「人は人吾はわれ也 とにかくに吾行く道を吾行なり。」
帰省に伴い、郷里の友達7人で再会することが出来ました。急な呼びかけにも関わらず、みんな、多忙なスケジュールを調整して、集まってくれました。18:00から始まった一次会の5時間も瞬く間に終わり、当たり前の様に2次会、3次会に突入。
私たちはみんな、幼少期から、とにかく毎日ハチャメチャ。みんなメチャメチャ弾けているのです。面白いエピソードが山ほどあるのです。今でも、みんなで腹を抱えて笑う話。いくらでも出てくるのです。そして、みんなで集まると現在進行形で面白いことが起こり、楽しい展開になるのです。今回の「宴」でも、腹が痛くなるくらい笑いました。
「ワッハッハ、ワッハッハ」
みんなで、腹を抱えて笑う瞬間の連続。
郷里での幼少期からの友達との集まりの呼びかけ。私は、『飲み会』とは言わずに、「宴」と言っています。どうやら、みんなも『飲み会』ではなく、「宴」を楽しむために、ワクワクモードで来ている様です。
いつも笑顔が溢れ、太陽の様に明るい友達。しかし、人生、順風満帆で、過ごせているわけではありません。ましてや、絵に描いたように、自分の理想通りには生きていません。みんな、人生、紆余曲折しながら色々あり、毎回想定外のことが起こりながら、それを受け止めて、現在進行形で大変なのです。
生きるとは大変なことです。誰もが簡単には生きていません。私は、わが友ながら会う度にいつも感心することがあります。それは、次のことです。
- □
他の人のことを悪く言わない。
愚痴も言わない。
ましてや、何か自分の自慢めいた話もしないこと。
それどころか、友達の優れているところや良いところ、何より友達の凄いところ。当たり前の様に認めることが出来て、自然な振る舞いで、敬意を示すこと。みんな、それができるのです。そして、それに対して、羨ましいという気持ち。コンプレックスのように、ライバル心を燃やすという気持ち。誰からも、全く感じないのです。
ましてや、友達に対して、優越感や劣等感なんていう気持ち。お互いに微塵もありません。会っていると、お互いに、感謝の気持ち。お互い、言葉にはしませんが、何か、感謝の気持ちが伝わってくるのです。
気が付くと、誰もが笑いの輪の中心になり、その場を盛り上げることが出来るのです。そして、みんなで集まると、笑いの化学反応が起こり、笑いの渦が起きてきて、笑いのウェーブが起きてくるのです。みんなで「笑いの波乗り」を楽しめるのです。
私は、郷里の友達に会うと、何か次の言葉を思い出し、その言葉の意味を直観的に理解できます。
- □
「人は人 吾はわれ也
とにかくに 吾行く道を
吾行なり。」
哲学者である西田幾多郎の言葉です。京都の南禅寺付近から銀閣寺まで続く道。哲学の道と呼ばれています。西田先生が、この道を散策しながら、思索にふけったことから名づけられました。
哲学の道は、春にはソメイヨシノが咲き誇り、夏は新緑が美しく、秋には艶やかな紅葉、冬は静寂の趣があります。いつの季節に訪れても、独特な情緒感のある道です。私は、京都が好きで何度も訪れています。その中でも哲学の道は、お気に入りのスポットの一つです。
道の途中、確か法然院の近くに、西田先生が詠んだ歌の石碑があります。上記の言葉は、その石碑に刻まれています。
私が最初に石碑の言葉を目にしたのは、17歳の高校生のとき。修学旅行で京都を訪れたときです。当時は、「人は、自分が好きなことをやればいい。」という、いかにも若者風の手前勝手な解釈で、捉えていました。
その後、度々、京都を訪れ、哲学の道に足を運び、西田先生の石碑の前に立つ度に、その言葉の捉え方。自分の成長とともに、変わってくるものです。
社会人になって、京都に訪れて石碑を見たとき。「自分の道に信念を持ち、その道を進み、その道を極めろ。」というような教えとして石碑の言葉を受け止めていました。
最近は、また、別の捉え方が出来るようになっています。
- □
「人は人 吾はわれ也
とにかくに 吾行く道を
吾行なり。」
人は人、自分は自分なのです。人と比べて、優越感や劣等感を抱いて生きている限り。多分、どこまでいっても永遠に楽しくならないし、ましてや幸せな心持にはなれないでしょう。人と比べて生きている限り、精神的には独房の中にいる様な生き方しか出来ていない様な気がしています。とにかく、自分の進むべき道を今の自分を受け容れて、生きていくしかないのです。
人生を楽しく幸せな心持で過ごせる秘訣。
- □
『他人にどう思われているか!』ではなく、
「自分がどのように生きていくか!」
ということだと思っています。
人生、紆余曲折しながら、色々な想定外のことが起こり、色々大変なのに、いつも楽しそうに生きている友達。自分の進むべき道。しかと受け容れて、自分を受け容れて、みんな、生きているのが、友達の楽しそうな雰囲気から、伝わってくるのです。
- □
いつも明るく、周囲を楽しませ。
周囲に幸せをふりまきながら。
そんな友達に巡り合えて、幼少期から毎日が面白く、いつも嬉しい心持で、楽しく過ごせることが出来ています。そんな友達から、人生の楽しみ方。人生を面白く生きていくこと。何より、生きていく上で大切なこと。今でも、みんなと会う度に、気付かせてもらっている様な気がします。
いつも人生大変で、かっこ悪いことが多くても、私も、結構、幸せです。生きるということは、他人と比べる様なことではなく、とんでもなく、個性的なことだと思うからです。
- □
「人は人 吾はわれ也
とにかくに 吾行く道を
吾行なり。」
作成日:2015年8月24日 屋根裏の労務士