「エジプトの休日」・・・後編
代案の旅でしたが、かねてからエジプトには興味があり、いつかは訪れてみたいと思っていた地です。日本人はピラミッドや古代遺跡、ツタンカーメンが大好きです。日本でエジプトの古代遺跡やツタンカーメンの展示会があると平日でも2時間待ちの入場になるほどの人気です。
意外だったのですが、エジプト人も日本人にとても好意的なのです。海外に行くと日本と円が信頼されており日本人が好かれていることに気が付きます。実際に交流して適正な評価をして頂ければ、そもそも日本人が嫌われる理由なんてありません。
ツタンカーメン所蔵をするエジプト考古学博物館は、現在、新しい博物館を建造中です。その費用は、日本のODA事業です。当初の予算720億円から1100億円を超える予算に膨れ上がり、その大半が日本の税金だというのです。ちなみに、散々問題になった新国立競技場は、1529億円での工事終了となったと報じられていました。
その他にも、日本のODA事業でエジプトのインフラが整備されたり、装飾品の修復が行われているようです。かつて日本にエジプトの至宝であるツタンカーメンのマスクが来日したり、ツタンカーメンに関する装飾品が、度々、来日したりする理由がよく分かりました。
当たり前ですが、古代遺跡やピラミッドは、来日はあり得ないので現地に観に行くしかありません。いつかはエジプトに行きたいとは思っていたのです。
エジプトは隣国のリビアのように大量に石油が出ません。外貨獲得の主たるエジプトの産業は、スエズ運河の収入と何より、下記の産業になります。
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観光産業
エジプトという国は、まるで、国自体が「古代遺跡のテーマパーク」になっているかのようです。
前回のメルマガでエジプトを訪れて、感じた下記の3つを取り上げました。
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セキュリティーチェックの厳しさ
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警察官の多さ
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国境管理の厳格さ
旅の始まりのときは何か物騒な雰囲気で治安の悪さを感じていました。旅の終わりのときは厳格な警備とチェックほど、実際の治安は悪くはないとも感じていました。
エジプトでは主たる産業が観光です。テロが起きるようなことがあれば、外貨が得られなくなり、国が持たないのです。旅行者が途絶えたり、観光資源を失うことは国が傾くようなリスクがあるのです。そのため、旅行者の安全と観光資源を守るために厳格なチェックをする必要があるのです。
2011年のアラブの春による政治情勢の混乱。観光客が激減して、観光産業を内需にした生産活動も停滞。エジプト政府は、IMFの勧告を受けることになります。2016年に為替相場の大幅切り下げなどの改革を断行。
この改革で経済が健全化するとの期待感から、外国からの資本流入が拡大し、国際的な信頼を回復する中で観光客が戻り、エジプト経済は復調を遂げたのです。
今回、小生がエジプトの古代遺跡に触れてしみじみと感じたことは下記です。
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古代遺跡というよりも、「古代遺産」
エジプトには、昔の人達が頑張ってくれた歴史。ピラミッドをはじめとした「遺産」があるお陰で今の人達が観光収入で外貨を獲得して経済を回していけるということです。
今回の旅のハイライトはエジプト観光の鉄板中の鉄板の「あの古代遺産」です。「あの古代遺産」とは、もちろん、下記です。
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クフ王のピラミッド
ピラミッドの魅力の一つはミステリアスな謎が多くあることです。4500年も前に建造されたものです。ピラミッドは様々な説があり、最近になって解明されたものも多いです。
最近までピラミッドは、奴隷を使って建造されたと考えられていました。しかし、近年の研究では、熟練された技術者が労働対価をしっかりもらって、使命感の下に建造されたとの推論が有力になっています。
その理由として、ピラミッドは非常に長い期間をかけて高度な技術で建造しなければならないことです。奴隷としての強制労働では現実的でないこと。ミリ単位の正確性は熟練の技術者ではないと不可能であることです。
ピラミッドの目的も王様の墓をつくるために建造されたものと考えられていましたが、はっきりとした証拠はありません。色々と謎が多いピラミッドですが、現在になって、確かな真実があります。それは下記です。
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世界中の人々を魅了して
世界中の人々を引き寄せる
観光資源になっていること
クフ王のピラミッドが無かったらエジプト観光の魅力は半減です。クフ王のピラミッドが無かったら、小生もエジプトに行っていません。
どんな目的で、誰が建造したのかも謎のままですが、結果として、今のエジプトの人達は自分たちの糧のベースとなる財産を手に入れているのです。
クフ王をはじめてとして、ピラミッドを造ってくれた昔の人達に感謝です。クフ王がどんな人物だったかは分かっていません。結果として、今のエジプトの人々にとってクフ王は「偉大なる父」になっていると思うのです。
作成日:2020年1月27日 屋根裏の労務士