コラム Column

「懐かしい味」

シルバーウィークに、伊勢、鳥羽、名古屋の中部地方に2泊3日のプチ旅行をしてきました。今回の旅行は、食事を楽しみにしたグルメ旅行でもあります。伊勢・志摩は、食材が豊富で絶品グルメが目白押しなのです。伊勢えび、アワビ、松坂牛を筆頭に、海の幸、山の幸のオンパレード。

毎回毎回の食事がとても楽しみなのです。そんなグルメ旅行をするにあたり、今回、小生が、最も楽しみにしていた食事。伊勢えびでも、アワビでも、松坂牛でもありません。実は、名古屋の格安ラーメンなのです。そのラーメン店の名前は、下記です。

  • スガキヤ

スガキヤは、名古屋市内に75店舗、愛知県内に195店舗もあります。スガキヤのラーメンは、愛知県民のソウルフードとして、旅行雑誌でも取り上げられています。

これまで、名古屋には仕事で何度も出張しています。しかし、名古屋の出張で、宿泊したことはありません。確か11年前にプライベートで、名古屋万博に行ったときも日帰りでした。東京から名古屋までは、距離にしたら342キロあり、遠方の距離ではありますが、新幹線なら1時間30分程度です。そのため、名古屋では宿泊にはならないのです。

これまで、名古屋に行ったとき、一緒に行った人に、下記を提案しました。

  • 「スガキヤでラーメンを食べよう!」

どの人も、大方、下記のような返答をしてきます。

  • 『そこ、美味しいの?』

スガキヤが、「美味しい味」かどうかというより、私にとって、スガキヤは「懐かしい味」なのです。スガキヤは、現在、中部地方を中心に営業が展開されています。実は、私が高校生くらいまで、関東にも出店されていたのです。会社の営業方針の変更により、関東エリアでは撤退。

当時、スガキヤは、スーパーなどの飲食コーナーに出店されていました。現在でも、スーパーや大学、図書館などの飲食コーナーに多数出店されているようです。スガキヤは、特徴的なうす味豚骨のスープ。更に、頭にフォークのついた特徴的なレンゲ。何と言っても、値段がお手頃価格なのです。

  • ラーメン一杯、320円(消費税込み)

私が小学生の頃は、確かラーメン一杯180円前後。通常のラーメンの2分の1から3分の1程度の価格。

私が子供の頃、マックの前にスガキヤがありました。まだ、当時、マックの値段は高く、小学生にとって、マックは高価な贅沢フード。友達同士で映画に行ったり、商店街に遊びにいく際のランチ。一杯180円のスガキヤ・ラーメンが定番中の定番だったのです。

小学4年生から中学3年まで6年間。子供の頃、友達同士みんなでワクワクしながら、嬉しく楽しく、何度も何度も食べに食べた、「懐かしいラーメン」。それがスガキヤなのです。当時、スガキヤでは、次の食べ方をしていました。

  • 最初は、コショウを入れずに食べる。

  • 半分くらい食べたら、コショウを大量に入れて、
    スープまで飲み尽くして完食。

うす味豚骨のスープに、コショウが抜群にあうのです。友達数人で、テーブル席に座り、メチャメチャに、コショウを入れて、スープまですべて完食するのです。

喉が腫れるようにヒリヒリして、唇もヒリヒリ状態に。ヒリヒリ状態を解消するために、食後はお決まりのソフトクリーム。何とも柔らかいソフトクリームで注意して食べないと、落としやすいのです。180円のラーメンに、70円のソフトクリーム。お決まりのデラックス・コース。

今でも、旧友で集まるとスガキヤの話題になり、当時のスガキヤ・ネタで盛り上がります。そんな幼少期の思い出が詰まったスガキヤ・ラーメン。そんな話をしながら、一緒に名古屋に行った人に、食事にスガキヤのラーメンを提案。しかし、大抵は、次のような返答なのです。

  • 『私、スガキヤ、懐かしくない。』
    『何で、わざわざ名古屋まで来て、格安のラーメンを食べなくてはいけないの。』
    『何か、名古屋のグルメを食べたい。』

何事も、相手がいることですから、ラーメンを食べるだけでも、自分の思い通りにはならないものです。今回、スガキヤ・ラーメンを30年ぶりぐらいに、食べることが出来ました。店を見つけたときには、人知れず、感激。心の中で、下記を叫びました。

  • 「あったー、あった、あった、あった」
    「懐かしいー」

懐かしいスガキヤの「スーちゃん」のロゴマーク。店頭にあるソフトクリームの照明看板。店の中に入ったときに、スガキヤ・ラーメンの懐かしい香り。スガキヤ・ラーメンの味は、とんこつラーメンでも、塩ラーメンでも、醤油ラーメンでもありません。スガキヤ・ラーメンは、唯一無二のスガキヤの味なのです。

隣の席で、40代の半ばぐらいの男の人が、ラーメンの写真を撮っていました。私は、心の中で、下記を確信しました。

  • 「あの人、間違いなく、関東民だろうな!」

話し掛けてみたら、やっぱり、関東民の方でした。昔を懐かしみ、意気投合。その隣の人も関東民の夫婦で、スガキヤ・ネタで、大盛り上がりになりました。

スガキヤ・ラーメンを完食。もちろん、みんなコショウも多少多めに入れて。食後には、お決まりのソフトクリーム。ちなみに、ミニ・ソフトクリーム100円(消費税込み)。スガキヤ・ネタで盛り上がり、店を出たときに、40代の半ばぐらいの人たちが、嬉しそうな笑顔で、一斉に叫びました。

  • 「スガキヤ、最高!」
    「また、いつか、どこかのスガキヤで!」

作成日:2016年10月3日 屋根裏の労務士

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