コラム Column

コロナの対応 その7 「スピード感のある英断を!」

社会保険労務士連合会から緊急で下記のアンケートがありました。
  • 新型コロナウイルス感染症にかかる
    雇用調整助成金の改善に向けた
    緊急アンケートの実施について

厚生労働省から、雇用調整助成金が、現場でどこに問題があるのかについて、調査をするように要請があったようです。厚生労働省は、政府の指示を受けて、今回の調査を連合会に指示してきたようです。

今回のコロナの対応で、小生の方からも厚生労働省には、年間休日の対応緩和措置などについて直接、本省に要望をあげています。一部、特例を出して頂きました。しかし、迫りくるコロナの鉄火場で、現場で対応が出来るような特例緩和ではありません。

今頃、雇用調整助成金について問題点を調査しているような政府。今更ですが。そして、散々、国民から悲鳴のように言われていますが。

  • 「政府は遅すぎるのです!」

雇用調整助成金で凌げないのは、これまでも説明してきました。また、後日、別のメールでご説明いたします。

世の中の多くの企業は、政府の対応、世の中の情勢、他社の動向の様子。他の人の動きをみながら、対応をしている企業が多いのが実情。今回の対応には、正解は用意されていないのです。

そのため、頭の良い人たちが思考停止のような状態になっているのです。そして、多くの意見は下記のような意見です。

  • 評論家のような意見

当事者意識の無い中で、結果論で評論しているだけ。基本的には自分たちは大丈夫なところにいるのです。

企業には、時期やタイミングがあるのです。経営者は、時期やタイミングを見定めて、嗅覚に委ねて決断していくことが使命のはずです。

今の状況は、どう考えても平時ではありません。戦時での対応になっているはずです。そして、戦時での対応の中で下記の瞬間のはずです。

  • 「避難するときです!」

平時での通常の意識ではなく、戦時の意識にして下さい。今は、競争するときでも、成長するときでもありません。今は、「避難するとき」のはずです。緊急事態宣言とは何をすることでしょうか。下記のはずです。

  • 「避難をするための用意をすること!」

日本のような大きな国。日本のようなGDPの国。そんな大きな国が、経済を止めることなどは簡単には出来ないのです。

高速運転をしている車でも急にブレーキをかけて止まることは出来ません。車や電車よりも企業を急に止めることは難しいのです。今回の緊急事態とは下記のはずです。

  • 経済を止めないで、経済を回しながら、
    経済を緩やかに減速させて、避難をする対応

不謹慎な言い方ですが、減速させることが出来ない会社は倒産するしかないのです。会社を閉めるときでも、明日から、突然、閉めることなどは出来ないのです。

突然、会社に来なくなるのは、問題社員と騙しの業者だけです。今回のコロナの対応は、経済を減速させたり、加速させたり、スピード調整が出来る企業が生き残るのです。

コロナで自然に市場は淘汰されるのですから、会社が生き残っていれば、競争せずに次の市場を制することが出来るはずです。コロナの対応は、今回の避難だけでは、恐らく、済まないと思います。

  • コロナの津波は迫っています!

それでも、第一波のコロナを凌がなければ、次のステージでは、更に大変な事態になります。経営者は、何も出来ないから何もしなくても良いということは出来ません。

経営者には誰も指示してくれません。自分の頭で理解して、労働者に具体的な指示を出す立場です。労働者を抱えて、避難をして、生き残る使命があるはずです。

今回の第一波を凌がなければ、次は、無いかもしれないのです。そのためには、「今に」、意識を集中させる必要があるのです。『逃げる』のと「避難をする」のでは対応が全く異なるのです。現実逃避をしている場合ではありません。

上記のマインドがリセットされたら、労働者に出す指示は、それぞれの企業で見えてくるはずです。弊社のクライアントでは、だいぶ、テレワークが出来ています。それでも、会社に直接出勤しないと対応が出来ないことが多いのが当然なのです。

そして、東京都内のオフイス業務では通勤の対応があり、3密を避けることが極めて難しい現実があります。そこで、緊急事態宣言中について下記の対応をして下さい。

  • 「異次元の時短出勤・時差出勤」

現状では下記の時間帯での出勤です。

  • 11:30~2:30まで
    3時間の集中出勤
    休憩時間なし
    または

  • 20:00~23:00まで
    3時間の集中出勤
    休憩時間なし

都内の満員電車を避けてコロナの感染者を出さない確率は上記の時間帯のような臭いがします。
実際の時短や時差出勤は、会社の実情に併せて対応をして下さい。テレワークと出勤を組み合わせて凌いでいくのです。

社内では長時間の打ち合わせは、もはや、出来ないはずです。必ず、マスクやフェイスシールドをして短時間で対応して下さい。当然、クレーマーや子供の対応をしている時間はありません。

外資系企業、東京の日系企業、地方の日系企業でコロナの危機意識レベルが全く違うのです。やはり、アメリカやヨーロッパに本社がある外資系企業では、本国がコロナで地獄絵図になっているため、緊張レベルと危機対応が全く違うのです。

マスコミで報道されているよりも、都市封鎖をされたアメリカや欧州の状況は地獄絵図に陥っているようです。

今の都内の通勤事情を踏まえれば、「異次元の時短出勤・時差出勤」まで対応する必要があるはずです。政府は遅すぎるのです。労働者とその家族を守るのは、経営者の一つ一つの判断のはずです。経営者のスピード感のある英断をお願いします。

作成日:2020年4月13日 屋根裏の労務士

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