コロナの対応について その1 「今に意識を集中させること!」
現時点では、このウイルスに特に有効な抗ウイルス薬などはなく、対症療法を行っている状況が続いています。この1~2週間の動向が、国内で急速に感染が拡大するかどうかの瀬戸際であるとの方針。
基本的には学校は休校となり、イベントも次々と延期や中止となり、静かな週末となりました。
国税庁は確定申告の申告・納付期限を4月15日までとして1カ月間延長すると発表しました。大手企業や派遣事業で4月1日から施行される同一労働同一賃金の対応も、1カ月延長して頂きたいところです。
しかし、現時点ではそんな動きはありません。そもそも、同一労働同一賃金の対応に関して、派遣法では複雑な対応になっているのに、概要程度のことも、ほとんどメディアで取り上げられていません。
社会にあまり周知がされていない状況ですので、延長されることなどは、無いだろうと諦めています。
小生はクライアントから、ご依頼を頂いた労使協定書の対応に粛々と取り掛かっております。複雑な対応ですが、クライアントの方々は、理解の骨格が出来ています。時間も無くなってきたところに新型コロナウイルスのこともあるので出来るだけ、テレワークで対応致します。
新型コロナウイルスに対して世界中で対症療法を行っている状況が続く中。安倍首相は、下記の声明を出しました。
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「ウイルスの感染拡大防止には、
今後2週間程度、あらゆる手を尽くすべきだ」
「私が決断した以上、私の責任で
様々な課題に万全の対応を取る」
「政府の力だけでこの戦いに
勝利を収めることはできない。
医療機関、家庭、企業、自治体はじめ一人一人の
国民の理解と協力が欠かせない」
今、国民が出来ることであり、当面の目標は、何度も報道されている通り、下記のことなのです。
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感染の拡大のスピードを抑制させること
そのための行動が下記になるのです。
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動かないでいること
動いていないと経済が停滞しますが、仕方がありません。焦りや不安の気持ちに取り憑かれたとき、動かないでいるというのは、実は、難しい行動でもあります。
難しい状況に陥ったときは動かないで、今、起きている状況を整理して、「今に意識を集中させること」が大切なのです。まず、確認するのは下記の事実です。
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一人一人の感染を完全に防止することは不可能であること
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罹患しても軽症であったり、治癒する例も多いこと
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重症度としては、致死率が極めて高い感染症ほどではないものの、
季節性インフルエンザと比べて高いリスクがあること
上記の確認された事実をもとに判断すれば、下記のような観方も出来るのです。
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現時点では、高齢者・基礎疾患を有する者でなければ
死亡したり、重症化するリスクはそれほど高くないとうこと
司令塔のトップが楽観主義で居られては困りますが、現実的な対応で事実を受け止めて判断していくことが大切なのです。
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事実を掴んで、事実を整理して、
事実を受け止めて、嗅覚を効かせて、
直観に委ねて判断を下すことです。
何か良い具体的な方法論が無い以上、ピンチに陥ってしまったときは、下記のことが大切です。
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トップが判断を下した方針に、全員が全力で協力していくこと
難しい対応をしているときに、そもそも、正解なんて、用意されていないのです。結果論であれば、誰でも評論ができます。
司令塔のトップの嗅覚と直感を信じて、ONE TEAMになり、みんなで協力をすることが大切になります。ピンチのときは、政府と国民との信頼関係がより重要になるのです。
通常のインフルエンザでも完全に防止することは出来ていません。毎年、通常のインフルエンザでも死亡者は3000人を超えているのです。この人数は、医師が死因をインフルエンザと認めた人だけです。
インフルエンザで入院した人でも、肺炎を併発したり、持病が悪化し心不全などその他の病気で亡くなったりした場合は含まれていません。
上記のケースも含めれば、毎年、1万人近い人がインフルエンザで死亡しているのです。インフルエンザの死亡者の8割以上は65歳以上の高齢者なのです。
厚生労働省の発表の通り、感染を完全に防止することは不可能であり、今のところ、有効な抗ウイルス薬などはありません。完全に隔離させるということは、もはや、不可能になってしまったのです。今、やるべきことは下記の対応です。
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ウイルスが存在して、一定の重傷者と死亡者が
出るという事実を踏まえて、
感染の拡大のスピードを抑制し、
可能な限り重症者の発生と死亡数を減らすこと
感染の拡大のスピードを抑制することは可能なはずです。現在、国は、テレワークや時差出勤を呼び掛けています。小生の方も、コロナの長期戦を踏まえた「本格的なテレワークの規程」の依頼が増えています。
集団感染をさせないように分散させることが大切なのです。集団感染による患者数の爆発的な増加が医療従事者への感染リスクを増大させます。医療提供体制の破綻が起きたら、社会・経済活動の混乱となり、それこそ地獄絵図となり大変な事態に陥ってしまいます。
この2週間ぐらいは、次に起きる展開ではなく、「今に意識を集中させること」が大切なのです。心配しなくても、今後の心配や不安は次々と浮かんでくるものです。出来る人、出来る組織から、トップダウンで対応して、今のピンチを凌いでいくしかありません。
現実的に出勤しないと出来ない仕事もあるし、現場で指示を受けないと出来ない人もいるのです。みんなで協力して抑え込んで、時間を稼いでいる間に、次の展開になるということもあるのです。
「アクティブに動かない」ということも大切なことだと思うのです。
作成日:2020年3月2日 屋根裏の労務士