「鳥取から島根、山口を巡る旅・・・後編」
かねてから、訪れたい庭園であり美術館が島根県の安来市にありました。その庭園の名前は下記です。
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足立美術館
足立美術館には、横山大観や竹内栖鳳の日本画の名品が所蔵されています。特に、大観の作品は総数130点もあり、質量ともに日本一の所蔵だと思います。
また、足立美術館は日本画の美術館としてだけでなく、広大な日本庭園としても有名です。面積5万坪に及ぶ庭園は、山や木々を借景に取り込んだ絵画のようなすばらしい庭園なのです。
京都の庭園とは、また趣のことなる美しさです。安来市という4万人にも満たない都市に、奇跡のように美しい庭園があるのです。アメリカの日本庭園専門雑誌が行っているランキングで、初回の2003年から2017年まで、15年連続で庭園日本一に選出されている庭園です。
面積5万坪に及ぶ広大な庭園に細部まで行き届いた手入れ。思わず、下記の言葉を呟いてしまいました。
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「お見事!」
足立美術館の日本庭園は、確かにすばらしい庭園なのですが、私は一つだけ物足りないことがありました。それは、下記です。
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ガラス窓超しに見せる風景だったこと
足立美術館の日本庭園は、大きなガラス窓超しに、絵画のように見せているのです。その窓ガラスは一寸の塵や汚れの拭き残しがありません。すばらしい手入れが施されていました。
窓ガラス一枚があるだけでしたが、テレビの映像や写真を見る様に何かフィルターを通して見えていたような気がしたのです。ホンモノを見たはずなのですが、何か迫力に欠けたような気がしたのです。
ホンモノに触れる感動というのは、一切のフィルターを取っ払って、見て、感じるということのような気がしたのです。それでも、念願の庭園美に触れることが出来て大変満足しています。
今回の鳥取から島根、山口を巡る旅で、小生が最も訪れたかったのは下記の街です。
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山口県の萩市
萩市は人口が5万人程度の街です。そんな小さな街にも関わらず、幕末から明治維新にかけて数々の偉人を輩出させたのです。伊藤博文、山県有朋、高杉晋作、久坂玄瑞、山田顕義、品川弥二郎などなど。
明治維新の原動力となり、明治新政府に活躍した人材を次々と輩出させたのです。それは、もちろん、下記があったからです。
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松下村塾
松下村塾は、吉田松陰が指導した私塾です。松陰が指導したのは、わずか2年4か月程度の期間です。しかし、教え子たちは松陰の意思や教えを受け継いで、明治日本の礎をつくったのです。
松陰は身分や階級にとらわれず塾生として受け入れました。松陰の教育方針は、一方的に教えるのではありません。
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議論を重ねることにより、ともに学びながら
集団の中で啓発しあうこと
松陰は議論を大切にしました。一人ひとり意見を述べ合い、知恵を集めることにより、誰も思いつかなかった発想やヒントが出てくるプロセスを大切にしたのです。
また、松陰は何よりも実践を重んじた教育者でした。下記の言葉に松陰の実践を重んじた考え方が集約されていると思います。
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「それでは学者になってしまいます」
松下村塾の教育は、学者を育てることではなく、現実の問題と対峙して、時代を変革させるリーダーを育成することにあったのです。
アジアに迫りくる欧米列強の脅威。アメリカと不平等条約を結ぶことになってしまった日本。松陰は幕府が自分たちの権力維持のために、属国路線を選んだ不甲斐なさに怒りと日本国の危機感をもち、次の時代を担うリーダー育成の必要性を感じたのでしょう。
山口県にはリーダーを輩出させる何らかの風土があります。長州ファイブと呼ばれる近代日本の礎をつくった下記の5人も輩出します。
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伊藤博文(松下村塾)は、初代内閣総理大臣
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井上馨は、造幣局を設立し、鹿鳴館を作り、不平等条約を解消させる
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遠藤謹助は、造幣局で通貨の製造技術を確立。「造幤の父」
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山尾庸三は、東大工学部の前身となる工学寮を創立。「工学の父」
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井上勝は、1872年、新橋・横浜間に鉄道を開通させる。「鉄道の父」
その他にも、山口県出身の政治家には岸信介と佐藤栄作の兄弟総理がいます。9人も総理大臣を輩出させています。共産党の宮本顕治や野坂参三も山口県の出身です。
長州という風土は個性豊かで、思想信条に対して許容範囲が広く、リーダーを輩出する風土があるのだと思います。
世界遺産の萩の街をあちこち自転車で巡りながら、下記のことについて、改めて理解を深めました。
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リーダーを輩出させる人材教育の大切さ
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何より国力というのは人材にあるということ
当たり前ですが、人材というのは大切ですよね。何かをつくりだし、何かをやり遂げるのは人以外にいません。今回の鳥取から島根、山口を巡る4泊5日の旅。人や組織に関わる社労士の使命や責任も改めて感じた旅となりました。
作成日:2018年5月28日 屋根裏の労務士