「この人、何者ですか!」・・・その5
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マイクロソフトの「Windowsの鬼」
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メーカーの「パソコンの鬼」
鬼才2人のすばらしい対応に感動。鬼才2人のスーパープレイを前編・後編に分けて、描きたかったのです。毎回、たくさんのご感想を頂き、反響があるため2回目の予定が3回、4回となり5回に渡る長編シリーズになりました。
2020年1月14日に、Windows 7のサポートが終了となります。Windows10は、関心が高いテーマであることも改めて感じています。今回のトラブルの原因は下記なのです。
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パソコンの設定がマイクロソフトアカウントを紐づけた
マイクロソフトの推奨設定になっていなかったこと
上記を踏まえて、対応経緯をメーカー側に報告。メーカーの方でも技術に精通したエンジニアに出て来て頂くことが出来ました。
今回、色々なことがありました。今回のトラブルは、実はビットロッカーの件だけではないのです。事実は複雑に入り組んで拗れた状態になっていたのです。そんな拗れた状態になってからの登場なのです。
下の者が、散々、やらかして、「火のついた状態」での対応です。「針のむしろ」の鉄火場での対応です。
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開発型のメーカーの苦労
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新しいことに取り組む技術を追求する企業の苦労
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何より、処理班の苦労
そんなご苦労がしみじみと伝わってきます。
メーカーに今回の一連の対応について報告書を出してから、1週間が経過しました。想定内ではありましたが、梨の礫です。処理班は多忙ですから、1カ月先までスケジュールに入れるだけでも大変なはずです。
このパソコンは、受注生産ですので注文してから入荷するまでに1カ月かかるのです。マイクロソフトでも苦慮するような対応に関して今後の対応どころか、状況確認だけでも大変なことになっているのは想定内のことです。
初期化するために工場にはパソコンは送付してあります。通常の故障では中3、4日程度で対応してくれるメーカーです。通常のレベルであれば、1週間も梨の礫であるはずがないのです。小生の方から、再度、問い合わせをして下記の確認とお願いです。
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対応方針の進捗の確認
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技術に精通した者に対応のお願い
自分の下の名前も名乗れない子供ではなく、自分の下の名前を名乗れる大人に出て来て頂くことです。加えて、何度も下記を伝えました。
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私がこのメーカーから高額なパソコンを購入したのは
クレームを入れるためではなく、
今回のような事態に陥った場合、
未来に向けて善処して頂くためであること
やっと、出て来てくれた処理班。まずは、どんな状況でも下記のことが大切。
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「人間関係を築くこと」
どんな対応であっても、機械との対応でない以上、人間か対応することでは、「人間関係を築くこと」が何よりも大切になるのです。正解のない鉄火場での難しい対応になると、当たり前を忘れてしまうものです。
初回の対応で、処理班の方と人間関係が出来て、スムーズにコミュニケーションがとれる関係になりました。
今回のトラブルに関して、初期化する対応ではなく、ビットロッカーを解除する方針となり、一旦、パソコンを工場から小生の方にパソコンを返却。後日、リモートでパソコンに入り調査をして頂きました。
しかし、初期設定の方法がマイクロソフトの推奨設定でないためビットロッカーは解除出来ませんでした。今後の対応方針として、下記のようになったのです。
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パソコンを初期化して、メーカーの処理班の方が
直々に、小生のパソコンを設定してくれる対応
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Windows10は、日々、進化しておりイレギラーなことが多いため
完全に復旧するまで、最後まで、処理班が責任をもって対応してくれること
通常は、パソコンの設定などは、メーカーの方は対応してくれません。下請けの設定会社や販売会社での対応になります。今回、メーカーの方では小生のパソコン設定を通じて、下請けの設定会社や販売会社での研修用の資料を策定することを兼ねて、対応してくれることになったのです。
私は、パソコンを持参して行っても良いと回答しました。それを踏まえて、下記の回答でした。
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「2台のパソコンに同時にリモートで入り、
設定できるので大丈夫です。」
いつも1日作業でパソコンの面倒な設定をするのに、そんな対応が出来ることを知りませんでした。小生のパソコンは、様々なことを複雑に設定する必要があり、移行データの容量も多く、トラブルになることが多いのです。通常1日作業になり、その後の対応で2日ぐらいはかかります。
しかし、処理班の方は、自分が直接対応すれば、問題なく、遠隔でも対応ができるというのです。処理班の方も年度末でスケジュールが埋まっているために、土曜日に対応してくれることになりました。
パソコンの設定対応が始まったとき、私は、ビックリしました。この技術者も、下記のような表現になります。
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「この人、何者ですか!」
これまで設定したくれた方々とレベルが違うなんてものではありません。段取りが良く、熟知しているというレベルではないのです。対応の一つ一つに意味があることを説明しながら、論理的で綺麗な対応なのです。
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細かいことを知っている人ではなく、
理解を深めた精密な人なのです。
遠隔で5時間半にもおよぶ対応をしながら、このパソコンのコンセプトについて、飽きさせることなく解説してくれる対応。情報処理やパソコンの知識の豊富さ、その知識の理解度はさることながら、これまでの方とは下記の基礎力が全く違うのです。
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臨機応変に繋がりを察知しての対応力
