コロナの対応 その6 「コンサルタントの嗅覚!」
- □
医療崩壊をさせないこと
現場の医師や看護師からも悲鳴が出ている状況です。医師や看護師も感染したり、激務で倒れだしている状況です。医師や看護師だけではありません。厚生労働省の官僚もパンク状態で倒れはじめ今後の対応に追い付いていません。
助成金の対応や法的な対応について、詳細について決まっていないのです。医療崩壊をさせないためには、下記のことが最優先となるはずです。
- □
新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐこと
企業や国民がやるべきことは、下記のことです。
- □
人と人の物理的な距離をとること
- □
出来る限り、人と人の接触機会を避けること
人の出入りが多い東京の事態は、もはや、日常的な会話をすることだけでなく、声に出して挨拶をすることも危険な状態になっているはずです。緊急事態宣言の中で安倍総理は感染の収束に向け、下記の説明をしました。
- □
「最低7割、極力8割、
人との接触を減らしていただければ、
必ず我々はこの事態を乗り越えることができる」
上記の発言を踏まえて、自民党の幹部からも、『できるはずがない』などの発言が出ています。しかし、もはや、事態は、そんなことを言っている状況ではありません。週末に、安倍総理は下記の対応をしました。
- □
新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐため、
緊急事態宣言が出ている7都府県のすべての企業に対し、
職場への出勤者を最低7割減らす要請を出すよう閣僚らに指示。
- □
繁華街の接客を伴う飲食店などの利用自粛要請については、
7都府県だけでなく、全国に広げることも決めた。
経営者を中心にして、一つ一つの組織がやらなければ、いけないことのはずです。
- □
「人との接触を最低7割、
極力8割を必ず減らすこと!」
コロナの事態の深刻さを踏まえれば、上記は、もはや、目標ではなく、ノルマのはずです。緊急事態宣言が出ている地域の企業は経営者が、「強い指示」を出して、対応していくしかありません。安倍総理は、下記の指摘をしました。
- □
「削減目標との関係では、
いまだ通勤者の減少が十分ではない」
- □
「もう一段の国民の協力が不可欠」
- □
「オフィスでの仕事は原則在宅で行えるようにすること」
- □
「どうしても出勤が必要な場合でも
出勤者を最低7割は減らすこと」
上記の対応について関係省庁から要請を徹底するよう指示しました。上記の要請に関して、経営者の方々がどのように解釈して、対応していくのかが、極めて重要になります。コロナの第一波を凌いでいくためには下記の対応をしていくべきです。
- □
「企業でも、社長が緊急事態宣言を出す!」
国だけでなく、企業の方でも、労働者に社内的な緊急事態宣言を打ち出して、凌ぎ切るしかありません。安倍総理は、さらなる対応が必要と判断したが、下記について説明していません。
- □
要請の法的根拠
- □
オフィスの範囲
- □
「最低7割」と判断した理由
もはや、上記については経営者がこれまでのすべての経験から嗅覚を効かせて、直感に委ねて、感じ取り、察して、決断していく対応のはずです。
社労士としてではありません。これまで、クライアントの皆様とあまたの労務のコンサルティングを潜り抜けてきた労務のコンサルタントの嗅覚は下記の対応です。
- □
コンプライアンスや規則にしばられるのではなく、
必要な対応人材以外は出社させない経営判断が必要
もはや、コンプライアンスを細かく確認している場合ではありません。テレワークの規程整備などをしている場合でもありません。休業と補償について、セットであるべき論が著名人や有識者から多数出ています。政府は、休業要請に関して、事実上補償をしないのと同義です。
そこで、下記のように対応すべきと判断します。
- □
4月13日に「企業の緊急事態宣言」を出す。
- □
緊急事態により、会社を止めずに
出社する対応人材を3割に制限する方針を出す。
- □
それ以外の方は、テレワークで自宅対応
そして、「企業の緊急事態宣言」を出すにあたり下記のことを説明して下さい。
- □
企業が休業中の賃金を100%補償
- □
その代わりに年間休日数の一時的な変更
できれば、緊急事態宣言期間中は100%の賃金を補償してあげればベストです。その代わりに、今期については一時的に年間休日を労働基準法のギリギリまで減少させて頂くのです。イメージ的には下記になります。
- □
緊急事態宣言中は休日を多くして休んで
後で労働をすることにより
みんなで挽回するという対応です。
1年変形を使えば、8時間の企業であれば、105日の休日。7時間30分の企業であれば、87日の休日数。誰も、今の瞬間に満員電車に乗って、都内の3密になるオフィスに出勤したくないはずです。
今のような事態の状況で労働者の方からは、経営者に対して、言いたくても言えないのです。もはや、不利益変更法理や就業規則や労使協定の対応などについて、法的な検証をしている場合ではありません。
休業と補償のセットであるべき論について、政府批判をしている時間は経営者にはありません。当たり前ですが、同一労働同一賃金や無期転換について、考えているステージではありません。
企業の緊急事態宣言をトップから強く発信するのです。先に、概要案を打ち出して、どうしても必要な人以外は5月6日まで出社させない経営判断を出して、後から、賃金や休みのことなどを決めていくのです。労働者の方も、きっと理解をしてくれるはずです。
今後の展開に応じて雇用調整助成金も最大限活用していくようにするのです。今後、更なる特例や緩和があるかもしれません。そのためにも、出来れば賃金、60%ではなく100%の支給にしておきたいのです。弊社のクライアントは資金繰りが良いので、大丈夫です。
もはや、先とか後とか、べき論を論じているそんなステージではありません。東京が壊れてしまえば、日本が壊れてしまいます。そのためには、会社と雇用を全力で守るのです。労使の信頼関係が大切になります。
上記の対応は、未来に必ず、経営者の英断となるはずです。
作成日:2020年4月12日 屋根裏の労務士