コロナの対応 その11 「雇用調整助成金 その3」
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「今回の緊急事態宣言コロナの対応で、休業をさせる場合、休業手当の支給が必要であるのでしょうか?それとも必要はないのでしょうか?」
厚生労働省も、明確な回答ではありません。曖昧でわかりずらい回答に留めています。結論だけを言えば、現時点の解釈では下記のような解釈になります。
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自粛要請が出ている業種であれば、労働者に休業手当を支払う必要はない。ただし、休業回避の努力義務をする必要がある。自粛要請が出ていない業種の場合、「新型コロウイルスに関連」という解釈を拡大解釈することなく、十分、注意をして取り計らう必要がある。
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を踏まえて、厚生労働省は、休業手当に関するQ&Aを、4月17日時点では下記のようになっています。厚生労働省の「休業手当に関するQ&A」についてご解説致します。
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新型コロウイルスに関連して労働者を休業させる場合、欠勤中の賃金の取り扱いについては、労使で十分に話し合っていただき、労使が協力して、労働者が安心して休暇を取得できる体制を整えていただくようお願いします。
→ 労使で話し合って決めるように、「お願い」という表現になっています。「お願い」という表現が出てきたときは、法律上では企業に有利になっていることが多いです。
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なお、賃金の支払いの必要性の有無などについては、個別事案ごとに諸事情を総合的に勘案するべきですが、労働基準法第26条では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。
→ 毎回、個別に諸事情を踏まえて、総合的に判断すべきという説明です。「総合的に判断」という言い回しが出てきたときは、「正解のない難しい判断」のため、企業ごとに判断して下さいという意味です。つまり、経営者が判断・対応すべき内容レベルということです。
厚生労働省は、上記のような前提の上に、正解のある法律論を説明しています。
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また、労働基準法においては、平均賃金の100分の60までを支払うことが義務付けられていますが、労働者がより安心して休暇を取得できる体制を整えていただくためには、就業規則等により各企業において、100分の60を超えて(例えば100分の100)を支払うことを定めていただくことが望ましいものです。
→ 「望ましい」という表現が出てきたときも、法律上では企業に有利になっていることが多い傾向にあります。この説明での「望ましい」というのは、100分の60を超えて支給する休業手当であり、100分の60までの休業手当ではありません。
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この場合、支給要件に合致すれば、雇用調整助成金の支給対象になります。
→ 企業に休業手当を支給して頂いたうえで、雇用調整助成金の対象になると説明を続けています。
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※不可抗力による休業の場合は、使用者の責に帰すべき事由に当たらず、使用者に休業手当の支払義務はありません。ここでいう不可抗力とは、
①その原因が事業の外部より発生した事故であること、
②事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であること
の2つの要件を満たすものでなければならないと解されています。
→ 「不可抗力」は上記の2つを満たした極めて限定的であると解釈されています。
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例えば、自宅勤務などの方法により労働者を業務に従事させることが可能な場合において、これを十分検討するなど休業の回避について通常使用者として行うべき最善の努力を尽くしていないと認められた場合には、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当する場合があり、休業手当の支払が必要となることがあります。
→ 例えとして在宅勤務をあげて、在宅勤務を検討できる可能性があるのであれば、可能な限り在宅勤務を検討したうえで出来る限り休業の回避をして、休業手当ではなく賃金の支給をするような説明を続けて、何ら、休業回避をしない場合には、休業手当の支払いが必要になる場合もあると説明しています。
→ 上記のような説明の場合、企業に有利な解釈が多いです。厚生労働省は、曖昧な表現でわかりにくい説明をしていますが下記のような解釈もあり得ます。
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緊急事態宣言や休業要請は、事業主の都合には当たらないものの、在宅勤務等、休業回避のための事業主の最大限の努力がなければ、休業手当の支払義務はなくならない。
緊急事態宣言や休業要請は、法律上、当然のように支払い義務がなくなるわけではないということです。
個人的には、緊急事態宣言が出て休業要請の企業に、休業手当の支払う義務があるとしたら、支払う必要がない事態などは無いのと同義だと感じています。しかし、労働者にも生活があり、企業は継続して活動していく必要があるわけですから、休業手当を支給して雇用調整助成金を申請してあげて欲しいです。
作成日:2020年4月20日 屋根裏の労務士