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正解が無いような状況での瞬時の判断力
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他者との距離をつめるコミュニケーション力
新たな問題に、少し先を予測しながら、その場で考えて反応が出来る人です。ガンダムで例えるのであれば下記のような人です。
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「未来が見えるニュータイプ」
やはり、日本を代表するようなメーカーには、後方の奥の奥の方には、「パソコンの鬼」が待機されているのです。正直、最初からこの人に相談して購入したかったし、最初からこの人に設定してもらいたかったです。
新しいマイクロソフトアカウントを設定。Office365の設定も完了しました。今回のトラブルの原因であったビットロッカーについても対応に入りました。ビットロッカーを対応するためには、新しく設定したマイクロソフトアカウントからマイクロソフトのサーバーに入る必要があるのです。
しかし、またまた、想定外の対応に陥るのです。慎重に慎重な対応を重ねたアカウントとパスワードの設定。それなのに、小生にはトラウマのようになっている下記の表示が出るのです。
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パスワードが正しくありません。
マイクロソフトアカウントのパスワードは、3回間違えるとロックがかかってしまいます。一つ一つ入力キーを慎重に打ち込み、確認しながらパスワードを入力。しかし、2回目のパスワードエラーの表示。
パスワードの利用は、一度、確認しています。パスワードを間違えたことは、まず無いはずです。それでも、表示される下記の表示。
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パスワードが正しくありません。
不安と焦りの感情が沸き上がってきます。それでも、「パソコンの鬼」と小生で、今、起きている現実に対して、意識を集中。これまで対応してきたことを整理。
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初期化したパソコン
一度もパソコンを触れていない状態
問題なくすべて綺麗に設定をしている状態
マイクロソフトアカウントを問題なく設定
Office365を問題なく設定
何より、「パソコンの鬼」と私のようなユーザーが、注意を重ねて作り上げた設定。その上でのパスワードエラー。
実は、今回のトラブルが起きたときからずっと何となく、私も、『そんな気』がしていました。ずっと、内心、『そんな気』がしていました。『そんな気』を「パソコンの鬼」が起きている事実を整理しながら代弁してくれました。
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「これは、もう、マイクロソフトのサーバー上の不備しか考えられない!」
マイクロソフトアカウントとパスワードエラー、加えて、ビットロッカーの対応に関して、マイクロソフトの窓口であれだけの苦労をした者が、基本的なパスワードの間違えを起こすはずがないという判断です。
これは、もう、マイクロソフトのサーバー上の不備しか考えられないというのです。恐らく、下記のように不備になっていたという推測です。
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『Office365のパスワードを使い、サーバーに入った後で
Windows10のサーバーに入るとパスワードエラーになる』
2回目のパスワードエラーが出ている状態。3回目を間違えれば、ロックがかかってしまいます。次の対応が重要な判断です。そこで、「パソコンの鬼」から下記の指示。
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パスワードの入力ではなく、
パスワードの変更から
設定したパスワードを入力。
何と、上記の裏技のような対応によって、認証されて、画面が進んだのです。私は、心の底から安堵の気持ちがこみ上げてきました。「パソコンの鬼」に、この対応方法を何で閃いたのかについて質問をしました。「パソコンの鬼」は下記のように呟きました。
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「直感です!」
あらゆる修羅場を潜り抜けてきた経験。そんな圧倒的な経験と実力が出した直感。偶然で辿り着いた対応ではありません。
私は、Windows10はリリースから4年間も経過しており、世界中で使っているのだから、今更、マイクロソフトのサーバー上の不備などはあり得ないのではないかと質問しました。これに対して下記のようなコメントです。
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「Windows10は日々更新されて難しくなっており、
レビューを入れることも難しいのが実情」
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「お客様のようなタイプで、
今回のようなトラブルが起きない限り、
まず、この展開には持ち込めません」
年度末の繁忙期での対応が続いており、体力的にも精神的にも、限界を超えてボロボロの状態。本業の働き方改革法の対応でも想定外の対応が連発して、厚生労働省や労働局にレビューをしていくことが膨大にあります。今回の一連の件について、私の方からはマイクロソフトの方にレビューをしていくのは出来ない状態。
そこで、メーカーからマイクロソフトにレビューをして頂き、サーバー上の不備を改善して頂きたい旨を頼みました。マイクロソフトとメーカーとの間では、定期的に打ち合わせをするミーティングがあり、現場で起きている問題について、双方で確認しながら、様々な改善対応がなされているそうです。
「パソコンの鬼」もメーカーから、責任をもって正式に、マイクロソフトにレビューをする旨を約束してくれました。ちなみに、最終的に設定した方法は、マイクロソフトの推奨設定とは異なる設定方法を見出して設定してくれました。
今回、大変お世話になった下記の2人。
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マイクロソフトの「Windowsの鬼」
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メーカーの「パソコンの鬼」
あのレベルの人が、日本に1000人ぐらい配置されていなければ、国民は安心してパソコンは使えないとも思っていました。最後に、「パソコンの鬼」から、下記の言葉を頂きました。
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「窓口の後方には自分が待機しています。」
「いざとなったら、私が出てきますので安心して下さい。」
「佐々木様とは繋がっています。」
偉大な経営者が創業した会社です。「当社はモノでなく、人をつくっている会社です」と言葉を残したDNAは、今でも大切に受け継がれていました。
作成日:2019年8月5日 屋根裏の労務士