「見るところではなく、感じるところ」
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内宮・・・太陽を神格された天照大御神を祀る皇大神宮
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外宮・・・衣食住の守り神、豊受大御神を祀る豊受大神宮
この二つの正宮のほか、125の別宮、摂社、末社、所管社を含めた全てが伊勢神宮となります。伊勢神宮は、古来より、原則として20年ごとに、全ての社殿を造り替えて神座を遷します。
2013年に式年遷宮が行われ話題になり、今年は伊勢志摩サミットが行われ、大変注目を集めました。伊勢神宮には、年間1000万人もの参拝者がいるそうです。2000年以上の時を刻む伊勢神宮。伊勢神宮は、日本人の伝統や文化、何より神道を理解するのに、重要な聖地の一つです。
一方、伊勢神宮は、『がっかりリスポット』という意見も少なくありません。『がっかりリスポット』という意見の人は、次のことを理由に挙げます。
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木造の社殿以外は、『見るもの』がないこと。
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20年ごとに古いものを壊して、再建するために、
歴史的価値や情緒を感じないということ。 - □
そもそも神社の建物の中に、入れないこと。
新しい建物と賽銭箱以外は、基本的に『見るもの』はありません。それなのに、伊勢神宮はご年輩の方が、多数、参拝していて大変混んでいるのです。
太古の昔からある日本の神を祀る神社。日本各地に、10万社を超える数の神社があるとも言われています。どの神社も、基本的には「鳥居」しかありません。大陸から入ってきた仏教とは違い、神社には、大仏像も観音像もありません。
神道の祭祀対象は神道の神であり、「八百万の神」と言われるように非常に多彩です。まさに、「日本は神々の国」です。
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メイド・イン・ジャパンが、多くの分野で、
単に働くということを超えた、神がかり的な技術力を有してきたこと。
神道を理解すると、何かその理由を直観的に理解できるのです。恐らく、皆様の業界にも、いると思います。神がかり的な技術力を有する神が。
神聖とされた山岳や河川・湖沼などから、日本古来の神に属さない民俗神、実在の人物、伝説上の人物や、陰陽道・道教の神、神仏分離を免れた一部の仏教の仏神などの外来の神も含まれます。神聖な山、滝、岩、森、巨木などにも、神が宿るとして敬い、社殿がなくとも「神社」として、祭祀の対象としました。
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神道では、神は目に見えないものであり、
神の形は作られなかったのです。
伊勢神宮を参拝すると、その神道が意味するところ。しかと理解ができるのです。だから、当然、伊勢神宮に『見るもの』はありません。伊勢神宮は、何か見る場所ではなく神道を「感じるところ」だと思うのです。
伊勢神宮は、大変混雑していましたが、海外からの観光客は少なく、修学旅行生も見かけませんでした。正直、日本の神道について、まだ、よく分からない人や子供が観光を兼ねて楽しむスポットというのには、伊勢神宮は少し難し過ぎるかもしれません。
小生は、神を感じるようなレベルには至っていませんが、「何もないこと」を確認できたので、大変、満足しております。もちろん、お祈りもしてきました。
伊勢神宮の外宮と内宮を参拝した後に、宿泊する鳥羽に向かう途中、下記の観光スポットにも足を運びました。
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夫婦岩・二見興玉神社
夫婦岩は天照大神と興玉神石を拝むための鳥居の役目を果たしています。ニ見ケ浦にそびえる男岩(高さ9メートル)、女岩(高さ4メートル)とよばれる大小の2つの岩。男岩は立石、女岩は根尻岩と呼ばれていたが、いつの頃からか、夫婦岩と呼ばれるようになったそうです。
伊勢神宮を参拝してきた後ということもあり、夫婦岩を見ていたとき、日本の国歌である「君が代」を思いだしていました。「君が代」に歌に出てくる次のフレーズ。
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「さざれ石の いわおとなりて」
「さざれ石」とは小さな石という意味です。その小さな石が、時を重ねて大きな岩となるのです。夫婦岩を見ていたときに、その歌詞が意図すること。何か、直観的に理解が出来たような気がしました。
哲学者の梅原猛先生は、「君が代」の歌詞の中に、日本人が古来より自然と共存して歩んできた下記の考えが内在されていると説明しています。
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「草木国土悉皆成仏」
草や木などあらゆるものに、仏が宿り、人間と同じように魂があるという思想です。ちなみに、「草木国土悉皆成仏」は、仏教の思想になります。
宮沢賢治の世界観も、「草木国土悉皆成仏」にあると言われます。自然は客体ではなく、主体であり、人間と同じように魂があるとする宮沢ワールドです。
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「さざれ石の いわおとなりて」
小さな石が、いつの日にか、大きな岩となるのです。「君が代」の歌詞の中にも、神道の考え方に通じるものがあると思います。
古来より、全国各地の人々が一生に一度は参拝することを願ったという伊勢神宮。風光明媚な伊勢の自然に触れながら、日本文化と神道について、何か理解を深められた気がしています。
作成日:2016年9月26日 屋根裏の労務士