コラム Column

「自信をつけるためには!」

先月から、説明会の仕事が連続しています。毎年、11月から12月までの今の時期。コンサルティング業務の繁忙時期の一つです。

来年の4月から新しい人事制度を発足させるクライアント。今の打合せが、制度策定の佳境に入る時期です。これまで議論を重ねてきた内容が、具体的に形となり制度化される重要な打合せが続きます。

また、来年の1月から新しい人事制度を発足するクライアント。今の時期が、説明会の開催時期となります。説明会は、これまでの打合せの集大成であり、最も緊張が高まる瞬間です。

今年は、コンサルティングの繁忙時期に、マイナンバーへの対応業務が加わり、小生は、ただ今、パンク状態です。毎日毎日、試験前のような緊張が伴う、濃い時間を過ごしています。

時間というのは、絶対的なものではなく、相対的なものであること。高速で動くものは、時間が遅くなるという相対性理論。繁忙期になると、何か直観的にわかる様な気がします。楽しい時間は、あっという間に、すぐに過ぎてしまうのに、辛い時間は、なかなか終わりません。

弊社は、就業規則の策定とその運用を中心に、各種人事制度の策定を得意としている社労士事務所です。日々、各種プロジェクトが立ち、そのコンサルティングを対応させて頂いています。

制度を策定するプロジェクト。どのステージでも、それぞれ目的があり、重要な打合せになります。要注意を要しないステージはありませんが、その中でも、説明会は極めて重要な対応の一つです。

そのような大切な説明会。実は、小生は説明会について、プロジェクトが始まる最初の段階では、基本的には請けない方針をとっています。お見積り書の中でも、説明会は別途にしています。小生が、最初から説明会を請けないのは次の理由です。

  • 毎回のコンサルティングを実りあるものにしたいから。

私は、プロジェクトの最終ゴール設定について、制度を策定して納品すること。目標にはおいていません。小生が対応させて頂いたコンサルティングに関しては制度を策定して、実際に導入して、軌道にのせて運用していくこと。当然のことと考えています。毎回のコンサルティングを通じて、プロジェクトに参加して頂いた方。次の状態まで、能力を引き上げていくことを目標にしています。

  • 「自信を持って、対応できる!」

説明会だけではなく、その後の日常的な労務の対応まで。社員に対して、自信を持って、対応できるレベルまで到達して頂きたいのです。

「自信を持て!」、「自信をつけろ!」など、簡単に言う人もいますが、簡単に、自信は持てるものでは無いのです。それどころか、現実は、自信を無くすことで、溢れているものです。何も、精神的な負荷がかからない状態で自信をつけることなど、有り得ないと思います。

また、机上で座学の勉強をしていても、上っ面の自信なら持てるかもしれませんが、鉄火場の現実と対峙しなければ、本当の自信は持つことは出来ないでしょう。ガチの鉄火場。何度も何度も、潜り抜けることにより、自信というのは、形成されるものだと思います。

労務のプロジェクトの制度策定の打合せ。実は、自信をつける絶好のチャンスなのです。自分の言葉で、自分の声で。社員に対して、直接、語りかけ、説明することを前提におくのです。そんな意識で、毎回、打合せをすることにより、全く違ってくるのです。

  • 制度策定の緊張感や必死さ。

毎回、毎回の打合せ自体が、ぬるま湯ではなくなり、鉄火場となり、成長が伴う、実りあるものになるのです。そんな鉄火場で、緊張感を持って、現実と対峙して必死になって考えることにより、意識レベルが変わり、自信がつくところまで能力を高めることが出来るのです。

私は、コンサルタントの使命の一つには、クライアントの課題や問題を解決したり、制度を策定することだけではなく、クライアントに、自信をつけさせることもあると考えています。

当社のクライアントの役員や人事総務の担当者。ほとんどの方が、労務に関して、自信をつけています。プロジェクトが始まる前と終わった後で、何か、雰囲気やオーラが変わっているからです。明らかに、何かを掴んで、自信をつけているのです。

クライアントの多くの方が、次の様なことを度々、話しているのをお聞きしています。

  • 「お陰様で、弊社は同業の中では、
    労務に関して、先んじた対応が出来ています。」

毎回のプロジェクトにおける打合せを通じて、労務に関して、知識を身に付け、その理解が出来ただけではなく、明らかに、何か、自信をつけているのです。

小生とのパイプ役となる窓口の担当者。地に足をつけて、自信をつけている状態でいるのと、地に足がつかないで、不安な状態でいるのとでは、日常的な労務の運用が全く異なります。

自信をつけている方は、泥臭い労務の問題に、現実論できちんと向かい合い、対処することができるのです。そんな自信をつけた役員や担当者がいること自体が、問題社員に隙を与えずに、会社内の労務を安定させることに繋がるのです。

小生は、説明会に関して、プロジェクトが始まる最初の段階では、基本的には請けない方針をとっています。しかし、実は小生の方も、毎回、毎回、自分が説明会で話すことを前提で、あれこれ必死に考えて、知恵を出しながら、資料を作成して、打合せに臨んでおります。

自分の方も、説明会で直接話すことが前提であるから、自ずと、クライアントが抱える問題や課題を共有して、理解する気持ちが芽生えてくるのです。

クライアントも様々なケースがあります。会社内だけで対応することが良いケースもあれば、外部の者が対応する方が良いケースもあります。いずれのケースであっても、クライアントとコンサルタントとの二人三脚で、お互いが説明会をする気持ちで、毎回の打合せに、臨むものだと考えております。

そんなガチの鉄火場での打合せを通じて、クライアントの労務の運用に対して、クライアントと小生の両方が、自信を持つことが出来るものだと思います。クライアントに自信をつけた役員や担当者がいること。弊社にとって、何より、かけがえのない財産です。

作成日:2015年11月9日 屋根裏の労務士

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