「白すぎる姫路城」
こんなに良いカレンダーの並びになるのは、実は、当分ありません。ちなみに、今回の様な5連休の並びになるのは、11年後の2026年までありません。4連休の並びになるのが、5年後の2020年。どうやら、シルバーウィークが大型連休と化すのは5年に一度程度の様です。
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今年のシルバーウィークは5年に一度の大型連休!
当初、関西方面に4泊5日で、旅をする予定にしていました。しかし、仕事が大繁忙状態のため、4泊5日の旅は諦めました。旅程を短くして、2泊3日のプチ旅行に変更。シルバーウィークの後半は、仕事をして過ごしました。それでも、シルバーウィークを楽しく過ごすことが出来ました。
今回、旅の初日に訪れた姫路。実は、だいぶ前から、今年のシルバーウィークに訪れること。私は決めていたのです。理由は、もちろん、平成の大改修を終えた、あの美しい姫路城に逢いに行くためです。
ご存知の通り、姫路城は今年の3月27日に「平成の大修理」を終え、その姿を現しました。工期は5年半。総工費は24億円。腕を振るった職人の数は1万5000人以上。
工事期間中の姫路城の大天守。建屋にすっぽり覆われて、姫路の街からその美しい姿を消していました。小生は、大改修に入る前の2009年を最後に、姫路城を見納めてから6年間。ずっと、新しい姿になった姫路城を楽しみにしていました。
姫路城は、熱狂的なファンやマニアが多い。ゴールデンウィークの時期は、待ちに待ったコアなファンが、全国から姫路城に押し掛けて、相当な混雑が予想されていました。そこで、半年後のシルバーウィークに、姫路城に逢いに行くことにしたのです。
しかし、半年を過ぎた、今回のシルバーウィークでも大混雑。整理券を配布している状態。天守閣に登るのに、2時間近く並びました。
日本で最初に世界遺産に登録された姫路城。「白鷺城」こと姫路城の美しさ。説明するまでもありません。大改修を終えて久しぶりに、その姿をあらわした天守閣。その姿を見上げ、姫路市民やコアなファンが、ビックリして騒然としていたそうです。
誰もが、新しくなった姫路城の姿を見てビックリして、下記のことを呟いたそうです。
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「白くない?」
なかには、「白鷺城」ではなく、『白すぎ城』と言う声も。しかし、姫路市教育委員会文化財課の担当者の説明では下記の様です。
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「これが本来の白さです。」
「漆喰にカビが生えると黒ずんでくるのです。」
白くなっているのは、屋根の瓦の間に漆喰を塗っているからだそうです。これまでの白鷺城は、白い漆喰にカビが生えて黒く見えていたとのだいう。白い漆喰は1年ほどでカビが生え黒くなるそうです。しかし、今回は防カビ剤を塗ってあり、3年から5年はカビが生えないようにしてあるそうです。
本来の姿に生まれ変わった白い姫路城。この姿を有している期間は短いので、姫路市は、この『白すぎ城』で、観光集客のアピールをしていました。今回、姿を現した白い姫路城が、もともとの白鷺城と、いわれたゆえんの白さかと思うと、眺めていて、一層、感動が湧いてきました。
私が、初めて姫路城をお目にしたのは高校2年の修学旅行の時。京都・奈良の修学旅行定番コースの中に、なぜか珍しく姫路城の観光があったのです。
当時、ほんとどの教師が姫路城を見たことは無かった様です。修学旅行に行く前に、色々と京都・奈良の話は聞いていました。しかし、姫路城について、何も聞いていませんでした。当時は、まだ、世界遺産にも登録されていません。
何も知らないままに、初めて、姫路城をお目にしたとき。私は、心を奪われて、思わず、うっとりしてしまいました。
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姫路城の美しさに、一目惚れしてしまったのです。
姫路城は、品格のある雰囲気の中に、何か温かさや優しさがある城です。
これまで、姫路城には、何度か足を運んでいます。姫路城を見ていると、すべてのことを忘れて、時間が経つのも忘れて、その美しさにうっとりしてしまいます。姫路城には、そんな魅力があります。
今回、2時間も並んで天守閣に登りました。折角、姫路城に来たのですから、当然、城の中に入りたくなるものです。何より城の中を知りたいという好奇心が湧いてきますし、新しくなった姫路城に来たという記念としても、天守閣には登ってみたいものです。
しかし、姫路城は中に入っても、外から眺めているときほど、大きな感動はありません。中に入ったときは、その美しい全体像を見ることが出来ないからです。
姫路城は、外から全体の姿を眺めたときに、その類まれな美しさに感動する城なのです。少し、遠巻きに、距離を取りながら、眺めるのが最高なのです。
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距離が近づきすると綺麗に見えなかったり、距離を詰め過ぎると上手くいかないこと。
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距離を置いて少し離れているから、わかったり、見えてくること。
世の中には、結構、あるものだと思います。
今回、美しい姫路城を遠くから眺めながら、そんなことを考えたりもしていました。
現在の白すぎる姫路城。漆喰が黒くなった姫路城になっても、また、別の美しさを見せてくれるはずです。姫路城には、また、逢いにいきたいです。
作成日:2015年10月5日 屋根裏の労務士