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「岡山から四国を巡る旅」・・・前編(絵画編)

今年のゴールデンウィークは、前半は溜まっていた仕事をして過ごし、後半は、岡山から四国に入り、4泊5日の旅をしてきました。今回、初めて四国を訪れることが出来ました。今回の旅の目的は、下記の二つです。
  • 岡山と四国にある美術館と庭園を巡ること

  • 本州と四国を結ぶ巨大橋梁を体感して、
    橋梁設計と維持管理について理解を深めること

最初に岡山に入りました。これまで、岡山は広島に行く際に、新幹線で通過したことはありましたが、実際に下車したことはありませんでした。岡山市は人口71万人規模の都市です。隣接する倉敷市の人口が42万人弱。二つの都市を併せて、113万人の都市となります。

岡山市と倉敷市とは交流が多いそうです。人的交流に加え行政面でも密接な関係を持ち、都市づくりがなされてきたそうです。岡山市と倉敷市とは、交流が多く、緊密に繋がっているため、これまで、度々、県主導で100万人都市にさせる合併構想があった様です。しかし、この地区の歴史的な違いや対抗心なども市民感情の中に根強くあり、100万人都市の誕生に向けた合併構想は、平行線となり、破談になってきたそうです。

岡山市と倉敷市は、それぞれに独特な特徴がある都市です。

  • 岡山市は外様大名の城下町。

  • 倉敷市は代官所が置かれた天領(江戸幕府の直轄領)。

岡山市は、街全体が碁盤の目の様に綺麗に区画されています。岡山市の観光資源は、下記の二つです。

  • 烏城と呼ばれる黒漆の岡山城

  • 回遊式庭園の岡山後楽園

散策していると城下町の雰囲気を直感的に感じ取れる街並みです。

一方、倉敷市は、白壁の町家や蔵が現存している何ともレトロな情緒が溢れる街並みです。このレトロな地域は、倉敷美観地区と呼ばれており、国の重要伝統的建造物群保存地区として選定されています。倉敷美観地区には、建物自体が美しい、何とも情緒ある洋風建築の美術館があります。その美術館は下記です。

  • 大原美術館

大原美館は、倉敷美観地区の一角をなしている美しい美術館です。年間30万人もの人が訪れ、約3000点もの絵画を収蔵しており、そのほとんどが展示されています。全部で4館からなり、じっくり鑑賞するのであれば3時間程度の時間がかかります。この美術館のお目当ては下記の絵画です。

  • エル・グレコの「受胎告知」

エル・グレコの「受胎告知」は、大原美術館のシンボルにもなっています。洋画家・児島虎次郎が、パリの画廊で法外な値段で売りに出ているものを偶然見つけて、パトロンであった倉敷の実業家・大原孫三郎に強く頼み込んでこの絵を購入したと言われています。

現在では、この名画が日本にあること自体が奇蹟だと言われています。大原美術館では、「ホンモノの名画」との感動的な出会いがあります。

今回の岡山から四国を巡る旅。「ホンモノの名画」と出会える大原美術館に加えて、絵画ファンの小生が、かねてから、一度、訪れてみたい美術館がありました。その美術館は徳島県の鳴門市にある下記の美術館です。

  • 大塚国際美術館

大塚国際美術館の年間来場者数は約38万人。入場料は、大人 3,240円で、日本一入場料の高い美樹館。世界25ヶ国・190余の美術館が所蔵する西洋名画は約1,000点。オリジナルと同じ大きさに複製し展示する陶板名画美術館。つまり、大塚国際美術館は、「ニセモノの名画」を1,000点も複製して展示している世界唯一の美術館なのです。

大塚グループの大塚オーミ陶業株式会社が開発した特殊技術によって、世界中の名画を陶器の板に原寸で焼き付けたものです。誰もが、一度は、美術の教科書などで見たことがある作品の数々。それらを原寸で複製して展示しているのです。

館内では写真撮影が可能であったり、直接手を触れることも許可されています。陶板複製画は風水害や火災などの災害や光による色彩の退行に対して非常に強く、約2,000年以上にわたって、そのままの色と形で残すことができます。

その特性を利用して、オランジュリー美術館にあるモネの睡蓮をモネの夢でもあった屋外での展示を可能にさせているのです。

  • 光と影を追い求めた印象派の画家・モネ

自然光での展示に拘ったあのオランジュリー美術館を超える本当の屋外展示を可能にさせ、モネの夢を実現させているのです。

また、この美術館が面白いのは、今では現存しない下記の絵画を復元させて展示している点にもあります。

  • 修復前のレオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』
    戦火で失われたゴッホの『ひまわり』

何より、この美術館の目玉は、下記です。

  • ミケランジェロの『最後の審判』

オリジナルのバチカン市国のシスティーナ礼拝堂をシスティーナ・ホールで復元させて、環境展示をしているのです。さすがに、「ホンモノの最後の審判」には遠く及びませんが、日本でも、『最後の審判』に出会えて感動しました。

1000点に及ぶ「ニセモノの名画」は、駆け足で回っても、3時間は楽にかかってしまう様なスケールです。全作品を見ようとすると4kmほど歩くことになります。

大塚国際美術館の魅力は、時間と空間を超えて、絵画の夢の競演を可能にさせているところです。絵画のオールスターによる4kmに渡る夢の競演。古代から近代に到るまでの絵画に関して。一度に整理して、捉えることも出来るので絵画の初心者からベテランまで、様々な層の方々が楽しむことができる美術館です。

大塚国際美術館には、また、いつか訪れてみたいです。そして、いつか、「ホンモノの作品」を展示している美術館にも!

作成日:2017年5月15日 屋根裏の労務士

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