「社会と繋がっていくための何か」
創業50年の期間の中で、小生が労務のお手伝いをさせて頂いた期間も、かれこれ11年間になりました。気が付けば、長いお付き合いをさせて頂くことが出来ました。感謝の言葉も見つかりません。
11年の中でたくさんのことがありました。本当に、イロイロありました。そして、その中でたくさんの良き出逢いを頂きました。今回、もう、逢うことができないと思っていた人とも再会することが出来て、感動の一日となりました。
普段、お打ち合わせや労務の相談をさせて頂く方々とも、仕事を離れて、お酒を交えての時間となり、楽しい時間を過ごすことが出来ました。
トップである社長自らが、体を張って、式典を盛り上げて、パフォーマンスをしていく姿。リーダーシップある人材のDNAとその意思を受け継いで、パワー溢れるリーダーを輩出来ているクライアントの強み。何か直感的に分かった気がしました。
クライアントが創業50年を迎えること。私は、式典ではお客様として、来賓席での参加をさせて頂きましたが、自分のことのように嬉しかったです。
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クライアントの喜びは自分の喜びであり、
クライアントの痛みは自分の痛みでもあります。
歩んできた50年史を振り返る映像が流れました。さらに、30年後の未来を描いたプレゼンテーションに心を揺さぶれるような感動がありました。このクライアントが凄いと、改めて感心したことは下記のことです。
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30年後の会社の未来像や追求する技術イメージについて。
トップである社長だけでなく、各支社の社員たちも思い描いて、
楽しそうにプレゼンが出来ていることです。
未来を思い描いているのは、自分達だけではありません。関連企業の社長や取締役、更には、社員の子供たちからも、未来の技術イメージを思い描いたプレゼンがあったのです。そのプレゼンが、何ともワクワク感のあるプレゼンなのです。
今回、創立50年の記念祝典・祝賀会に参加して、改めて気が付くクライアントの発見があり、理解を深めることが出来ました。
企業寿命には様々なデータがあります。中小企業白書の企業の生存率のデータでは次の様になっています。
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10年経つと70% (倒産・廃業30%)
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20年経つと52% (倒産・廃業48%)
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企業の平均寿命は23年 (平均で23年経過すると倒産・廃業)
企業の平均寿命は、23年です。60歳から65歳までの定年まで働く45年前後の期間よりも、企業寿命は短いことになります。終身雇用の安定を望んでも、60歳から70歳になるまでに1回から2回は転職を経験する可能性が高いことになるのです。変化が激しい、低成長の時代に入っているのですから、この傾向は今後も高まると考えた方が良いでしょう。
最近は、景気が回復傾向にあり労働力不足のため、若年層の方々は売手市場の状況になり、就活するのが、だいぶ楽になりました。しかし、売手市場であるのは、若年層の期間だけだと思います。20代の頃に経験した売手市場の楽な就活。中高年になった場合、待っていないと思います。
企業の平均寿命は23年。働く期間は45年前後。日本人の平均寿命は80歳超。そんな現実があるわけですから、自分自身で専門性を磨いてキャリアを高め、真の実力つけていく必要性があると思います。
クライアントは創業50年ということですので、一度も転職をしないで、職業人生を過ごすことが出来た人。企業の中にいたということになります。
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企業平均寿命23年というデータ
このデータは、企業寿命について検証する際に、現実的かつ信憑性が高いデータだと感じています。以前、統計調査会社のデータでも、企業寿命について23年前後のデータを見た記憶があります。
恐らく、企業平均寿命23年というデータは、一定の調整した後のデータだと思います。実際は、登録程度の起業をしただけで具体的な活動をあまりしないで廃業してしまう人がいたり、1年もたずに廃業してしまうケースも多く、調査対象のサンプルデータの対象になっていないため、実際の企業寿命はもっと短いと思います。
以前、ビール会社の支社長から、下記のことをお聞きしたことがあります。
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新宿で新規出店の飲食店の30%が
1年以内で倒産・廃業
新宿の様な飲食店の激戦区。新規出店の30%が1年持たないそうです。そのため、絶えず新たな顧客の獲得を巡り、日々、競合企業との激戦を繰り広げているそうです。
決して安くない投資をして、人生を賭けて起業をして、1年以内に30%も倒産しているということ。いくら何でも大袈裟な数字だと思っていました。しかし、食品卸の大手企業の営業部長も東京の激戦区での飲食店の倒産割合について、1年以内に30%という同じ数字を私に話していました。
取引先の新規出店の飲食店が1年以内に、30%ぐらい倒産するために、とりっぱぐれが多く、与信管理と回収業務を強化させていると話していました。東京の激戦区では新規出店の飲食店が1年以内に30%も倒産しているという実態。どうやら、都市伝説というだけではない様です。
私は、大学生の頃に、数々のアルバイトをしていました。アルバイトをしていた企業について、以前ネットで検索したことがあります。私が好きだった会社の多くは、まだ、現存しています。一方、私が好きになれなかった会社は、1社しか検索に出てこないのです。その1社も、噂では、オーナーが代わり、私が知っている取締役や社員は誰もいない様です。
商売の難しさ。
何より、商売を続けていくことの難しさ。
あれこれと、日々、感じています。
50年続く企業は、1%に満たないというデータもあります。商品力や技術力、営業力、更にはブランド力があっても企業経営は簡単に継続できません。社会的に見て、倒産するはずがないと思われていた企業でも、倒産することがあるのは周知の事実です。
順調に経営が出来ていても、思わぬ所で足元をすくわれて、廃業になることなど、珍しいことではありません。商売を継続していくためには、「大切な何か」があるのです。
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「社会と繋がっていくための何か」
「社会から支持されるための何か」
「大切な何か」
今回、900人を超えるような人数の創立50年記念祝典・祝賀会に参加して、その「大切な何か」のヒントを少しだけ気が付くことが出来たような気がします。
作成日:2017年11月20日 屋根裏の労務士