「感謝の気持ち」
40歳を過ぎてから、自分が変わったこと。いくつかあります。当たり前ですが、若い時の様に、体に無理が効かなくなりました。何日も連続して徹夜をすることも出来なくなりました。まだまだ、老いたとは認めたくありませんが、20代の時の様に、漲るような体力。もう、ありません。白髪もだいぶ目立ってくるようになりました。
40歳を過ぎて肉体の衰えは出てきましたが、人との繋がりや人の存在のありがたさ。理解することが、少しだけ出来ています。
今、自分が生きているということ。
これまで、生きてきたということ。
そして、若い時は、当たり前だと思っていた、
日常の一つ一つのこと。
「感謝」が出来るようにも、少しだけなったような気がしています。そんな「感謝」の気持ちを伝えたくて、40歳を過ぎてから、何とか時間を捻出して、厳冬の2月の時期に、かつて、心を通わせた懐かしい人と再会をしています。
今年は、サラリーマン時代に、最後の上司だった部長とお逢いしてきました。今回、4年ぶりの再会です。その前は、10年ぶりの再会でした。その間、部長と私とは年賀状のやりとりを含めてお互いに連絡は何もしていません。今回、特段、何のきっかけもなく、いきなり、部長に連絡。再び、お逢いすることが出来ました。
私は、クライアントの方から、度々、下記のことを聞かれることがあります。
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「佐々木先生は、社会保険労務士なのに、手続きは余りしておらず、
労務のコンサルティングや相談をしていますが、
どこで、そんな難しいコンサルティングのやり方を教わったのでしょうか?」
私は、コンサルティングのやり方。特段、誰からも、教わっていません。しかし、「コンサルティング・マインド」や「コンサルティングの常識観」については、今回、お逢いした部長と一緒にいることで、皮膚感覚で身に付けることが出来ていたのだと思います。
部長の前職は、建設コンサルタント。新しい技術を追求して社会資本のインフラを国内はもとより、海外でもつくり、その運用をしていくのが使命です。
社会資本の導入効果を踏まえて、経済効果や経済厚生の余剰分析と提案をあらゆる角度から徹底的に行うのです。そんな部長が、空気を吸うかの様に当たり前にやっていること。
私も、そんな部長の当たり前の空気間の中で、「やっておけ!」という様な包括的な指示の下。何か、部長の影響を受けて、当たり前に、身に付けていたのだと思います。コンサルティングとは、基本的には感性ですので、何か技術的なマニュアルで、教え込むことは不可能でしょう。
幹部を育成するための高度な人材教育。何か技術的なテクニックを教え込むことではなく、結局は、「マインド」や「常識観」を伝承させることなのでしょう。そして、実は、そのことが一番難しいことなのです。
私は、コンサルティングのやり方は、何一つとして教わっていませんが、「コンサルティング・マインド」や「コンサルティングの常識観」は、皮膚感覚になるまで血肉化され、伝承されていたのです。もっとも、会社にいた当時は、全く気が付いていません。
私に「コンサルティング・マインド」と「コンサルティングの常識観」を伝承してくれた部長。2月に誕生日を迎えて64歳になりました。今後、何歳まで、仕事を続けていくのかについて、本人もまだ、決めていません。それでも、65歳を迎えると健康年齢のこともあり、完全にリタイアをする人が多いものです。
部長は、技術者ということもあり、仕事が趣味の様な方です。まだまだ、リタイアはしない様な雰囲気でした。部長とは、知り合ってから、かれこれ20年近くになります。40代後半の頃から、技術部門の統括部長として知っています。
今回の64歳になられた部長。(もう、部長ではありませんが)今までで、一番、楽しそうなオーラをしていました。40代や50代の頃よりも、何か輝いて見えました。
お店に入ってきた時から、足取りも軽やか。ワクワク感がいっぱいで、お酒も入っていないのに、何だかルンルン気分で、とても楽しそうなのです。二人で、19時から飲み始めて、あっという間のラストオーダー。4時間以上、あれこれ語らい、昔を懐かしみながら飲んでいましたが、その間、終始ニコニコと笑顔で嬉しそうでした。
寒く厳しい冬の2月。何か「感謝」の気持ちを伝えたくて、部長にお逢いしました。しかし、本人を目の前にして、何か感謝の言葉。特段、何も、述べていません。ましてや、感謝のプレゼントなども当然にしていません。その場の代金も、私の方からの提案で最初からワリカンという約束でしたが、結局、部長の方に多目に出して頂きました。
サラリーマン時代の部下だった時の様に、上司に対して、気の利いたお世辞の一つも、相変わらず、言えませんでした。当時、上司に対して、自分の「感謝」の気持ち。上手く、言葉では伝えることは出来ずに、仕事の成果でしか、気持ちを伝えることが出来ませんでした。そのあたりは、どうやら、まだ、成長が出来ていない様です。
私が、「感謝」の気持ちを伝えるということ。
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私も、毎日大変で、イロイロあるけど、
元気に、「今」を生きている姿を見せること。
そして、心を通わせて、心に温もりを与えて。
何か、楽しくなって、嬉しくなって。
今日を生き切り、明日を生きる元気を与えること。
40歳を過ぎてから、周囲に、「感謝」の気持ちを。伝えたくて、伝えようとしているのですが、お逢いすると、いつも、私の方が、周囲から「感謝」の気持ち。何か、いつも、頂いてしまうのです。
作成日:2016年2月22日 屋根裏の労務士