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「自分のライバルというのは、自分自身ということ」

最近、髪型を少しだけ変えました。髪型を変えたというより、美容院を変えたのです。女性の方は、美容院を変えたりして、髪型の雰囲気を変えることが多いようです。

一方、中年の男性は、概して、髪型を余り変えません。かかりつけの床屋や美容院が出来れば、中年の男性は、床屋や美容院を変えない傾向があるそうです。

私の髪質は、髪のボリュームが多いうえにかなりの剛毛。更に、かなりのくせ毛でもあります。若い頃から、髪質には散々悩まされました。ショートカットにしたり、ロングにしたり、パーマをかけたり。スタイリストに提案を頂きながら思考錯誤を重ねた結果、現在の髪型に落ち着いたのです。

周囲は気が付かないかもしれませんが、私は、くせ毛を解消させるために、パーマをかけているのです。美容院やスタイリストが変わると、こちらの要望が上手く伝わらず、周囲から大笑いされるような大失敗をすること。これまで度々ありました。

スタイリストには、私の要望について、注意して、出来る限り、わかりやすく伝えるようにしています。そのため、一度、私の要望を上手く伝えること出来たり、イメージ通りに仕上げてくれたスタイリストは、指名料が発生しても、毎回、ご指名をさせて頂いています。

指名をしてあげると、スタイリストが嬉しそうだし、何より、モチベーションをもって、色々な提案をしてくれて気持ちが良いサービスを受けることができるからです。

美容院の業界というのは、誠に不思議なのですが、何度も指名をして、お互いに大切な時間を共有して、常連になってくると、ほとんどの美容院はサービスが低下してくるのです。今回、美容院を変えた理由は下記です。

  • 10月の3連休のときに予約を入れようと電話をしたら、
    3連休ともすべて予約で埋まっていると言われたから。

電話では3連休はすべての時間帯で、すべてのスタイリストの予約が埋まっているので、対応が出来ないと言われたのに、その15分後に店舗の前を通ったら、一見客を呼び込むために、ちらしを配っていたのです。私と鉢合わせになり、ばつが悪そうにして、逃げるように店の中に戻っていました。

店側の視点にたてば、その理由を察することが出来ます。土日祝日は、新規来店客を呼び込むことができるゴールデンタイム。出来れば、浮気をしない常連には、平日に来て頂きたいのでしょう。

ここの美容院、『お客様紹介制度たるサービス』があります。お客様を紹介すると割引チケットをくれると店内に張り紙があり、ちらしも置いてありました。お客様がお客様を連れてきてくれる「贔屓客」にはキャッシュバックをしているのです。私は個人的には、キャッシュバック制度で、簡単に、紹介なんてあり得ないと考えています。

美容院業界というのは、供給過剰で激戦のため、いつも新規顧客を追いかけるために、一見客に血眼になっているのです。私は、美容院の経営をしている友達がいたり、美容院のクライアントもいるので、美容院の業界に関して少しだけ精通しています。

美容院の業界にも、美容院経営に関するコンサルティングがあります。美容院の業界にも、コンサルタントがいるのです。コンサルタントは、美容院経営の全般について、アドバイスをしているそうです。特に、熱心にコンサルティングしていくのは、下記だそうです。

  • いかにして、「再リピート率」を高めて、
    固定客を増やしていくか?

以前、美容院経営のコンサルタントから直接聞いたのですが、皆様は、下記がどれくらいだと思いますか?

  • 美容院の「再リピート率」

コンサルタントの方は、美容院の2回目の再来訪は50%前後だと言っていました。3回目になると更にその50%だそうです。つまり、10人新規来店があれば、2回目に来店してくれるのは5人。3回目は、2.5人。

上記が業界平均だとコンサルタントは言っていました。しかし、東京などの激戦区の実態は、その数字の半分程度もあれば優秀な美容院だそうです。つまり、実態は次のような「再リピート率」だそうです。

