「遅咲きの桜」
桜が散り、葉桜となる4月の第3週ぐらいになってくると、本格的にOJTが始まる企業が増えてきます。マーケットにも、モチベーションが高い、フレッシュな方々を見かける機会が増えてきます。小生も、サラリーマンのルーキー時代に、OJTで先輩に同行させて頂きながら、「ビジネスで大切な何か」を、色々と学ばせて頂きました。
私は、ビジネスの場では、何だかいつも運が良く、いつも周囲から、頂いてきたと感謝しています。
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自分を成長させてくれる良き出逢いを!
社会人になって、最初の良き出逢いは、OJTで指導して頂いて先輩です。当時、先輩は若干28歳ながら、いつも周囲から一目置かれる存在でした。グループ企業内だけでなく、業界でも有名なトップクラスの営業マン。他の人には、到底、マネが出来ない、高度なビジネス・スキルを有していました。
私は、OJTで優秀な先輩から徹底的に英才教育を受けることが出来ました。しかし、そんな良き先輩との出逢いの機会を頂きながらも、1年目の私は、散々な結果に終わりました。
正式に配属された先で、万年課長の直属の上司とそりが合わなかったこともあり、社会人1年目は、ビジネスマンとして、花開くような結果を残すことは出来ませんでした。
右も左も分からなかった社会人1年生。ボロボロになりながら、色々な壁にぶち当たりながら。散々な結果に終わった社会人1年目の自分。散々、煮え湯を飲まされた社会人1年目の自分。
社会人2年目に、散りゆく桜を眺めながら、自分なりに、散々な1年目の結果を受け止めて、上手くいかなかった原因に関して、自分なりに分析もしていました。
私は、OJTを受けていたとき。そして、その後、配属されたとき。次のように考えていたから、上手くいかなかったと自己分析をすることが出来ました。
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『営業トーク』や『交渉トーク』を、周囲から盗み、教わり、
その『トーク』を覚えて、お客様に伝えていれば、
上手く、事が運ぶと思っていたこと。
1年目の時、仕事を覚えていくというのは、『営業トーク』や『交渉トーク』を身につけていくことだと思っていた点が多分にあったのです。実際に、『営業トーク』や『交渉トーク』というのは、存在はするのだとは思います。
しかし、これを言ったら、上手くいくというような『トーク』など、この世に存在しないのです。同様に、これをすれば、上手くいくような『ノウハウ』なども、この世に存在しないのです。
ビジネスというのは、基本的で大切なことを、幾重にも、幾重にも、積み上げていくことにより、成功という一つの到達点に届くことが出来るということ。気が付くことが出来たのです。
真剣勝負の鉄火場に、何か便利な『トーク』がこの世にあるなどと盲信しているから、周囲から騙されたり、上司や先輩たちから煮え湯を飲まさることになるのです。何か便利な『ノウハウ』がこの世にあるなどと盲信しているから、基本的なことを地道に積み上げていく取組みが出来なかったのです。
そもそも、新入社員の駆け出しの頃には、周囲と調整をつけていくための『トーク』を使う、コミュニケーション・スキルもたいしてありません。駆け出しの自分の存在価値やサービス・レベルに対して、社会は、早々、簡単に対価を払ってくれません。
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『営業トーク』や『交渉トーク』の綺麗な言葉で、
自分の考えや気持ちは、お客様をはじめとして周囲の人に、
届かないということ。
1年目の社会人生活の集大成として、気が付き、理解に到ることが出来たのです。今になって当時のことを振り返ると、下記のことが社会人1年目の大きな収穫でした。
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『トーク』では他人の心には届かないし、響かないということが分かったこと
その後のビジネスの成功にベースになりました。経験がない駆け出しの自分が、経験があるベテランと同じ土俵に立つために、やるべきことは、次のことだと気が付いたのです。
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言葉ではなく、体を張って、伝えること
つまり、「命懸けで」、挑み、取組むことなのです。「命懸け」の意識レベルは、人によって様々だと思います。しかし、多くの人が、日々、自分の命である時間を懸けて、必死になって、糧を得て、生きているのも事実だと思うのです。
ベテランになって、経験を積み、様々なスキルを身につけてくると、忘れてしまう時があります。
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「体を張って」、「命懸けで」、挑み、取組むことを!
今の時期にフレッシュな新入社員を見かける度に、1年目の集大成としての気付きを思い出して自分自身に戒めています。
4月の第3週の時期に、満開になっている桜を見つけました。葉桜になった桜の木々の中に、「遅咲きの桜」が満開になっていました。
長い人生、イロイロなことがあります。早咲きの桜になることもあれば、「遅咲きの桜」になることもあります。遅くなっても、満開の花が咲くことは、確かにあるのです。
作成日:2017年4月17日 屋根裏の労務士