「文章でのコミュニケーション」
私は、クライアントの活動に関しては、何より興味があります。それに、クライアントの活動や想いを共有していなければ、クライアントの実情に応じた、労務のコンサルティングや相談は出来ません。このような小冊子を頂けると、クライアントを理解する上で、大変参考になります。是非とも、継続して取り組んで頂きたいです。
自分の考えや想いを、話すだけではなく、文章化して伝えていくということ。私は大切なことだと考えています。
私は、幼少期の頃から、誰とでも人見知りをせずによく話す人間で、周囲から下記のように言われていました。
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「口から生まれてきたような奴」
私との打ち合せを体感したことがある皆様。私の「話す」というコミュニケーション力に関して、説明するまでもないでしょう。上記に加えて、クライアントの皆様は私の「書く」というコミュニケーション力に関しても、理解していると思います。
私は、日常の労務の相談でも、コミュニケーション手段に関して、相談内容や難易度に応じて、要意識して使い分けて、対応をしています。コミュニケーション手段は、大きく次の3つがあります。
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① 文章にして、メールで伝えていくこと
② 電話で、直接、話して伝えていくこと
③ 面談で、伝えていくこと
自分以外の他者に、何かを伝えていくということ。私は、難しいことだと捉えています。つまり、コミュニケーションは難しいことだと捉えているのです。そのため、電話で打ち合わせをするときでも、伝えたいことに関して、文章にしてメールでも送付して対応をすることが多いのです。
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文章、電話、面談
それぞれのコミュニケーション手段に、自分の哲学と美学があります。今回のコラムでは、「文章でのコミュニケーション」に関して持論を取り上げます。
私は、文章でのコミュニケーションを『文字での単なる連絡手段』とは、考えていません。私は、新入社員のサラリーマンのときから、報告事項に関して、ドキュメント化することを習慣にしていました。新入社員が慣れないビジネスの現場でドキュメント化すること。手間や時間もかかるし、大変な労力です。それでも、文章にしていたのには理由があるのです。
当時、ウインドウズ3.1の時代。職場ではパソコンが一人一台の時代ではありません。しかし、私は、入社してすぐにノートパソコンを購入します。当時、50万円近くもしましたが、自分への投資だと考えて、何のためらいや迷いもなく、2年間のローンを組んで購入したのです。私がノートパソコンを購入した目的は下記です。
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「自分の考えをドキュメント化して伝えていくため」
当時、日常的な活動や会議での報告に関して、レポートを出していくのは、部長クラスの役職者でした。文章化して伝えることが出来ない人を、組織は上席者として重要ポジションに、なかなか抜擢はしません。当時、私は下記のことに、既に、気が付いていたのです。
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「文章を作成するのは、支配階級であること」
自分が支配階級となるためには、「文章の作成能力」が欠かせないということ。更に、「文章の作成能力」は、一朝一夕には、身につけることが出来ないということ。「文章の作成能力」を身につけることが、ビジネスの成功の大きな要因の一つだと直観的に気が付いていたのです。
歴史的なスパンで捉えても、「文章の作成能力」のある人が支配階級になったことは明確です。人類は、農耕と牧畜が始まり、しばらくすると、「文明」を築き上げます。「文明の成立」とは、文字を使用することでもあります。
文字とは支配者が民衆を支配するために、作られたものとも捉えることが出来ます。当時は、限られた一部の人間にしか文字を使うことが出来ない社会。文字を使うことが出来たのは、最高特権だったのです。当然に、この一部の最高特権を持った人間が支配階級となるのです。
文字が使われ始めたこと。それは、人間社会が支配階級と支配される階級に分かれたことでもあります。これが初期の頃の「階級の成立」になります。
「階級の成立」は、「都市の成立」とも重なります。「都市の成立」は、自給自足の単純な社会から、様々な事業や取引を生み出して、複雑な社会へと転換させます。都市には支配者が住み被支配階級から税金を徴収します。支配階級層の人間が、文字を使ってルールをつくり、社会を管理したのです。
もっとも、文字を使うことが出来た人が、社会を管理したというより、社会を上手く治めることが出来たのです。社会の仕組みから考えても、「文章の作成能力」がある者が、支配階級になったことは、当然のことなのです。
自分の考えや想いを、話すだけではなく文章化して伝えていくということ。大切なことだと考えています。日本では誰でも文字を使うことができるのですから、文章の作成スキルを磨かないことは、もったいないことだと感じています。
まずは、日々のメールのやりとりに関して、分かり易い論理的な文章を作成することを意識するだけでも、文章の作成スキルを向上させることが出来ると思うのです。
作成日:2017年7月10日 屋根裏の労務士