コラム Column

「中欧の休日」・・・後篇

私は、2年間、ほぼ毎日欠かさず行っていることがあります。夜に、クラシック音楽を聴くことです。聴いている音楽は、「名曲アルバム」のブルーレイです。「名曲アルバム」のブルーレイは、国別に全10巻からなり、100曲のクラシック音楽が収録されています。

申込みをすると、10か月間に渡り、毎月1枚、月の初めに、ブルーレイが送付されてきます。毎月、送付されてくる美しい音楽と映像を、ワクワクしながら、楽しみにしていました。

「名曲アルバム」は、誰もが耳にしたことのある世界の名曲を、作品ゆかりの地の美しい映像と共にお送りする番組。ブルーレイは、その代表的な100曲を、国別に編集したものです。字幕スーパーで、作品ゆかりの地と作曲家の解説がされています。簡単な解説書もついており、クラシック音楽の簡単な体系も頭に入れることができます。

「名曲アルバム」は、美しい音楽を聴きながら、ヨーロッパの国々を疑似旅行したような気分になれます。その中でも、音楽のことで言えば、ウィーンは特別な街です。モーツアルトやベートヴェンを筆頭に、数々の大作曲が活躍をした音楽の都。

「名曲アルバム」を繰り返し聴く度に、音楽の都・ウィーンに行きたい衝動に駆られてきて、ついに、年末年始に、ウィーンを中心に、プラハ、ブダペストの街を訪れてきました。

ウィーンは、その場にいるだけで、何かパワーがもらえるような街です。音楽をこよなく愛し、大作曲家を育てた、ハプスブルグ家の美意識。街にいるだけで、ヒシヒシと伝わってくるのです。「美しく、楽しい音楽」が、街全体、人々の皮膚レベルまで、沁み込んでいるように感じていました。

ウィーンは、リンクと呼ばれる4キロ程の環状道路があり、トラムと呼ばれる路面電車に乗れば、その道路を25分ぐらいで、1周することが出来ます。街の中心には、ウィーンのシンボルであり、散策するうえでの目印にもなるシュテファン寺院があります。

人口は、166万人程度。コンパクトに、見所がまとまっている街です。余り迷うことなく、散策を楽しむことが出来ます。

海外に行ってきた話をすると、周囲から度々下記のことを聞かれます。

  • 「海外で何をしてきたのですか?」

私は、旅をするときに、特段、何か変わったことをしてくることは、ありません。今回も、特段、何かしてきたわけではありません。定番の観光地を訪れて、食事をして、異国情緒を楽しんでくるだけです。

異国情緒とは、街並みとその街を彩る人々の雰囲気です。その雰囲気を楽しんできています。私は、知らない街を訪れる一番の楽しみは下記です。

  • その街の雰囲気を知ること

街の雰囲気とは、「人々が醸し出す感情」が、つくり出す雰囲気だとも思っています。「人々が醸し出す感情」が、一番、顕著に表れるもの。それが、「人の顔」です。正確には、「顔の表情」だと捉えています。

「顔の表情」とは、すなわち、「感情である人の心」を映しだす鏡に違いありません。つまり、「顔の表情」と「感情である心」とは、概ね、一体のものだと捉えています。

ウィーンの街の人々の「表情」。とても、良い「表情」をしていました。人々が、何とも言えない楽しそうな「表情」であり、街全体の雰囲気が、その場でいるだけでワクワクするような楽しそうな雰囲気なのです。

  • 何より、一人一人の「笑顔」が、何とも魅力的なのです。

一方、今回の旅で驚いたことがあります。それは、「ドナウの真珠」と呼ばれる、ハンガリーの首都・ブダペストの街の雰囲気です。街の人々に、あまり「表情」がないのです。何か、次のようにも感じていました。

  • 『自分の感情を掻き消している』

そんな感情を掻き消すこと。意識的にではなく、無意識に自然の状態でなっている様にも見えました。

旧共産圏の中で、ハンガリーは、「旧東欧の優等生」と呼ばれており、他の旧東欧諸国の中では、経済は比較的に順調でした。2004年の欧州連合加盟は、当時のハンガリー経済にとって追い風にもなりました。

しかし、その後、インフレで物価があがり、失業率が増加。現在は、日本以上に格差が広がり、一部の人に富が集中して、ほとんどの国民は、共産時代よりも、生活していくことが大変になっているそうです。

ハンガリーは、巨額の財政赤字も重要な課題。現政権が目標とするユーロ導入への見通し。全く立っていません。

そんな経済的な背景もあるのだと思いますが、旧共産体制の下で、自分の感情を掻き消していた時間。その時間の長さと重しのような時間の力。民主化されたとしも、すぐに変わるものではなく、まだまだ、時間がかかることだとも感じていました。

  • 楽しそうな雰囲気のある人

そんな人は、ただ存在するだけでも、社会にとっては大変ありがたい存在だと思います。楽しそうなオーラを持っている人というのは、ただ存在するだけで、社会にとって、大切な財産だとも今回の旅を通じて感じていました。

楽しそうな雰囲気でいること。
企業組織の中でも必要なことだと思います。

作成日:2016年1月25日 屋根裏の労務士

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