コロナの対応 その4 「入社式を中止にして下さい」
新型コロナウイルスの対応を踏まえて入社式を中止にしたり、延期にする判断をしたクライアントが増えています。4月1日の入社日について、コロナウイルスの潜伏期間を踏まえて下記のような対応にしたのです。
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実際の出勤日を4月16日から
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4月1日は個別に応対説明
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4月2日から4月15日までは
テレワークでの研修
上記の判断をした理由は、下記のためです。
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新入社員が卒業旅行で
海外に行っていたため
コロナのリスク管理として、下記の確認調査をして頂いたクライアントがあります。
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卒業旅行の有無
卒業旅行の場所
海外渡航の期間
確認調査をしたところ、現在のような状況にも関わらず、ヨーロッパに卒業旅行に行っている人が少なくありませんでした。大学生はコロナに危機意識は低いのが実情。誠に残念なことではありますが、自分が発症しなくても、他人に感染させるリスクという意識は極めて低い状況になっています。
コロナが中国で問題になった頃、2月に中国人の社員が武漢に帰国して出勤を巡る対応に関して2週間の休業を命じて休業手当を支給する対応をしたこともありました。
会社内でコロナ感染者が出てしまうこと。何としても避けなくてはいけません。企業内にコロナの感染を拡大させる可能性が高い人。私は、現時点では下記のように推測しています。
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現時点では、3月まで大学生だった新入社員
感染者について、疑いを持つことは良いことではありません。まだ、実際のデータも出ていないので推測、憶測の域に過ぎませんが、コロナ感染の危険な地域に行っていた事実。事実があるのであれば、事実を踏まえて経営判断をしていく必要もあります。
弊社のクライアントは、基本的には新規学卒を中心に採用をしており、4月から入社する社員が
少ない人数ではないと認識しています。卒業旅行でヨーロッパに行っている人がいるかもしれません。
入社式は、社長をはじめてとして取締役の方々が集まります。感染を拡大させる可能性が高い人と幹部が接触する機会の場となるのが入社式です。会社の幹部が集団感染してしまい、経営判断が出来なくなってしまうことは最悪の事態です。
3連休の街の様子。自粛要請が出された先週末の街の様子。大学生はコロナに危機感は高くありません。
この時期にヨーロッパに旅行に行っているのは4月に入社してくる新入社員のほかにはいないと思います。また、大人数で花見をしている方々も大学生のグループが多かったように感じています。
数社のクライアントで調査をして頂きましたが、多くの新入社員の方々が卒業旅行で、ヨーロッパを中心に海外に行っている状況です。
強制的に海外旅行を禁止させることは出来ない状況になっているのです。あまりメディアで取り上げられていません。政府の対応も現場に追い付いていない状況です。オーバーシュートを避けるために入社式の中止や延期を含めた新卒の就業開始について、要検討していく必要があるはずです。
政府はコロナの水際対策を失敗しましたが、企業はコロナの水際対策を継続して実施していく必要があるはずです。弊社のクライアントは、その業界や地域では、業界の雄になっている企業が多いです。あるサービス業では、個別に確認書をとりつけ社員の方々に、コロナの危機意識を共有させています。
感染者の爆発的増加をさせないように、まずは、業界に先んじて、スピード感のある経営判断を下して対応を図る必要があるはずです。
【3月31日 緊急メール】
新型コロナウイルスの感染が、拡大している状況を踏まえて、政府は、31日になって、下記の方針を打ち出しました。
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日本人を含めた全ての入国者に対し、
自宅や宿泊先などで入国から14日間の待機を
要請する方向で調整
首都・東京で感染が急増する中、海外で感染した日本人が帰国後に陽性と判明する例も相次いでいる状況。政府も、帰国者が国内でクラスターをつくり出す要因になりかねないと危機感を強めており、追加的な対策が急務と判断しました。
入社式では、新入社員の方から、下記のことを最初に確認して頂いて下さい。
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卒業旅行の有無
卒業旅行の場所
海外渡航の期間
海外渡航があるのであれば14日間の待機をさせて頂いて下さい。緊急の経営判断で、4月1日の入社式は中止にして、少人数にして入社手続きだけとするクライアントが増えております。
新入社員は集団感染している可能性があるので海外渡航の有無に関わらず、4月15日まで自宅待機をさせる対応を検討して下さい。繰り返しになりますが、入社式は、社長をはじめてとして、取締役の方々が集まります。
感染を拡大させる可能性が高い人と幹部が、接触する機会の場となるのが入社式の状況です。会社の幹部が集団感染してしまい、経営判断が出来なくなってしまうことは最悪の事態です。
作成日:2020年3月30日 屋根裏の労務士