より大切になってきます。
「原爆の悲惨さを伝え、恒久の平和を願う街」、長崎。
「西洋との窓口となった異国情緒が溢れる街」、長崎。
長崎を訪れて、近代日本の礎となった西洋文化との交流。少しだけ理解が出来た様な気がします。長崎は、また、いつか、訪れてみたい街です。
作成日:2015年5月11日 屋根裏の労務士