2回目の再来店率は、25%程度。3回目に再来店率は、更にその数字の25%程度。10人の来店に対して、2回目の来店客は、2.5人。3回目については、0.625人。指名が多い優秀なスタイリストでも、「再リピート率」が3割3分3厘を超えていたら、すばらしい数字だそうです。

東京のような激戦区では、10人の新規来店に対して3回目の来店では、0.625人となり、1人いないというのが実態だそうです。優秀なスタイリストでやっと1人を超える数字なのです。その大切な一人が、固定客として、会社経営を支えるベースになってくれている方になるそうです。

しかし、多くの美容院は、いつも一見客に振り回されていて、なかなか、常連の固定客に対して、きめ細かい良質のサービスの提供が出来ていないようです。ちなみに、美容院を安定経営の軌道に乗せるためには、通常、5年程度の期間がかかるそうです。都心であれば、賃料が高いため、短期で集客が見込めなければ、半年程度で資金が回らなくなり、廃業することも珍しくないそうです。

美容院業界は、ホットペッパーに掲載したり、あれこれ広告費をかければ、1回目の来店は、比較的に期待ができるそうです。しかし、2回目の再来訪は、『十分条件』として、下記が問われてくるのです。

  • 『技術』

更に、「3回目の再来訪」は、『十分条件』の『技術』だけでは、どうやら、十分ではないようです。「必要条件」と『十分条件』の数学的な解説は割愛しますが、「3回目の再来訪」は、「必要十分条件」としてあらゆることが評価されているのだと思います。

私は、「3回目の再来訪」について、下記のようなイメージを持っています。

  • 「3回目の再来訪」をして頂くためには、2回目のサービスの時に
    「初回を超えるあらゆる技術」を提供する必要があるということ

初回については、ドアノック商品として、お試し価格になっていたりすることが多いものです。しかし、2回目以降は、価格だけでは「再来訪」はしてくれません。お客様が満足する一定限というより、最低限の『技術』が必要になります。『技術』がともなわなければ、『無料』でも願い下げなのです。

『技術』の評価については、同業他社はもちろんですが、これまで受けてきたあらゆるサービスが、無意識のレベルで、顧客の比較対象となっており、顧客満足度の基準となっているはずです。更に、固定客への登竜門となり得る3回目となると、私は比較対象になる顧客満足度の基準は、下記になってくると思っています。

  • 『初回の自分の技術』と
    「2回目の自分の技術」との比較。

つまり、「3回目の再来訪」を決めるライバル。同業他社でも、これまで他で受けてきたあらゆる第三者のサービス機関でもなく、下記との勝負だと捉えているのです。

  • 『前回の自分』との勝負

再来訪の際の「2回目の自分」が、あらゆる面で『初回の自分』を超えていないと、「3回目の再来訪」とはならないのでしょう。『前回の自分』を超えること。つまり、下記のことになるのです。

  • 「自分のライバルというのは、自分自身ということ」

上記の言葉は、度々、耳にすることがありますが、その意味するところをきちんと理解している人。少ないような気がしています。

『前回の自分』を超えていないと「3回目の再来訪」とはなりません。そして、『前回の自分』を、何度も何度も超えていくことにより、継続的に取引をして頂ける固定客が、「贔屓客」になって頂け、下記の理想状態になるのだと思います。

  • お客様がお客様を連れてきてくれる会社

キャッシュバックの紹介制度で、お客様がお客様を連れてきてくれる状態には、早々簡単には、ならないと思います。恐らく、上記の『前回の自分』を超えること、並びに「贔屓客」の考え方は、すべての業界で、あてはまるビジネスの基本的な考え方だと思います。

  • 「自分のライバルというのは、自分自身ということ」

そんなことを考えながら、今年最後のメールマガジンを書いています。

弊社のクライアントの担当者の方は、労務の分野に関してだけではなく、『昨年までの自分』ではありません。それを上回るペースで、来年も、私自身が『今年の自分』を超えてみせます。

  • 「自分のライバルというのは、自分自身ということ」

上記の言葉をクライアントの皆様に伝えて、今年を締め括りたいと思います。

作成日:2016年12月19日 屋根裏の労務士

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